君の隣は予約制

〈 ロゼ様~~っ♡

〈 待って、かっこよすぎないっ！？

〈 こっちみて~っ♡

〈 きゃ~~！！ ♡

俺は

人生はモテれば勝ちだと思ってた

どこに行っても

みんなが俺の虜になる

みんながかっこいいと言い

みんなが様をつけて呼ぶ

その爽快感がたまらなくて

俺が世界をまとめている感じが

気持ちがよかった

そして

何よりも

目立っている俺のことを

愛される俺という存在を

俺自身が一番好きだった

ある日の放課後

今日も 承認欲求を満たすべく

昨日とは違う女と遊ぶ

また別の日の放課後

俺と遊ぶのは予約制だ

こうすれば毎日

違う女と遊べる

俺の隣は常に予約制だ

それともう一つ

予約制にした理由は

＿＿＿＿＿ 俺は

俺を本気で愛してくれる人が ほしかった

でも皆の " 愛してる " は

どうしても薄っぺらくて。

今日は遊園地でのデートの予約

常に受け身でいい

待っているだけでいい

これが好きってこと？

これが愛されてるってこと？

人の好きなところを言うのが " 恥ずかしい "

俺はやっぱり

好きという感情が理解できない

明雷は俺に顎クイされて

顔が真っ赤になっていたのに

俺のことが好きじゃないのか…？

なんかあの後から

ずっと明雷のことを考えていた

＿＿＿＿＿俺だけに

照れているんじゃなかったのか

ﾋﾟｺﾝｯ（📱