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占拠小説

第10話 - NEA占拠　第二話

2025年07月01日

#警察

#架空

#占拠

#正義とは

ロールス

至急至急。新潟県警察本部からNGPS管内全警察官宛。本日未明。武装集団にNEAが占拠された模様。各対応可能者は現急せよ。なお、NATに対して出動命令発令。新潟署から速やかに急行せよ。

大村拓哉

只今指揮本部着。

矢田雄一郎

大村。わざわざすまない。

大村拓哉

いえ。状況を教えて下さい。

矢田雄一郎

占拠されたのは新潟エキスポアート。大型展覧会だ。人質はおよそ500名。犯人は自身を“衷”と名乗っているらしい。

大村拓哉

衷っていうと…

長谷川瑶台

いわゆる“感情”ですね。

長谷川瑶台

君主に使えるものの忠義や誠意をする行為から生まれたと言われています。

大村拓哉

で？その感情集団の数は？

矢田雄一郎

地下搬入口の防犯カメラに10人。そしてこのトラックの運転手も衷かもしれないが現段階では断定できない。だから現段階では10人だと。

奥村進次郎

10人ならNATですぐに制圧できるだろ。なぜ突入ができない。

矢田雄一郎

さっきから言っているが、内部には複数の政治家がいる。今乗り込んで殺されたら…

大村拓哉

あの人は？

長谷川瑶台

確か新しいNAT司令官だよ。奥村進次郎警部だっけか。

大村拓哉

NAT司令官…岸本の後任か。

奥村進次郎

屋上のヘリポートは外からしか開けられない！奇襲はされないはずだ！

矢田雄一郎

出入口を奴らが固めていれば？

矢田雄一郎

リーダーやハッカー。見張りで合計4人だろう。

矢田雄一郎

残り6人のうち2人が各出入口。4人がヘリポート前階段にいれば突入は不可能。

矢田雄一郎

そうじゃなくても内部の状況がハッキリしていない中、突入はリスクがある。

奥村進次郎

リスクリスクうるせえな。

長谷川瑶台

あんな感じで短期戦を好む人です。

大村拓哉

短期戦がいいというわけじゃないがな。

矢田雄一郎

前回の模倣犯なら複数人は解放されるだろ！！

和田晋作

まあまあ。落ち着きましょう。見苦しいですよ。

奥村進次郎

チッ。

奥村進次郎

NATは独自に突入の検討を開始する。

岸田優奈

矢田さん。NSBCの方が到着されました。

矢田雄一郎

すぐに中に入れてくれ。

岸田優奈

了解です！

大村拓哉

見たことない人が続々と…

長谷川瑶台

あの人は警視庁から出向中の大村優奈巡査。

長谷川瑶台

一応年上だかんね。

大村拓哉

ああ。

岸田優奈

どうぞ。こちらです。

NSBC情報分析官

失礼します。

川越善

どうも。ありがとうございます。

大村拓哉

川越先輩？

川越善

ん？

川越善

おお。大村か。お前もこの事件の捜査に？

大村拓哉

ああ。まさかNSBCに配属になってるとは。

川越善

まあな。でも戯言は後。今は事件に集中だ。

大村拓哉

了解です。

長谷川瑶台

先輩？

大村拓哉

ああ。僕がまだ埼玉県警にいた頃の捜査一課の先輩だ。でも自身の希望で新潟県警に異動したんだけどな。

長谷川瑶台

そうなんですね。

道村拓人

ここの指令はどなたですか？

大村拓哉

まーた新しい人？

矢田雄一郎

私が指令ですが。

道村拓人

新潟警察署署長の道村です。今回は部下も捜査に参加するようにと命令が。

矢田雄一郎

でもあなた。新潟署の管轄での事件ですから駆り出されるのは普通でしょうが、そんな警備の甘い警察署と捜査をしたくはありません。

苅田茂

どんな口が言ってるかは勝手ですが、かつての先輩の警備が甘いんですかね？矢田警部補？

大村拓哉

口達者だなー。

矢田雄一郎

苅田さんか。残念ながらそういうことです。

苅田茂

うちの署の警察官を現場に向かわせた。初動対応は新潟署が行った。捜査権はまだあるはずでしょ？

大久保健

苅田さん。規制の配置完了しました。

苅田茂

おそらく、人質が解放される。それまで付近の安全管理を怠るな。

大村拓哉

どことなく優秀なのかポンコツなのかわかんないな

愛

さっさと動け。こっちに来い。

村崎秀男

わかったわかった。

千葉亮介

撃つなよ。

愛

変なことしなければ撃たないよ。

榊原正男

みなさん。念の為頭を下げて。

海江田謙作

わかった。頭を下げとく。

真野俊一

何個か質問があります。

愛

なに？

真野俊一

なぜ我々だけですか？他にも多数いますよね？

愛

まあね。でもそいつらは別の場所にいるから。

真野俊一

次にどうやって銃を？

愛

そんなの教えられないでしょ？

真野俊一

じゃあこれから何をするつもりですか？

愛

察せるんじゃない？

愛

もういい？そこに行って。

