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最初から分かってた。
君と過ごせるのは40日
それまでは少なくとも一緒だよ。
なぁんて、君には届かないんだもんね。
もう、君は居ないもんね。
覚えてる?
初めて会ったのは病室だった。
私はテニスの県大会直前に肺炎になって。
本当に辛くて悲しくて苦しくて悔しかった。
そんななか入院部屋にいたのが君だった。
君
って君が言ったよね。
私はそれどころじゃなかった。
やっとキャプテンを勝ち取って。
キャプテンになって初めての大会でこんな風になったんだよ。
しかもライバルにキャプテンを交代しなきゃいけなかった。
嫌で嫌で嫌で。
私
いつも私はクラスの人気者。
陽キャで明るいのが私だった。
でも、君とは初対面。
私が元々こんな性格って思ったでしょ?
本当は違う。
関東なのに関西人ってアダ名つけられたんだよ。
ノリが良すぎてウザいって言われたりもする。
そんな私を君は
君
って
か弱くて
優しくて
落ち着いた声で言った。
私にこんなに優しく言ってくれたのは君が初めてだった。
皆、私が苦しい、キツいっていっても
「オマエだし、大丈夫だろ?速く行こうぜ関西人~!」
って。
私は自然と涙がでた。
何でこれだけで泣いたんだろう。
分からないくらいに泣いて。
君
君
って言ってくれた。
私
って消え入りそうな声で言った。
君はきょとんとした顔で
君
って言った。
君と私は揃えて微笑んだ。
本当に嬉しくて嬉しくて。
今までの悩みが吹っ飛んだみたいな感じで。
笑った君の顔が可愛くてかっこよくて。
私
って自然に声が出てた。
君
って君は言ったけど私は慌てて
話の話題を変えた。
私
君は一瞬寂しそうな顔をして
君
私
言おうとしたけどやめた。
これ以上聞いたら
君をもっと傷付けると思ったから。
君の目が寂しそうで
悲しそうで
暗くて
何よりも
体液で潤っていた。
この表現は分かりづらいかな?
涙が出ていたんだ。
そしてゆっくり。
ゆっくりと
君の頬をつたっていった。
私
君
何でって私が泣かせてしまったから。
何で君はわからないの?
って。
正直思った。
でも私は
私
私
君
私
私達はたっくさん笑った。
でも、私の心は笑ってなかった。
きっと君も笑ってなかったよね。
---1か月後---
私はあと10日で退院。
その頃にはもう、君は居なかった。
一週間前に君は退院した。
それだったら良いんだよ。
良い。
でも違った。
君は産まれてからずーっと。
病院から出れなかった。
退院出来なかった。
一週間前。
君はこの世を旅立った。
いづれそうなるのは分かってた。
君
私
君は
君
君
分かってる。
それくらい察せる。
だから言わないで。
なんて君には届かなかった。
君
嫌だ嫌だ。
言わないで。
言わないでほしかった。
こんなに仲良くなれたのに。
やっと気が楽になったのに。
心が軽くなったのに。
私はありったけに泣いた。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
気づいたら日が明けていた。
君
私
私
君
君
いやいや無理でしょ。
何でそんなにさらさらと言えるの?
私
私
私はつい本音が出たんだよね。
君
「あぁごめん」
「何でもない」
私
私
私
私
君
君
君
何で?何で言えないの私!
泣かせるつもりじゃなかった。
ごめん。ごめんなさい
でも、私はそれどころじゃなくて。
私
私
私
忘れてた。
私、肺炎だった。
君
君
苦しい。
苦しい。
苦しい。
でも
違う意味でだったの。
自分を止められなかったのが
悔やんでも悔やんでも
許せなかった。
その日の夜、
君の症状が急変した。
何もないような君が
沢山機械をつけられて。
泣きながら君は言っていた。
「僕.....は....」
「君に一目惚れだった。」
「君が大好きだよ。」
「死にたくない...」
「死にたくないよ...」
「大好きだよ...」
ピッピッピッピッピッ...ピッ...ピッ.......
ピッ.............ピ----------------------------------------
そのあとの事はあんまり覚えていない。
覚えているのは
君は微笑みながらこの世を去っていった事。
翌朝、私は見たよ。
いつも手紙交換してたから。
最後にって
「さようなら」
「私も好きだったんだよ。」
「今日で私、退院だよ。」
「君のおかげて楽しかった。」
「大好きだよ。」
って
書いた手紙を交換場所の
引き出しに入れようと開けたとき。
ガララララ....
手紙が入っていた。
私
私
私は恐る恐る手紙を開いた。
そしたらこう書いてあった。
「君がこれを読んでいるとき、きっと僕はいないね。」
「今日退院でしょ?」
「おめでとう。」
「僕も退院したかったな」
「なぁんて、叶わないけどね。」
「君は僕の笑顔が好きだったもんね。」
「だから笑いながら死ぬって決めてるから。」
「君もずっと笑っていて。」
「僕も君の笑顔が好きだったから。」