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主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
この世界には
誰もが知ってる一つのルールがある
___あちら側の人が境界線を越えれば、昨日の記憶は全てなくなる
俺、桃は、境界線の「こちら側」にある小さなカフェで働いている
桃
毎朝決まって8時半
店のドアベルが小さく鳴る
カランコロン
桃
入ってくるのは、綺麗な水色の髪、美しい瞳をした青年
名前は「青」
あちら側の人間だ
青
昨日も来たくせにっ
まぁ、
あちら側の人間なんだから仕方ない
桃
俺にとっては何百回目の出会いでも
彼にとっては 「初対面」 なのだ
桃
青
青
青
青
青
なーんて、意地悪してみたり
でも結局毎朝ブラックを買う
それでも俺はこの会話を楽しみにしていた
桃
青
青
青
桃
青
青
青
桃
青
青
桃
桃
桃
桃
青
桃
青
青
カランコロン
大切、、ね
同じような朝がなん度も繰り返された
向こう側の人達は
こちらに来ても1日経てば記憶がなくなる
俺は彼との時間を積み重ねるけど
彼にとってはいつも
始まりだ
ある日いつも通りコーヒーを受け取った青さんが言った
青
俺は一瞬言葉を失った
桃
桃
桃
青
本当はなん度も会ってる
でも、それを言ってしまえば彼は混乱するかもしれない
青
俺はただ
君の背中を見送ることしか
出来ないのだろうか、
季節は冬に変わった
冷たい風が窓ガラスを震わせる夜
閉店時間際に青さんがやってきた
青
桃
桃
桃
俺が言うと青さんは少し首を傾げて笑った
青
青
桃
青
あまりにも自然な声だった
動揺を隠しながらも俺は
桃
と答え
シャッターを閉じた
小さなワンルーム
ストーブの音が静かに部屋を満たす
青さんはカップを両手で抱え
熱を確かめるように口をつけた
青
桃
桃
青
知っとるわっ!
桃
桃
青
桃
桃
青
桃
青
青
青
桃
桃
桃
その言葉に彼の瞳が少し揺れる
そしてゆっくり微笑んだ
距離が縮まったのは時間の問題だった
指先が触れ
肩が重なり
呼吸が近づく
お互いの唇が触れたとき
胸の奥で何かが静かに弾けた
指先がそっと絡まり
そのまま手を握った
青さんが少しだけ息を呑む
頬に触れる吐息が熱い
もう一度唇が触れて
深くて甘い口付けをする
青さんが俺の服の裾を掴む
それから
ためらうように離れ
そしてまた重なる
青
青
君が小さく呟く
桃
桃
桃
そう言って抱き寄せると、彼は力を抜いて身体を預けてきた
毛布の中
お互いの体温が混ざっていく
首筋に触れる唇
背中をなぞる指
彼は可愛らしくビクッと反応をしてくれる
時々溢れる微かな声
引き寄せてもう一度キスをする
舌先が触れた瞬間
青さんの喉から抑えきれない声がもれた
その声に理性がきしむ
唇を離すと銀色の糸のような熱を残す
青さんがもっと欲しげに抱きついてくる
青
その一言で俺は壊れた
腰をグッと引き寄せる
最初は優しくしてたが
青さんが煽ってくるので
青
青
桃
ゴリュ
青
俺は無表情で青さんの弱点を攻め続ける
青
青
桃
青
ぴたっ
青
桃
桃
青
桃
青
桃
桃
桃
桃
桃
桃
パンッパンッパンッパンッ
青
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
青
その夜青さんはなん度も俺の名前を呼んだ
___明日には忘れてしまうのに
その夜から、俺たちは恋人になった
次の日には忘れても
また会えば1から好きになってくれる
青
桃
その約束を俺は何度を交わした
ただ記憶が続かないと言う事実は
少しづつ重くなった
昨日の温もりも
笑顔も
触れた感触も___
俺の中でしか残らない
青
桃
青
桃
青
青
青
青
青
桃
桃
青
青
桃
青
青
何回もされたこの質問
桃
桃
青
青
青
青は泣きそうな顔で言った
いつも辛くなるこの時間
でも毎回涙が止まらない
夜明け前
境界線の上で
俺たちは抱きしめあった
触れた時
これまでの全てが押し寄せる
初めての笑顔も
恋人になった日も
無数の
「また明日」
も
涙が止まらなかった
いつもなら「また明日会える」そう思った
だけど
何かが変わる音がした
青
桃
白い光が弾け
世界が途切れる
カランコロン
桃
カフェのドアが開き
始めて会うはずの青年が立っていた
青
桃
いつも通り注文を受ける
その時
止まってたはずの歯車が動き出した
彼は何気ない口調で言った
青
青
主
主
主
コメント
2件
大会タグから飛んできました🙌🏻🎀 え 、最高すぎませんか 🥺 これ越えられる気がしないです 笑