陛下はツンな令息を落としたい

寝る支度をしてから、 逃げ込むように部屋に入って 枕に顔を埋める。

あの言葉が、俺の頭の中を埋めつくす。

さらに枕に顔を埋める。

しかし、あの言葉が、あの笑顔が 俺の頭から離れることはない。

…まるで俺が意識してるみたいやんか。

そう呟いても、胸の高鳴りは止まらない。

…最初は、あんなやつと結婚なんかしたくないって思ってた。

でも、あいつといると……なんでやろ、心があったかい。

窓の外から夜風が流れ込んできて、 少し肌寒さを感じる。

こんな調子であいつと顔合わせたら、 絶対いつも通りじゃいられへん。

目を閉じようとしても、 どうしても落ち着けない。

胸の奥がじんわりと熱くなって、寝返りを打つ。

そしてふと、思い出したように小さく呟く。

その瞬間、胸の奥がトクンと跳ねた。

…なんだか、妙な予感がする。

気のせい、なんかな…？