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傷だらけの花嫁

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傷だらけの花嫁

11 - 最終話

♥

347

2024年01月13日

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りょう

お母さん、父さん、久しぶり

りょうの母

あぁ…りょう…久しぶり…!!

りょうの父

みらいちゃんを…連れてきてくれたんだね

りょう

うん、

りょう

電話での報告になってごめんね

りょうの母

いいのよ、、

りょうの母

あぁ…みらいちゃん…

みらい

ぅ…ぁぁ…

りょうの父

ほんとに…この数年で変わってしまったもんだな

りょうの母

痛かっただろうに…

りょう

医者から…

りょう

…ッ…

りょうの母

りょう…

りょうの父

植物状態の人間がどうなるか…

りょうの父

俺らも調べたよ…

りょうの父

だから、大丈夫だ、無理して言葉にしなくていい

りょう

ありがとう…

りょうの母

…あのね…私たちで考えたことがあるの

りょう

なに…?

りょうの父

本当は、、

りょうの父

りょうは俺たちの大事な子だから誰よりも幸せになって欲しいんだ

りょうの父

だから…本当は…こうなってしまったのなら…

りょうの父

もうほかの道を歩んでほしいって…思っていたんだ…

りょう

りょうの父

でもな…

りょうの父

きっとりょうもそれは反対する

りょう

あぁ、もちろん

りょうの父

りょうが初めて好きになって、人生で1番何よりも守りたいと思った子だ

りょうの父

簡単にやめてしまえる恋じゃないのは分かってる

りょうの父

みらいちゃんにも同じくらい幸せになって欲しいんだ

りょうの父

たくさん辛いことがあっただろうに、、

りょうの父

だからな…

りょうの父

みらいちゃんが生きてるうちに…

りょうの父

結婚式をあげないか…?

りょう

え…結婚式…?

りょうの母

私たちも…2人はいつか結婚して欲しいと思っていたの…

りょうの母

今こうなってしまったからには…

りょうの母

みらいちゃんに最高の瞬間を届けたいの…

りょうの母

りょうにとっても…

りょう

りょう

みらいと、結婚できるって…こと?

りょうの父

ああ、ただ、それがどういう事だか分かるよな

りょう

…分かりたくないけど…

りょう

分かるよ、

りょうの父

みらいちゃんが生きてるうちにというのは

りょう

死ぬまでにってことでしょ…

りょう

分かってる…

りょうの父

正式にお付き合いはしてないけど、2人は十分に幸せそうだったよ

りょうの母

何よりも幸せそうだったわ…

りょうの母

みらいちゃんにもう一度幸せをあげたいの

りょう

うん…

りょう

俺も、そう思うよ

りょう

りょう

結婚…するよ、俺、

りょう

プロポーズもする。

りょう

幸せにする。

りょうの母

えぇ…

りょうの母

お願いね…

みらい、聞こえますか?

これは、俺とみらいが幸せになるまでの物語です

花園公園に咲き誇る花、綺麗だったね

りょう

いい匂いだね〜

みらい

あぁ…ぅ…

りょう

この花、みらいに似合うよ

花をみらいの髪に飾った

するとゆっくりと目を閉じ、 心から味わうように微笑んだ

りょう

綺麗な花だね

みらい

うぅ…

観覧車から見下ろす街はとても綺麗だったよね

りょう

わぁ…初めて乗るんだよね…

りょう

みらいと乗れてよかったよ

みらい

あぁ、ぃ…ぉ…

きっと、私もだよ、って

喜んでくれているはず

言葉は伝わらないけど

気持ちは伝わるんだ

ちゃんと、分かるんだ

りょう

ここのパンケーキ、地元で2人で初めて食べたパンケーキにも負けないだろ笑

りょう

食べて欲しかったんだこれ、

りょう

俺が東京に来て初めて美味しいと思ったやつだかね、

りょう

きっとみらいもそう思ってくれるって思ったんだ

みらい

ぅ…ぉぁ…ぁ…

りょう

ゆっくりでいいからね

幸せの味がする

あぁ

もっと早く出会いたかった

もっと近しい関係でいたかった

そしたらきっと俺はちゃんと気持ちを伝えていて

2人は幸せになっている

と何度も思ったんだ

けど

今も幸せだよ

りょう

みらい

りょう

愛してるよ

みらい

あぁ…ぃ…ぇ…ぅ…

りょう

俺はみらいの前で跪いた

りょう

結婚しよう…

車椅子のみらいと目線が丁度ぴたりと合う

みらいは真っ直ぐ俺から目を離さない

そして俺が差し出した指輪に

ゆっくりと左手を近付けた

みらいは

涙を流していた

みらい

ぅ…ぅ、ぁぁ…

りょう

みらいッ…絶対に幸せになろう…?

