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恋雪

……転校生?

愛美

うんっ♡

愛美

だってほら、端に新しい席が用意されてるよぉ♡

愛美は空いた座席を指差す そのことに他の生徒達は気にも留めずに勉強を続けている

恋雪

へぇ……今の時期に、珍しいね

というのも、今は3年生の夏

中高一貫でもないのに、転校生にしては、少々遅すぎる

愛美

あっ、そろそろチャイムが鳴るよぉ♡

と、愛美が言った途端にチャイムの音が教室に響き渡った 恋雪と愛美は急いで席に座る

日直が号令をかけ、ホームルームが始まる

……と、思われたが

先生

今日は転校生がいます

という報告をする それでもざわつかないのは、この高校が高偏差値だからだろうか

先生

それでは、入っていいですよ

ガラガラと教室の扉が開かれる その人物に、みな目を奪われた

決して美少女だったから、とかではなく

いや、それもあるが、他にもそうさせるものがあった 彼女は髪にメッシュを入れ、ピアスを開け、派手な化粧をしていた

加えつけには、露出度の高い服 決して校則違反ではないが、この高校には 似ても似つかないほどに、珍しいものだった

彼女は黒板に小さく「佐渡 凜」とチョークを走らせ、 気怠けに声を発する

よろしく

そう、これが始まり

長くも儚い、物語の始まりだった

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