もとぱ

いきなりだけど俺は若井に片思いをしている

恋心を抱き始めてからもう何年ってくらいなんだけど

まあ正直叶うはずもなくて だいぶ望みは薄い

でも何度終わらせようとしても気持ちは変わらなくて

ずっとずっと若井が好き

告白するつもりはない

結果は言わなくてもわかってるのに 自ら墓穴を掘りに行くような

馬鹿な真似はしない。

だから一生この関係が続いていくんだろう

考えただけで憂鬱だな…

もうすぐクリスマス

そんなある日 バラエティー番組の収録中

スタッフの乾いた作り笑いが広がる

はあ……

クリスマス仕事でよかった…

若井が他の人と過ごすのを黙って見てるだなんて嫌だもん、

でも心の中でこんなことをネチネチ思っているだけの自分にも嫌気が刺す

こんな恋叶うはずないからって…

収録が終わったあとMCの女性タレントがちょこちょこと近づいてきた

すりすり…♡🤝

うわ…何だこの人

めっちゃ触ってくる

すごいあからさまに色目使ってくるな…

今…庇ってくれた…？

うぅ…好き…♡

MCに軽く会釈をして、スタスタ歩く若井を急いで追いかけた

通知を見た途端 一気に若井の顔が明るくなった

俺は反射でパッと目を背けた

…見たくない…見れない…

何ヶ月か前

ある日、若井が急に

こんなことを言い始めた

態度には出さなかったけど

俺は一瞬呼吸が止まった

でも昔からこんなことは何度かあった

でも…やっぱしんどいな

結構しにたい

俺だって可愛い女の子とか好きになれるなら好きになってるわ

でも好きになっちゃったのは 若井なんだもん

こればっかりはしょうがない

俺は多分若井のこと一生好き

レコ終わり

とまぁあんな感じのことがあってから

「気になる人」からの通知が鳴っては若井が嬉しそうにする。みたいなのが

多くなっていった

俺からしたら地獄以外の何物でもない