佐々木 由実
わっ…!ちょっと、ちゃんと前見て…
柚上 蓮斗
わざとだバーーカ
男子達のリーダー的存在の蓮とは、小さい頃からの腐れ縁…幼馴染みだ
蓮は何かと私をからかってきて、私にはすっかり「いじられキャラ」というイメージがついてしまった
そんな私を「女の子」として見てくれる男子なんていてくれるはずもなく…
佐々木 由実
あのねぇ…!いつもそうやってからかうのやめろって言ってんでしょ!
柚上 蓮斗
ムリだな、俺の暇潰しだし
佐々木 由実
なっ…!暇潰しって…いい加減に…
男子達
おーい、お前いつまで佐々木で遊んでんだよww
男子達
お前もう少し佐々木女扱いしてやれよww
柚上 蓮斗
いーんだよ、こいつは
佐々木 由実
(こいつ…!?)
三河 奈菜
由実~お昼ご飯一緒に…って、またやってるの?
佐々木 由実
あっ!奈菜~!私悪くないんだよ?何もしてないのに…
三河 奈菜
はいはい、分かってるって
そんな由実ちゃんには私から苺ミルクのプレゼントをあげよう
佐々木 由実
えっ、本当!?もう私の味方は奈菜だけだよ~!!
三河 奈菜
暑苦しい…ほら、早くお弁当持ってきて…
先生
佐々木、ちょっとこれ職員室まで運んでってくれるか?
佐々木 由実
へ?…あっ…えっと……ハイ…
三河 奈菜
……由実、頑張れ
佐々木 由実
置いてかないでね?ちゃんと待っててよ??
柚上 蓮斗
いつまでやってんだ?早く行ってこいよ、ノロマ
佐々木 由実
いっ…言われなくても分かってますけど!?
佐々木 由実
(本っ当、なんなのアイツ!?人のことからかって、そんなに面白いわけ!?)
加藤 尚太
佐々木さん、
佐々木 由実
え?あっ、加藤君!どうしたの?
加藤 尚太
貸して、俺も手伝うよ
加藤君は隣の席の男の子で、周りの男子とは違い、私にもこうして優しく接してくれる
佐々木 由実
ありがとう!加藤君、本当優しいね…アイツの後だと優しさが身にしみる……
加藤 尚太
そう?女の子が一人でこんな荷物持ってたら、普通手伝うよ?俺男だし
佐々木 由実
………ん?
佐々木 由実
(………?今…女の子って言った?私のこと!?…もしかしてこれって、私が女の子だから手伝ってくれてる…?)
佐々木 由実
(……!!…女の子扱い!?)
加藤 尚太
? どうかした?
佐々木 由実
え?いやっ…えっと…何か照れるなぁって!私女の子扱いってあんまないからっ!
その…あっ…と…
加藤 尚太
ふっ…ははっ…何それっ…!
佐々木さん、面白い反応するね
佐々木 由実
(うわぁ…同じような言葉言われて、同じように笑われてるのに、蓮とは全然違う…)
佐々木 由実
(加藤君のは…少し恥ずかしいけど、何だか…うれしい)
佐々木 由実
ありがと、加藤君のおかげで、嫌なこと吹っ飛んだよ!
加藤 尚太
…?俺何にもしてないけど、元気になったなら良かった
佐々木 由実
うん!何かお礼しないとな…
加藤 尚太
別にいいよ、俺も久々に笑って楽しかったし
佐々木 由実
いいの!私がしたいだけだから
加藤 尚太
そう?じゃあ、お言葉甘えようかな
佐々木 由実
加藤君には、いつも優しくしてもらってるし、何か私にできることがあればいいんだけど…
加藤 尚太
出来ること?
佐々木 由実
うん、何かある?
加藤 尚太
んー…じゃあ、考えとくね?
佐々木 由実
分かった!