りゅう
スバルさん……。あなたのためにも、俺を使って。
スバル
……。
スバル
残念ながらそれは出来ません…。
りゅう
でも…!!
スバル
私には薬がありますから。
りゅう
なんだ…薬があるのか…。
りゅう
(安心だ……。)
スバル
私がりゅう様を部屋まで送りますよ。
クドラク
あぁ、頼む。
りゅう
な、なんで肩車……。
スバル
特に理由はございませんよ。
スバル
それより、りゅう様。本当に申し訳ございません。
りゅう
だ、大丈夫だって…😅
スバル
他にも…
りゅう
他?
スバル
クドラク様があなたをここへ連れてくる時や、帰りたい気持ちで外に出て吸血鬼に噛まれてしまったこと。ガルダ様の人殺しの件など、怖いことや辛いことばかりだったでしょう。
スバル
そんなりゅう様が可哀想で、申し訳なく思ってしまいます。
りゅう
それは……。
スバル
………。
りゅう
俺、好きなんだ。
スバル
はい?
りゅう
クドラクの事。いつでも助けてくれて、多分クドラクがクドラクじゃなかったら、俺今頃自殺してる。
りゅう
でも、クドラクがいると怖くないし、この生活にも耐えられる。本当は辛いけど…。
スバル
………。
りゅう
大好き。クドラクのこと大好きだけど、結婚は違うと思う。
スバル
それは、結婚はしないということですか?
りゅう
俺もまだ混乱してて…。
スバル
着きましたよ。
りゅう
ありがとうございます。
スバル
ゆっくり休んでください。
りゅう
はい。
吸血鬼
やぁ♪
りゅう
お、お前は…!!
吸血鬼
前あった時は殺せなくて残念だよー♪王様が来ちゃったからね♪
りゅう
な、何の用だよ…。
吸血鬼
かーわいい♪震えちゃって♪
りゅう
馬鹿にしやがって……。
吸血鬼
まぁでも、今日は殺すつもりは無いから安心してよ♪
りゅう
だから、何の用なんだ…。
吸血鬼
お前、王と結婚するらしいじゃーん?♪
りゅう
な、なんでそれを?!
吸血鬼
俺も出来ちゃうんだよね♪
りゅう
何をだよ…。
吸血鬼
テ・レ・パ・シ・ー♪
吸血鬼
ほんと、怯えちゃってかわいいな〜♪
りゅう
(クドラク…。)
吸血鬼
クドラク様は来ないよ??♪
吸血鬼
そして、今日は君を犯しに来たんだよ♪
りゅう
は?何言って…
吸血鬼
結婚するんだもんね〜♪その前に経験ないとね♪経験は君を裏切らないよ♪
りゅう
(なんなんだよこいつ…。)
吸血鬼
じゃ、はじめよっか♪ 今日は君が逃げられないように縄とか持ってきたからさ♪
吸血鬼
今のうちに縛らないとな♪
りゅう
うぅ…
吸血鬼
お?起きた起きた♪
りゅう
動けね…
吸血鬼
いいねぇこういうシチュエーション♪
りゅう
ほ、ほどけよ!!
吸血鬼
逃げるからだーめ♪
吸血鬼
そろそろはじめよっか♪
りゅう
おい、服……
吸血鬼
おぉ〜、いい体だねぇ♪
吸血鬼
全部脱いでもらわないとね♪
りゅう
(恥ずか…し……)
吸血鬼
ほんとだね〜、恥ずかしいね♪
りゅう
服返せよ!!
吸血鬼
いやー、ビリビリに破けたもの戻せって言われてもね♪
りゅう
手ぇ痛い…。
吸血鬼
あー、まじ興奮する♪
吸血鬼
俺のもこんなに元気だ…♪
りゅう
う……わ…
吸血鬼
君の中に入るかな??♪
りゅう
無理……だよ…
吸血鬼
やってみないと分からないか♪
りゅう
無理無理、そんな大きいの…
吸血鬼
入れるね♪
りゅう
あぁぁぁ!
吸血鬼
まだ先っちょしかはいってねーよ♪
りゅう
抜けよぉ!やめてぇぇ!
吸血鬼
うるせ♪これからだぞ♪
りゅう
うぅぅぅぁぁ…
吸血鬼
あぁ、そろそろやべぇ♪
りゅう
あぁっ、あっ、うぁ。
吸血鬼
中に出すぞ♪
りゅう
い、嫌だ……。
吸血鬼
あぁぁぁ、イクっ…♪
吸血鬼
あー、疲れたぁ♪
りゅう
はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ。
吸血鬼
ありがとうね♪
そう言うと、吸血鬼は窓を開けて外へ飛び立って行った。
りゅう
なんで………俺ばっかり…。
クドラク
りゅう。そろそろ晩御飯だ。
りゅう
………。
クドラク
開けるぞ。
りゅう
………。
クドラク
りゅう!!何があった?!
りゅう
クドラク……俺……もうダメだ…。
クドラク
………。
クドラク
誰に…やられたんだ。
りゅう
俺を殺そうとした吸血鬼…。
クドラク
あいつか。
りゅう
クドラク……。
クドラク
と、とりあえず風呂からだ。スバルを呼ぶ……
りゅう
だめ。こんな姿見せられないよ…。
クドラク
……。
りゅう
大浴場じゃなくて、部屋の風呂を使うから…。
りゅう
今日は1人にさせて…。
クドラク
あ、あぁ、分かった。
スバル
どうかなさいました??
