テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

こいつが居たら皆、不幸になる。皆幸せになる為に。 私が犠牲にならなければ行けない。

ふがっ、

がちゃ

パタンッ

紗良

...

ふごぉ~

殺る、絶対に。確実に取り逃さないように。

こいつを生かしたらだめだ。

包丁をぎゅううっと握り締めた。 包丁が逃げる事の無いように、

カチッ、......カチッと時計の秒針だけが、 規則正しく浮かんでは消える。

勢いよく包丁の先を父へ向ける。 私の心臓が耳のそばにあるのかと疑うほど バクンバクンと言っていた。 そのバクバクが収まる事は無かった

今だ、今だ、今しか無いっ!殺れッ!殺れ!動け!!

紗良

っ..!

..."っい"っったあ""ッ!

生きている可能性を少しでも低くする為に、 何回も何回も何回も刺し続けた。

"ああああ"あ"ぁ"ッ

うぁあ"っ、カヒュッ

父は私の事を睨みつけた。 誰が殺したのか確認する為。 もし自分が生きていたら仕返しをする為。 その為に私を睨みつけたのだろう。

父は雄叫びを上げて死んだ。

スカッとした。もう二度と この憎らしい顔を見る事が無いのかと。 正直とても嬉しかった。家族を守れたと言う安心。

死んだ、?

私が本当に殺したのか、....

急に体の力が抜けて血だらけになった床に座り込む。

紗良

あぁ、...ッ..良かった..。

これで皆幸せになる。

き"ぃ、...

扉を大きく開く音。息を吸う音。足音。人の気配。

美希

....ぇ、?

美希

ぇ,お姉ちゃん、..?

紗良

....美希、

美希

は..お姉ちゃん何してるの...

美希に怒られる気がした。それを弁明する為に必死だった。

紗良

美希、..
ごめんね。ごめんね?

自然と熱い涙が次々と止まることなく、零れ落ちた。

紗良

私ッ!私ッ、
あんたを守りたかったのっ

美希

ぇ、

紗良

こうするしか無かったの!あんたの幸せの為にッ

血だらけになった私の手を見ながら確認するように言った。

美希

.....殺したの、?

紗良

う"んっ....

美希

....あぁ、そっかあ、
そっか、..ありがとう。

お"いッ!何回言わせるんだ

皿の向きがちげえだろっ!

父の怒鳴り声に母はビクッと体が反応した。

母は小さく頷いて、謝る。そして 皿の向きを何mmか動かす。

ぁ、..ごめんなさい。

小さい事ですぐ怒鳴る。そんな父に飽き飽きしていた。 めんどくさい。それくらい許せと、毎回思う。

家事も出来ねえ癖によく
俺の前で生きてられるよな

ごめんなさい...。

俺が居ないと何も出来ない癖に。

自分が居ないと家が崩壊するとでも思っているのだろう。

そうして父は携帯を触り出す。

ニチャアと笑う父が気味悪くてしょうがない。

父の携帯を覗き込むと「美穂」と 登録された人とやり取りをしていた。

おい

くるっと父が振り返る

何見てんだてめえ

紗良

...

知らないふりをしてやり過ごした。

泣きそうな、助けを呼ぶような声で言う。

美希

お姉ちゃんっ、..

紗良

ん、何?

ぶんっぶんっと首を振り手を引いた。

そして小声で私に囁いた。

美希

駄目だよ変に茶化しちゃ

紗良

ごめん、...

私たちはこんなめちゃくちゃな環境で 育ったのかと思うと誇らしく思う。

美希

警察...。

美希

いや、隠そう。そして
みんなで、死のう?

紗良

は、..?

この作品はいかがでしたか?

49

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