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なきめ
私は、日々の忙しい業務に追われていた。
機七子
彼女は頼もしい先輩。 必ず定時には仕事を終え、新入社員への指導も完璧な人だ。
なきめ
この株式会社『ラボラボ』はこの業界では長年トップに君臨する、 歴史の長い会社だ。
機七子
私はまだ仕事が慣れないせいか、最近は残業ばかりだ。 相沢先輩はいつも通り定時に帰ってしまった。
なきめ
私が配属されたシステム管理部は人手が少ない。 こんなの新人一人がやる仕事量ではない。
なきめ
いつもの帰り道、カタカタと夜道を動く何かに遭遇した。
なきめ
その物体の目、いや、レンズがこちらに向く。 きらりと光り、ものすごいスピードで私に突撃してきた。
なきめ
間一髪で避け、来た道を引き返す。 私は必死に逃げるが、なぜか相手は追ってくる。
なきめ
やみくもに走った結果、たどり着いたのは壁で塞がれた道。 赤い光を放ちながら私ににじり寄ってくるロボットは、 アームを大きく振り上げた。
なきめ
目をつむり覚悟を決めたが、体には何の衝撃もこない。
なきめ
恐る恐る目を開けると、私とロボットの間に、 別のロボットが入り込んで攻撃を防いでいた。 人型のロボット同士の戦闘が始まり、 私を襲ったロボットが吹っ飛ばされてショートした。
なきめ
???
助けてくれたロボットが急に喋った。 それは聞き覚えのある声だった。
なきめ
???
私は言われるがまま謎のロボットについていくことに。 たどり着いたのは会社の玄関。 そう思ったのも束の間、床が下へと動き始めた。
なきめ
床はどんどん下へ移動していく。 止まった時、もう目の前には知らない景色が広がっていた。
???
聞いたことのない組織だ。 扉の前に着くと、ロボットがアームをかざす。
音声
扉が開き、部屋には沢山のロボット、沢山の椅子と机、沢山のパソコン、 その中の一つの椅子に誰かが座っていた。
機七子
椅子に座っていたのは相沢先輩だった。
なきめ
機七子
相沢先輩は丁寧に、一つずつ説明してくれた。
秘密機械戦闘部隊とは、政府公式の秘密部隊で、 一般には公開されていない組織だ。 相沢先輩はボスに命令され、私をここまで案内したらしい。
機七子
なきめ
機七子
主な仕事内容はロボットを遠隔操作して、制御不能ロボを始末するもの。 操作には身体に影響が出るために、体力が必要となるらしい。
なきめ
機七子
私は先輩に連れられ、ボスが待つ部屋へと向かうことに。 先輩が扉の前の機会にカードをかざす。
音声
扉が開き、部屋の奥に人影が見えた。
機七子
聡
そのボスはどこか見覚えのある顔だった。
なきめ
聡
この組織のボスは株式会社『ラボラボ』の社長だった。
聡
なきめ
聡
『アーク』は相沢先輩のコードネームだ。
機七子
聡
コードネームは社長、いや、ボスが決めているようだ。
聡
なきめ
聡
色々と手続きを済ませ、再びプレイヤー室へと案内された。
機七子
なきめ
機七子
アークから渡されたのは鍵だった。
なきめ
機七子
戦闘員が操作するロボットは人によって異なる。
機七子
私はロボットの背中の鍵穴にチャームキーを差し込み、左に回す。
音声
胴体に取り付けられた黄色いランプが点灯し、 ロボットは動いて、レンズをこちらに向けた。
なきめ
機七子
専用のコントローラーとロボットをシンクロさせて通信、 黄色いランプが点滅したら接続中の合図だ。
音声
起動したパソコンでソフトウェアを開き、 コードを繋いでコントローラーとパソコンを接続。 画面に接続完了の文字が表示された。
機七子
コントローラーから伸びた腕輪型コードを装着、 これで全ての準備が整った。
機七子
慣れない操作のせいで壁にぶつかりまくる。
機七子
レッカ
ギラリと光る猫目に思わずひるんでしまう。
機七子
レッカ
レッカはズボンのポケットからおもむろにチャームキーを取り出し、 『R08』に差し込んだ。 外に出たレッカは、私を連れて住宅街を散策し始めた。
レッカ
制御不能ロボットを見つけたレッカは、私をほっといて相手に殴りかかった。 相手を滅多打ちにしていくレッカ。 ただ、素直にやられるほど相手も弱くはなかった。 バットを受け止められ、大きく投げ飛ばされる。
ニナ
代わりにロボットが戦ってるとはいえ、相手に立ち向かうのは怖い。 慣れない操作の中で、さらに恐怖が押し寄せてくる。
レッカ
ニナ
レッカ
『K75』を操作していたアークが私の隣から動き出した。
アーク
レッカ
レッカとアークが左右から挟み撃ちで攻撃をかますが、 相手は両アームでそれを同時に受け止める。 攻撃を弾き返し、反撃してきた。
アーク
アークがチェーンソーで相手の片アームを切断。
レッカ
レッカがバットで相手のレンズを破壊。
ニナ
プレイヤー室でも現場でも、私は指先一つも動いていない。 手からにじみ出る汗、モニター越しに伝わる激戦を、 息をひそめて眺めるしかなかった。
レッカ
レッカがとどめを刺す。相手のロボットは動かなくなった。
アーク
レッカ
仲良く話す二人をよそに、ボコボコに叩きのめされた制御不能ロボットが、 少しずつ動き出しているのを私は見逃さなかった。
ニナ
私は持っていた大型のハサミを思いきりぶん投げた。 私の声で瞬時に左右に避けた二人の間を、ハサミがすれすれですり抜け、 相手の胴体ど真ん中に突き刺さった。今度こそ完全に停止した。
レッカ
アーク
私は相手の胴体からハサミを抜こうとするが、深く刺さっていて抜けない。
レッカ
アーク
ニナ
私たちは個体をアジトへと操作、無事にプレイヤー室へと戻ることができた。
機七子
レッカ
機七子
私はそんな会話を聞きながらチャームキーを右に回した。
音声
私はこれから、秘密機械戦闘部隊の戦闘員、 『ニナ』として頑張らなくてはならない。 制御不能となったロボットたちを始末するという使命を背負ってしまった。 私は、この世界はいったいどうなってしまうのだろうか。