五月
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悠佑体調不良。 愛されぎみ。 最初はないこ視点。場面変わったら悠佑視点に変わります。 地雷さんばいばい。 通報はしないで。
今日はいれいすメンバー全員での動画用ゲームを取る予定なのだが……
ないこ
ないこ
ないこ
プツリと電話を切り、深いため息をつく。
ないこ
仕方ない。全てはいれいすのため、リスナーのみんなのためなのだから。
それでも今日くらいは仕事を忘れてみんなでバカをやりたかった。
今日はいれいすメンバー全員で動画用のゲームを撮るのだ。 動画用、とは言っても終わったらカメラを気にせず騒げるし、今日は何と言ってもアニキの家でやるのだからあわよくばアニキの手作りディナーが食べられるかもしれないと思っていたのに。
まあこんなふうにうだうだ悩んでも仕方ない。 今日は1時からの予定だったが早めて10時からにしよう。
現在時刻は8時半。 起きているか不安のやつも多数いるが大丈夫だろう。 そう思いグループラインを開く。
ないこ
すぐに既読が三つ付く。 最初に反応したのはりうら。
りうら
続けてほとけっち。
仏
最後に初兎。
初兎
ifとアニキはまだ起きていないのかな? ifはまだわかるがアニキは珍しい。もしかしたら今手元にスマホがないだけかもしれないが。
ないこ
りうら
初兎
仏
みんなの優しさが心に染みる。 やっぱり仕事断ればよかったと思ったりもしたがリーダーとしての使命感、責任がある。
ないこ
それだけ打ってラインを閉じる。 ifもアニキもあとでこの内容を見てくれるだろう。 そんな安易な想像をしたことをあとで悔やむとも知らずに俺は身支度を始めた。
床特有のひんやりとした感覚が強制的に意識を浮上させた。
悠佑
まだはっきりしない頭で現状を確認する。
窓から入る日差しの多さ的にまだ倒れてからそれほど時間は経っていないように思える。
なんとか約束の1時まで体調をある程度整えないといけない。 それにはまあ寝ることが一番なのだが、今寝床につけば明日まで眠ってしまう気がする。というかそうなる気しかしない。
重い体に鞭打ってなんとか立ち上がる。
悠佑
昨日の状態から何も変わってない部屋を少しでも片そうと足を動かすが思うようにいかない。 ふんばりを入れてもう一度!と、ようやくのことで動いた足にげんなりする。 一歩踏み出す度にこの調子では今日の撮影なんて無理かもしれない。
悠佑
ふと、回らない頭が余計な疑問を提示する。
悠佑
アニキとしてみんなを支えてきたと思っていた。 いれいすを支えてきたと思っていた。
でもそう思っていたのは俺だけで、本当はみんな厄介に思っていたのではないか?
悠佑
りうらみたいに普段は可愛いキャラなのに歌うとかっこよくなるというギャップもないし、 ほとけみたいにグループのムードメーカーのように明るく可愛くなんて出来ないし、 初兎みたいにかっこいいラップと低音の歌声で全体を支えることなんて出来ないし、 ないこみたいに仕事をしながらもこの個性豊かな俺たちをまとめることなんて出来ないし、 まろみたいに高学歴で留学時に培った英語を武器にすることも出来ない。
あれ、俺って、なにができるっけ…
悠佑
それでなにができる?
悠佑
本当に?
悠佑
ただのお世辞かもしれないのに?
悠佑
違わない。
悠佑
違わないだろ。
悠佑
ぐるぐるぐるぐる どうでもいいことに頭が回る。 頬を温かいものが伝う。 俺ってこんなに弱かったのか。 いや、泣いてどうする。 ただえさえ何も出来ないのに心まで弱くなったら俺は本当に…
あぁ、辛いなぁ…
悠佑
ないこ
霞む世界で愛しく暖かい光が見えた気がした。
五月
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コメント
3件
すごいです!続きが楽しみです
すこぉ