騎士&悪魔パロ〜
協会
東雲くんの採血が終わり、今は東雲くんの結果を待っている時間だ。
瑞希
東雲くん、大丈夫?
瑞希
震えてるみたいだけど……
彰人
……大丈夫だ、気にすんな
瑞希
……分かった
弟くんは悪魔ではない。だから弟くんが罰せられる意味はないのだ。
だから、絶対に守ってみせる。
「東雲彰人の結果が出た。結果は____」
「____悪魔だ! 追い出せ!」
彰人
っ!
瑞希
____ちょっと待ってください
この広い境界にボクの声が響く。次第に皆は黙って行き、ボクは口を開く
瑞希
ボクが、悪魔です
瑞希
……その結果は、間違っています!
彰人
……は?
「テンダネス協会の結果が間違っているわけないだろう!」
瑞希
……ボクが、仕込んだんだ
瑞希
ボクが罪を被るのが嫌だったから、ボクは東雲くんに濡れ衣を被せようとした
「……お前が悪魔だという証拠を見せろ」
ボクは、フードで隠れていたツノを見せる。片方が折れていて、見るたびに嫌気がさす。
瑞希
もう一度言う、その結果は間違っていて、東雲くんではなく、ボクが悪魔だ
瑞希
処刑をするのは、ボクだけにしろ
「……っ裏切り者!」
「今すぐ牢獄へ連れて行け」
瑞希
……
よかった、弟くんは守ることができた。
牢獄に連れていかれるのなら、魔法を使って抜け出せばいい
大丈夫だ、ボクはニーゴに出会うまでは長い間ひとりでやってきた。生き延びて、あの森に帰ろう
瑞希
……意外と、頑丈だな
予想外だった。人間を舐めている節があったかもしれない。しかし出られない程ではないだろう。
瑞希
……今はここにいた方がいいかも知れないな
恐れられて居るのか処罰も下されない。あちらもただの悪魔ではなくAmiaだと気付いたのだろう。作戦を練っているのか知らないが、何もしてこないならここにいる方が楽だ。
瑞希
……殺すなら早く殺したらいいのに
前はあんなに殺意を向けられていたのに、何故だろうか。
瑞希
……暫くはここに居ようかな
こんな牢獄、出ようと思えば一瞬で出られるし、やろうと思えば騎士団ごと失くすことだってできる。
でも、森に帰ることが怖かった。そう思ったのは初めてかもしれない