クドラク
りゅうが吸血鬼に犯された。
スバル
吸血鬼って??
クドラク
りゅうを殺そうとしたやつらしい。
スバル
りゅう様は…??
クドラク
私もよくわからなかったが、追い出されてしまった。
スバル
大丈夫でしょうか……。
クドラク
りゅう。
りゅう
………。
クドラク
もう11:00だぞ。起きてるだろ。
りゅう
………うん。
クドラク
どうした。
りゅう
………。
クドラク
開けてくれないか??
りゅう
…………。
クドラク
(素直な奴だな)
りゅう
なに?
クドラク
お前が心配できたんだ。
りゅう
………。
クドラク
………。
りゅう
もう、帰りたい……。
クドラク
………。
クドラク
そうだな。
りゅう
え……。
クドラク
お前が可哀想だったな。私の勝手な行動でいろんな目に遭わせてしまった。結婚だなんて馬鹿げてたな。
りゅう
………。
りゅう
ごめん。
クドラク
いや、悪いのは私の方なんだ。申し訳ない。
クドラク
行こうか。
りゅう
え?
クドラク
今から帰るぞ。
りゅう
………分かった。
クドラク
着いたぞ。
りゅう
速い…。
クドラク
それじゃあ、もう会うことは無いだろう。元気にやっていけ。
りゅう
(もう…会うことは無い…??)
瞬きをして目を開けた時にはクドラクの姿はなかった。
りゅう
ここは、俺ん家の前…。
りゅう
ただいま。
りゅう
なんか、懐かしい。
りゅう
なにかが違う。
りゅう
はぁ。
さとし
最近ため息多いな〜
さとし
ずっと大学サボってたから、今更後悔してんのか?
りゅう
ちげーよ。
さとし
元気ねぇな。
りゅう
そんなことない。
りゅう
(何故か、会いたくなる。)
さとし
俺これからバイトあるわ😓
りゅう
俺もだ。俺行くね。
さとし
おう、じゃーな。
りゅう
あれ、ここって…。
りゅう
ここで何かあったんですか?
近所のおじさん
前に、夜に大きな地震があって地割れしたんだよ。血が大量にたれていて、誰かが被害にあったのかもしれんな。
りゅう
(俺だ。)
りゅう
あ、ありがとうございます。
りゅう
(バイト遅れる。)
りゅう
はー、バイト終わった〜
今日のりゅうは夜の街を楽しみながら帰ろうとしていた。
りゅう
あそこと違ってここは夜も安全だな。久しぶりに太陽見た…。
りゅう
しかし、安全だな。この世界は。
りゅう
静かでいいな。
男
お前!!
りゅう
あ?
りゅう
お、おい!なんだよ!
男
金だよ。金を出せ!出ないと殺す。
りゅう
(狂ってる…。)
男
もういい。殺す。
りゅう
は…、や、やめ…。
男がナイフを両手で持ち、手を高くりゅうにかざした。
りゅう
(し、死ぬ……。クドラク…!!)
男
おらぁ!
りゅう
(あ、クドラクはいない…。)
りゅう
……。
りゅう
え…?
目の前には男がたっていた。街灯の逆光で顔が見えない。
男
誰だおめぇ??
クドラク
クドラク。吸血鬼だ。
りゅう
クドラク……
クドラク
言ったはずだ。お前は守ると。だが、私は1回その約束を守れなかった。だから、次こそは守ってみせよう。
男
ばっかじゃねぇの?
クドラク
……だまれ。
りゅう
(怒ってる…。いつもは無表情のクドラクがあんな顔を…。初めて見る。)
りゅう
クドラク!!
クドラク
なんだ?
りゅう
ナイフが……刺さってる…。
クドラク
お前を守るためだ。このくらい大した事はない。
男
お前、人間じゃねだろ…。
クドラク
だから言ったろ。私は吸血鬼だ。
男
ひぃぃぃ!
りゅう
クドラク……。
クドラク
しかし、お前はこっちに戻っても災難ばっかりなんだな。
りゅう
もう会えないかと思った…。
クドラク
気配を感じた。
りゅう
気配??
クドラク
お前を傷つけられるのは私が許さない。
りゅう
そっか。
クドラク
じゃあ、私はこれで…。
りゅう
まって。
クドラク
なんだ?
りゅう
せっかく会えたのに…。
りゅう
また会えなくなるのは絶対に嫌だ。
クドラク
りゅう……。
りゅう
俺、クドラクの元を離れてからやっと気づいた。大切なものはずっとそばにあるとは限らない事とか、絶対に失いたくないものが出来たこととか。
りゅう
本当は大好き。離れたくない。
クドラク
……。
りゅう
神様。俺にチャンスを…。もう一度チャンスをください……。
りゅう
クドラク…??
クドラク
神はお前の願いを叶えてくれたようだな。
りゅう
クドラク……!!す、好きだ…。
クドラク
私もだ。帰ろうか。
りゅう
(クドラクにも恋愛感情はあるんだ…。)
りゅう
帰ろ。