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月星

……ふぁ、今日も 頭痛酷いな…

夢斗

……?(首傾)

月星

あ? 何、心配 してんの

月星

別に大丈夫

夢斗

……、(頷く)

月星

頑張って 授業 全部受けたから まぁ マシな方だよ

夢斗

……ジトッ

月星

……ん~、まぁ、体育は 休んじゃったけど…

夢斗

……

月星

サボりじゃないし~

耳の聞こえない 転校生、むとが やってきて

だいぶ経った ある日の放課後

あたし たちは もう(認めたくないけど…) 随分と 意思疎通が出来る様に なっていた

筆談の 数が 少なくなってきていて、

むと ッて 凄いな、と 思わずにはいられなかった

​───────ねぇ るせい~笑

月星

あ?

あたしが むとと 話していると

急に 隣から 笑い混じりの 声がしたので

振り返ると、

月星

ッて、 あんたか、

月星

「楓華(フウカ)」

楓華

あんた ッて なによ るせい笑

あたしの 今の処 1番の 友達

雪面 楓華(ユキメフウカ)が 立っていた

こいつは いつも へらへらと していて

若干 腹立つ 言葉も 沢山 言ってくる

まぁ正直 あたしは 楓華 が あまり得意では無い

でもさ、

「不良」として、 こういう友達 とも 仲良くしとかないと

「強く見せることが出来ない」じゃん?

月星

…んで、 用は何? 楓華

楓華

ん~? あ~用ね、

楓華

「転校生」クンと 余り 話してなかったから、

楓華

仲良くしたいなぁッて笑

夢斗

……?

月星

…ふぅん

楓華が にやにや とした笑を 浮かべながら そう言う

そして 彼女は むとに 向き合って、

楓華

へぇ~、 ほんとに 耳 聞こえてないんだぁ

夢斗

…? コクリ

月星

はぁ? そんなことを 言う為だけに 来たッて訳?

楓華

ぇぇ~? 別にぃ?

楓華

それよりさぁ

楓華

大口 開けて 話さないと 聞こえないんだねぇ?

夢斗

コクリ

楓華

ふべぇん笑笑

月星

…ッ あんた 何? そう言うのッて こういう人に 言っちゃ ダメでしょ

夢斗

……フルフル

夢斗

カリカリカリ

月星

…ん、なに?

月星

……ッ

月星

そっか、 御免

楓華

……ふぅん?

むとの スケッチブックに 書かれた言葉を見て

あたしと 楓華は それぞれの反応で 頷く

楓華

……ねぇ ちょっとるせい笑

月星

何よ

楓華

ちょっと 来てくれん?

月星

……? まぁ、いいけど

月星

じゃ、むと 楓華の 話終わったら そのまま帰る

夢斗

……?ジトッ

月星

部活? いつも サボってるから いいし~

夢斗

……はぁ、

月星

ため息つくな 殴んぞ?

夢斗

!! ぶんぶんぶん

月星

必死すぎ笑

夢斗

…………笑

月星

(あ…… 笑った)

月星

……んじゃ、楓華行くか

楓華

りょ~

あたしは むとの 笑顔に 少しだけ、少しだけ どきとして

楓華を 引っ張って 教室を出た

月星

……んで?

月星

何よ、 急に 話とか

月星

もしかして タイマン?

月星

やってやんよ?

楓華

笑笑笑笑

楓華

辞めてよ~笑

楓華

楓華ちゃんは ひ弱 なんですぅ~

月星

黙れ 握力 35の お化け

楓華

あッ?! なんで 知ってんの?!

月星

あたし サボって​─────休んでたから

月星

測るの 手伝ってたから、そこで 見た

楓華

卑怯!!

楓華

……まぁ その話は いいよ

そんな 荒々しい 言い争いをし

楓華 が ごほんと 態とらしい 咳を した

楓華

あのさぁ

楓華

なんで最近、 あの 難聴 と 話してんの?

月星

……………………は?

楓華 の言葉 が 一瞬 理解出来ず

数秒間 固まる

月星

……あの 難聴と 話、してんの?

楓華

そうよ、 聞こえなかったの?

楓華

あ、笑

楓華

もしかして 難聴の 影響受けてんの?

月星

……ぁん?

月星

てか、むとのこと 難聴 ッて 呼ぶなよ

楓華

事実じゃん?

楓華

それに、皆もそう呼んでる笑

月星

……はぁ?

楓華

あとあと、

楓華

​────あいつの所為で るせいが 耳悪くなってるッて噂も笑

目の前が 真っ赤に 染まる

楓華

むと、だっけ?

楓華

あいつと 絡むのやめた方が いいよ~?

楓華

あいつの所為で あんたの 悪い噂が 広がんの笑

楓華

最近 あいつとの 話で 皆が 呼びかけるの 聞こえてないもんね笑

楓華

ほんとに 面白い笑笑

楓華

難聴コンビッて名前で 漫才でもしたら?

楓華

あ笑笑 耳聞こえないから 会話できないじゃん笑笑

月星

​───────お前、いい加減にしろよ

楓華

なんでぇ? あいつと 同じに されるのが 嫌なのぉ?笑

月星

……違ッげぇよ

あたしは

いつの間にか 拳を 握っていた

月星

お前ら なんかに 「難聴」ッて 呼ばれる むとの 代わりに 怒ってんだよ!!

全てが

全てが、スローモーションに 見えた

あたしの 拳が、 真っ直ぐ 楓華 に飛んでいく

楓華の 顔に 拳が めり込む

楓華

……ッ?!

楓華は 声にならない 声をあげて

校舎の壁 目掛けて 後ろ向きに吹っ飛んだ

月星

……ワナワナ

まだ、 あたしの拳が 震えてる

ふと、視線を感じた

月星

……?(振向)

月星

……あッ

夢斗

…………

月星

む、むと……?

夢斗

……

むとが、そこにいた

長い 儚い まつ毛を 伏せて、

月星

……な、なによ、手話して

夢斗

……

むとは

左手の 手のひらに 目掛けて

右手を上から さすように してTの 逆 のような 形を 作った

月星

……?

夢斗

……

夢斗

……さィティ

月星

むとが 口を開いた

初めて、 喋った

か細く、 掠れた 声だった

……初めてむとの声を聞き、その言葉が、

月星

……最低?

あたしの 繰り返す言葉 なんか 知らない ように

むとは 校舎裏を去っていった

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