誰もが友情を経験したことがあるだろう。
世の中には色んな友情がある。
これは私たちの少し歪んだ友情の物語だ。
花蓮
はぁ、今日の授業もハードだったな…
私、泉水花蓮(いずみかれん)は高校1年生。
進学校に通い、成績優秀、いわゆる優等生としてやっている。
みんな私をすごい目で見る。
でもそれは少し離れたような、違う人種のような
だから私には"友達"と呼べる友達はいない
まぁ、優等生に友達なんて必要ないし、いい成績取り続けたらいいだけだし、関係ないんだけどね。
花蓮
さっさと帰って今日の復習と明日の予習しないと…
今日も変わらない日常。
それまではそう思っていた…
花蓮
単語覚えないと…
単語帳を開いたその時
バンっ
勢いよくぶつかったせいで尻もちをついてしまった
花蓮
…ごめんなさいっ!!
花蓮
お怪我はありませんか?
すみません、私がよそ見したばっかりに…
すみません、私がよそ見したばっかりに…
恐る恐る顔をあげるとそこには女性が立っていた
暮葉
こちらこそごめん、立てる?
そう言いながら手を伸ばしてくれた
私はそれに甘えて手を取り立ち上がった
花蓮
ありがとうございます…!
花蓮
本当にすみませんでしたっ…!!
暮葉
いいよ、気にしなくて
暮葉
…
暮葉
君、名前は?
花蓮
あ、はい!
花蓮
泉水花蓮と申します…!
暮葉
かれんか…
暮葉
私は暮葉
暮葉
紅瀬暮葉(べにせくれは)だよ
花蓮
べにせさん…
暮葉
暮葉でいいよ
花蓮
あ、じゃあ、くれはさん…
暮葉
かれん、早速だけど、今からちょっといい?
花蓮
え、あ…
(よそ見してぶつかったのは私なんだし、何かお願いがあるなら聞かないと…)
(よそ見してぶつかったのは私なんだし、何かお願いがあるなら聞かないと…)
花蓮
は、はい、なんでしょうか?
暮葉
ついてきて
その人は歩き出す
私はとりあえずついていった
長い足にスタイルも抜群のくれはさん
私はつい見惚れてしまったが、平然を装いひたすら歩いた
そして気がつくと見たこともない路地裏についていた
暮葉
おーい
暮葉
みんないる?
花蓮
…みんな?(小声)
小石
ん…
墨花
なんだくれはか
千夏
へぇ、可愛いガキ連れてんじゃん
花蓮
…!!
そこには私より年上に見える女性たちがいた
でもなんだか直感だけど、悪いような気がした
暮葉
そうそう、
さっきそこで出会って、つい可愛かったから連れてきたわ
さっきそこで出会って、つい可愛かったから連れてきたわ
小石
へぇ
墨花
可愛いじゃん
千夏
君、名前、なんて言うの?
花蓮
あ、はい、泉水花蓮と申します…!
千夏
かれんか
墨花
名前すらも可愛いじゃん
小石
で、この子どうするの?
暮葉
いやー、結構いけそうじゃない?
墨花
まぁ、確かに…
千夏
悪くはないかもな
千夏
トレーニングすれば…
花蓮
…と、トレーニング?!
暮葉
あー、言い忘れてたね
暮葉
ようこそ
暮葉
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