真野俊一

わかった。

愛

よーし。14人全員集まったね。ここで待っててね？あのカメラで見てるから。

田所杏花

監視カメラ…

愛

じゃあまたあとで。

扉が閉まり、鍵がかかる。

全国テレビ本社

吉村海斗

中の取材班から何も応答がないのか！？

1st NEWS製作陣1

すみません。内部に連絡が取れず…

吉村海斗

くそっ！状況を把握できれば…

1st NEWS製作陣2

どうしますか？

吉村海斗

どうもこうもあるか！

吉村海斗

どうすればいいんだ…

1st NEWS製作陣1

ん？え？代表！！これ

吉村海斗

メール？

1st NEWS製作陣1

どうしますか？

1st NEWS製作陣2

テレビで…配信？冗談じゃない。受けない方がいいでしょう。

吉村海斗

いや。受けよう。

1st NEWS製作陣1

なぜ？

吉村海斗

これなら視聴率も取れるはずだ。世界からも注目されればより大きな会社となれる。
放映をなぜしたと言われても脅されたからといい、このメールを世に放てば我が社の
信頼に傷がつくこともない。これは絶好のチャンスだ。

1st NEWS製作陣2

こんな時まで視聴率を考えている場合ですか！？

吉村海斗

状況を考えろ！！

吉村海斗

すぐに準備しろ。社長には話を通す。

1st NEWS製作陣1

わ、わかりました…

愛

全員閉じ込めてきたよ。

驚

こっちも今全国テレビに問い合わせた。奴らは乗るだろうな。

驚

ほーら。やっぱりな。

喜

よっしゃ。どこでやる？

驚

放送に適してる部屋は…

喜

ここの交番とか広くていいんじゃない？

驚

丁度いい広さだな。ここにしよう。すぐに向かってくれ。

喜

リョーカイです♪

喜

さっさと歩けよー。撃たれるぞー。

村崎秀男

待て待て。俺らは何をするんだ？

千葉亮介

ここに呼ばれた理由があるだろ？

無

それはですね。あなた方に手伝って欲しい仕事があるんです。

千葉亮介

仕事？

無

そうです。我々が罪を暴くためにピッタリな場所ですよね。ここで午後1時から放送を開始します。

村崎秀男

何言ってるんですか？そもそもあんた誰？

無

申し遅れました。私は無です。よろしく。

千葉亮介

本社はこのことを知ってるのか？

無

知ってますよ。協力の元で放送するので。早く準備して下さい。

村崎秀男

何考えてんだ本社ぁ！

矢田雄一郎

ここのエリアにNATを10名前後配置。そしてここは…

川越善

指令！！メールが！

矢田雄一郎

メール？

川越善

前に映し出します！！

大村拓哉

これって…

和田晋作

なんですかこのふざけたメールは！！

長谷川瑶台

ふざけてないかもです。

和田晋作

は？

奥村進次郎

この送り主は時間と中に入っているものを指定している。こんなに正確にだ。

奥村進次郎

おそらくその時間目指して衷が届けたんだろ。

川越善

その時間にはひとつ荷物が届いています。荷物は…ビデオカメラです。

川越善

宛先は新潟県警捜査一課と書かれているようです。

岸田優奈

すぐに回収に向かいます！

苅田茂

あれが本当なら…あと30分。

奥村進次郎

全国テレビを前に放映。

矢田雄一郎

やってくれ。

川越善

了解！！

和田晋作

…って

道村拓人

おいおいマジか…

大久保健

これは…本当に全国テレビなのか？

大久保健

いつも見てるが、こんな表記ではない！！

矢田雄一郎

NEA国際展示会中継…間違い無いんじゃないか？

長谷川瑶台

きっと何かの間違いだ！！

大村拓哉

なんなんだよこれ！！

岸田優奈

取ってきました…ってなにこれ？全国テレビ…なの？

奥村進次郎

いいから早く設置しろ！

岸田優奈

すみません。

和田晋作

あと10分…

矢田雄一郎

大村。お前に交渉をお願いしたい。いいか？

大村拓哉

僕ですか？

矢田雄一郎

NSCの時もお前が担当していた。経験はこの場にいる誰よりもある。

大村拓哉

…

矢田雄一郎

たのむ。お願いできないか？

大村拓哉

わかりました。やりましょう。

大村拓哉

すぐに交渉を始めるにあたってみなさんにひとつお願いがあります。

大村拓哉

絶対に取り乱さないでください。

大村拓哉

1人が崩れれば集団で崩れます。わかりましたね？

岸田優奈

ええ

和田晋作

わかった。

長谷川瑶台

了解。

奥村進次郎

そうするよ。

大久保健

わかりました！

苅田茂

善処させていただきます。

道村拓人

私はOKだ

川越善

こっちもいいですよ！

NSBC情報分析官

了解です！！

大村拓哉

では…交渉を開始します。

彼の言葉と同時に午後1時になった。

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