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とある早朝の騒がしいバスの中……。
ダンテ
グレゴール
ダンテ
ファウスト
ダンテ
ロージャ
採光の事や、今日の仕事など……。いつも通りのくだらない雑談が蔓延るバスの中。
しかし、今日は特別な日だと、何人かは認知していた。
ダンテが、PDAをカチカチを鳴らしながら、指を動かしていると……。
ダンテ
突拍子もなく、ダンテがチーンと頭を鳴らした。まるで何か思い出したかにように。
ダンテ
その“7月7日”という言葉を聞いたバスの中にいる人達が騒ぐのをやめ、こちらを向く。
イシュメール
ドンキホーテ
ホンル
今日という日が、それぞれの記憶に何かを呼び起こした。そして皆、まるで合図でもあったかのように、同じ言葉を呟く。
ダンテ
ヒースクリフの誕生日/七夕の日
ダンテ
…………
!?!?!?!?!?!?!?
異口同音でヒースクリフの誕生日について呟く……はずだった。
だがその中で、それ以外の事を呟く者がいたのだ!(何なら言わなかった人もいた)
シンクレア
気まずい沈黙が流れる中、口火を切ったのは、ヒースクリフの誕生日だと答えたシンクレアだった。
ウーティス
そんな優しい言葉を卑下するかのように、七夕だと答えたウーティスがきつく返した。
ドンキホーテ
シンクレアと同様の答え持っていたドンキホーテが言い返した。
ウーティス
ダンテ
ウーティス
ウーティスが立ち上がり、また議論がヒートアップする所を見通し、ダンテが命令を下す。
ウーティスは、滅多なことで上官の意に逆らうような人物ではない。案の定、今回も素直に従うことにしたようだ。
そんな黙ったウーティスを見て、ダンテは申し訳なくなったのか、ウーティスに近寄り、助言を与えた。
ダンテ
ウーティス
どうやらまだ、過去に引きずられいているみたいだ。もう少し、言葉を紡ぐ。
ダンテ
ウーティス
どうやらウーティスは理解出来たみたいだ。小さく頷いたのち、再び席に座った。
ホンル
七夕と答えたホンルは、何処か申し訳なさそうな笑顔で謝罪の言葉を言った。
グレゴール
グレゴールがあくびをしながら、ホンルを慰める。
良秀
イサン
イサンの言う通り、良秀がグレゴールをバカにするような発言をしてしまった。いつも通りの良秀であった。
グレゴール
煙を一層濃く蒸した不機嫌なグレゴールが、嫌味のように言い返した。
ヒースクリフ
不意に、誰かの情けないあくびがバス内に響いた。
ダンテ
その正体は、いかにも眠そうな顔をしたヒースクリフだった。
ヒースクリフ
ホンル
ヒースクリフ
タイミングを狙って、ホンルがヒースクリフの誕生日を祝った。だが、当人のヒースクリフは、どこかはっきりを分かっていないようだ。
ロージャ
ヒースクリフ
まだ動きづらい頭を回し、当日について思考する……。のちに、ヒースクリフはなにか思いついたか、「あっ」っと口から漏らした。
ヒースクリフ
イシュメール
ヒースクリフ
適当にイシュメールの言葉を流し、そのままいつもの席に座るヒースクリフだった。何だか腑に落ちない中、何か気になる事でも残っていたのか、またヒースクリフは口を開けた。
ヒースクリフ
シンクレア
ヒースクリフ
ムルソー
ヒースクリフの疑問に対し、今まで傍観していたムルソーが突如、説明し出す。
ダンテ
ロージャ
いつに間にか、話題が七夕へと偏っていた時、ドンキホーテが突然、ヒースクリフに問いかけた。
ホンル
誰かが疑問を投げると、誰かが答え、誰かがぼやく……。そのうち、そのような会話が再びいつも通りに戻るだろう。
ダンテはその様子を見て、そう思うようになった。そして今日が始まる。
ちなみに、ヒースクリフの誕生日は、夜ちゃんと祝ってあげた。
その日の夜。
今日の夜は、なかなかに大変だった。
ヒースクリフの誕生日会は、成功したと言ったらそうだろう。
だが、その時に出された酒のせいで、会場はもう大騒ぎ。
誰かがビンで、誰かの頭をぶっ叩いたり……。
まあ、察せるだろう。
ダンテ
そんな誕生日会の被害者が、廊下をおぼつかない足取りで歩いていた。
ダンテ
不満を、誰にも聞かれないように、静かに叫んだダンテは、未だ仕組みがわからない無限に続く廊下の中で、己の部屋へ戻る。
その道中で、ダンテはあるものを見つけた。
ダンテ
本来目があったであろうその頭を向けていた先には、笹が突き刺さっていた。
ダンテ
遠目ではよく分からない。ダンテはもう少し近づいて、その笹をもっと眺めてみた。
その笹には、いろんな色の紙が吊るされていた。
その紙を見た瞬間、ダンテはある事を脳の引き出しから取り出した。
ダンテ
ムルソーの説明からわかった事だ。その笹は、七夕に使われるものだとダンテは理解した。
ダンテ
そういえば笹には、合計11枚の短冊が吊るされていた。まさかだと思い、ダンテは黄色い短冊を手に取った。
ドンキホーテ
ダンテ
黄色い短冊には、いかにもドンキホーテらしい願い事が書かれていた。
また別の短冊を手に取り、その内容を確認してみると……。
良秀
ホンル
ウーティス
ファウスト
ロージャ
グレゴール
イサン
シンクレア
イシュメール
ムルソー
典型的なものやユニークなものまで、様々願いが短冊には綴られていた。
ダンテ
珍しく囚人が団結してる様を見て、管理人はどこか嬉しいような仕草を見せる。
そのように関心してるダンテに、誰かの足音が近づいてくる。
ヒースクリフ
ダンテ
その足音の正体は、ヒースクリフだった。どうやら急いでいたようで、手には紫色の短冊を持っていた。
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
そのような会話をしながら、ヒースクリフは笹へ近づき、手に持っていた短冊を吊るした。
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
そのようにほざくヒースクリフの短冊にはこう書かれていた。
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
そっけなく、何と見ないように返したつもりだったが、ヒースクリフは、真面目な顔をして話した。
ヒースクリフ
本気な顔のヒースクリフに、ダンテはしばらく黙る。
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
はぐらかすヒースクリフを横目に、赤い短冊に己の願い事を書くダンテ。
どうやら最初から決まっていたようで、数秒もかからず書き終え、それを笹の葉に吊るした。
ヒースクリフ
ダンテ
ヒースクリフ
2人が笑いながら話し合う場の前にある笹に吊るされた、ダンテの短冊にはこう書かれてあった。
ダンテ
クオリティー低くてすまん
コメント
5件
あームルソーさん優しすぎてスコなんですわ~ 最初の空気気まず…
都市に七夕はあるのか、?良秀とかホンルあたりは知ってそうですけど、(あとイサンとかイシュメール)