りょう

ほんとに…生きててくれてありがとう…

りょう

絶対に幸せにするから…

りょう

もう離さない…離れないから…

りょう

そばにいて…

みらい

ぅ…

俺の額にみらいのほんのりと暖かい額が当たる

そのまま俺たちは

初めて接吻をした

幸せに満ちていた

本当に、このまま幸せでいたかっただけなんだ

みらいが亡くなるだなんて…

信じれないんだ…

りょう

嘘だって…言ってくれよ…

みらいは震える手でスマホに何かを打ち込んだ

みらい

ぅ…ぅ…

りょう

え、、?

やっと、私はりょうのお嫁さんになれるんだ。

りょう

…ッ

りょう

お嫁さんだよ…俺の花嫁だよ…

みらい

あぁ…ぅう…ぅ…

りょう

あいしてる…

みらい

そこは、痛みのない場所ですか?

暖かい場所ですか?

今、笑っていますか?幸せですか?

みらいと出会えた俺の人生は何よりも宝物です

この世界に生きた理由でした

みらい、おいで

幸せになろう

りょう

みらい

みらい

ぅ…

りょうの母

みらいちゃん…ッ…

りょうの父

よかった…ほんとに良かった…

たかと

幸せになれますよ、先輩なら

後輩

りょう先輩…

後輩

みらい先輩…ほんとに…おめでとう…

りょう

みらい…生まれ変わったら、

りょう

もう一度出会おう

りょう

俺が見つけるから

りょう

傷だらけでも

りょう

俺が幸せをあげる

りょう

だから来世は2人で年取って一緒に死のう…

みらい

ぁぅ…ぅ…り…りょ…ぉ…

りょう

聞こえる、ちゃんと聞こえるよ

みらい

あぃ…い……ぇ、ぅ…

りょう

分かるよ

りょう

ちゃんと

りょう

俺も愛してる

みらいはゆっくりと目を閉じた

車椅子の上で静かにこの世に別れを告げた

みらい

りょう

みらい

あなたと出会えて幸せだったよ

みらい

言いたいことはまだまだあるの、言いきれないほどあるの

みらい

あなたを好きになれて良かった

みらい

本当なら一緒に生きてきたかった

みらい

もっとたくさん一緒にいたかったの

みらい

でも幸せは続かないんだって神様は教えるの

みらい

この世のどんなに美しい景色を見たって

みらい

それは美しいとは思えなかった

みらい

汚い、見たくない、ずっと避けてた

みらい

それでも、貴方だけは何よりも輝いて美しく見えた

みらい

あなたと見る景色は幸せの色で満ち溢れていた

みらい

どんなに辛いことがあっても

みらい

りょうが助けてくれたの

みらい

小さなことでさえ、私は幸せだったよ

みらい

嬉しかったよ

みらい

だから、寂しい、辛い、離れてしまうことが耐えきれなかった

みらい

だけどずっと気持ちは変わらなかった

みらい

それは

みらい

今でもそうなの

みらい

私は今までもこれからも

みらい

あなただけだよ

みらい

あなたは

りょう

みらいは

みらい

私がこの世界に生まれて

りょう

幸せになれた理由なんだよ

みらい

だからどうか、貴方はもっと幸せになって

りょう

もう辛い思いなんてしないで

みらい

生まれ変わったらあなたの所に必ず行くよ

りょう

絶対に見つけるから

みらい

幸せにしてね

りょう

幸せにするから

りょう

今は暖かくして休んでてね

みらい

ずっと見守ってるからね

りょう

愛してるよ

みらい

この世界の何よりも

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