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桃赤
⚠️活動休止中のメンバー出てきます
夜の住宅街。
俺はいつものように、一人でふらふら歩いていた。
缶コーヒーはもうぬるくなってる。
握る手がちょっと震えてんのは気にしない。
桃
桃いるじゃん、だる
フェンスにもたれて、スマホいじってんな
桃
赤
赤
桃
赤
桃
赤
俺は何も言わず、また歩き始める
でも足取りが重い
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
そう言ってポケットに手を入れる
少しほっとした
桃
赤
二人でしばらく歩いた。
歩幅も速度も合わない。
だけど、不思議と気まずくはなかった。
桃
赤
桃
赤
俺は目を伏せた。
心臓が少し苦しくて、呼吸も浅い。
だけど、そんなこと言えない。
桃
そう言って、桃が前を歩く俺の背を軽く叩いた。
力はない。いつも通りの雑な感じ。
だけど、俺の足が止まりかけたのに気づいたんだと思う。
赤
桃
赤
桃
赤
桃
何も聞かれず、何も責められず、ただ歩く。
桃は缶コーヒーを途中で一口だけ飲んでいた。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
くだらない、ほんとに。
途中、小さな公園の前を通った。
誰もいない。街灯の下のベンチが空いてた。
桃
赤
俺がそういうと、桃は勝手にベンチに座った。
俺も隣に腰を下ろす。
缶コーヒーを持っていた手が、まだ少しだけ震えていた。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
桃が俺の手をぐいっと引っ張った。
力では抵抗できなくて、されるがままにしてた。
桃
赤
桃
そう言って、缶コーヒーを俺の手に押しつけてきた。
自分のじゃなくて、あったかいやつ
赤
桃
赤
桃
ふ、と笑いが漏れた。
久しぶりに笑った気がして、少し黙った。
桃はなにも言わなかった。
その沈黙が、やけに優しかった。
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
そう言って、桃は空を見上げた。
俺は、その横顔をみて、缶を握り直す。
赤
声が小さかったのか、桃は何も言わなかった。
でも多分聞こえてた。
涙を滲ませながら空を見上げる。
夜はまだ、続いてた。