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うぉー(泣) やっぱ赤水最高です!!🎵 わらにぃさんは好きな音楽ありますか?
うぅ…泣( ĭ ⩊ ĭ )めっちゃ最高だけど悲しいよぉ… 水くんの夢が叶えられて良かったと思うし、赤ちゃんがずっと水くんの傍に居て応援していたのがもう、大好き場面です🫠💘🫶🏻赤水好きなので嬉しいです!
音 楽 は 人 を 救 う
病室の天井に目を閉じ、
1人で過ごす時間が、僕にとってはど~しようもなく長く、
苦しい。
病気というものは、物理的な痛みだけでなく、
心に重くのしかかる。
若干19歳の僕には、
まるで老年のように時間が伸び、疲れ果てていく。
誰もが優しくしてくれるが、
心の中では「もういい」と思う事が多かった。
何故なら、僕には最後の力を振り絞っても、
歌う事すら出来なくなる未来がい見えていたから。
水_Hto
水_Hto
もしも、今すぐに僕の歌を届けられるなら。
大人数を元気付けるとか、大人数を幸せにするとか、
そんな贅沢な事は言わない。
せめて、
1人だけでも、僕の歌で救いたいと思う。
それでも、音楽だけは僕を支えてくれていた。
今日も今日とて、微かな声で大好きな曲を歌う。
水_Hto
幼少期から音楽に囲まれて育った僕は、
いつの間にか歌う事が大好きになっていた。
音楽が僕を癒してくれる。
それだけが唯一、
死に向かって進む道の中で、光を見つける瞬間だった。
しかし、その歌を歌う力さえも、
病魔に蝕まれていく毎日に、次第に失われていった。
ある日、病院の廊下を歩く僕に、意外な人物が声を掛けてきた。
彼が自己紹介をするまで、
僕は彼がただの看護師だと思っていた。
赤_Liu
その声は、普通の看護師のものとは異なり、
何処か心に引っかかるものがあった。
驚きと共に、僕は彼を見上げる。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
その後、彼__赤という名前の彼は、
僕の病室に何度も訪れるようになった。
最初は挨拶程度だったものの、次第に音楽の話もするようになり、
僕も彼のことを少しずつ知っていった。
彼は歌手希望だったらしい。
自分の音楽に対する情熱と、
何より"歌で誰かを救いたい"という強い願いを持っている事を、
彼は何度も話してくれた。
そんな彼に惹かれ、僕も自分自身を曝け出せるようになったのは、言うまでもない。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
数週間前とは裏腹に、毎日が楽しくて仕方がない。
体と共に心が落ち込んでいく事も少なくなった。
やっぱり音楽って人を救うんだ。
彼の思いも、僕の思いも、決して間違ってはいない。
もし機会があるなら、僕が歓声と拍手で囲まれるところを、
彼に…、赤ちゃんに見せてあげたい。
赤ちゃんは僕の憧れの人で、大好きな人だ。
そしてある日、彼が僕に問いを掛けた。
赤_Liu
その言葉に、僕は答えられなかった。
大勢の前で歌いたい、声を届けたい、それが僕の大きな夢だった。
でも、それはもう叶わない事だと、心の中で強く主張している自分がいる。
僕の体は既に歌うことすら許してくれない。
水_Hto
呼吸が浅くなり、体力は落ち、次第に声も枯れてくる。
そんな自分を見て、どうしても歌おうとは思えなかった。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
ある日、彼が差し出した小さなギターを見て、
僕は思わず手が伸びていた。
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
そのギターを手に取った瞬間、僕の中で何かが弾けたような気がした。
久しぶりに触れる楽器、その感覚が心に染み渡り、
僕は自然に弦を掻き鳴らしていた。
その瞬間、身体に力が漲るような、心が引き寄せられるような感覚になる。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤ちゃんが静かに見守る中、僕は歌い出した。
最初は変に力が入って、声も掠れ気味。
でも、歌を歌ううちに、少しずつ体が温まっていくような気がした。
彼の存在が僕に歌う力を与えてくれているのだった。
赤_Liu
その言葉を言われた瞬間、頬に涙が伝っていくのが分かった。
彼の言葉に背中を押され、
少しだけでも希望を取り戻すことが出来た自分。
そんな自分を見て、
歌を諦める事がどれだけ無意味だったのかに気付いた。
水_Hto
水_Hto
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
ここまで病気が進行してから、
自分で最期を選ぶ事が出来るとは思わない。
でも、ほんの少しの時間だけ、
僕の歌を大勢の人に届け、
それを"彼"が見ていてくれたら、なんて思っていたのは
流石に贅沢過ぎたかな。
水_Hto
水_Hto
お辞儀と共に聞こえる大勢の歓声、拍手。
この歓声が、世界で1番温かみのあるものに聞こえた。
歌っている最中、彼の瞳に涙が溜まっているように見えたのは、
僕の幻覚なんだろうか。
水_Hto
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
重病を抱え、絶望の中で出会った彼。
彼という存在が、僕の心に新たな光を灯してくれた。
歌う事を諦めるその瞬間に、
僕はただ1度だけ
この上ない幸せを感じたのだった。
またまたリクエストの作品になります…‼︎ リクエスト本当に感謝感激です…🥹🥹 まだまだリクエスト募集してますので、気軽にお申し付けください…‼︎