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春日
春日
春日
春日
春日
花咲病
いずれ体中に花が埋め尽くされ死んでしまう奇妙な病気。 患者の死体は花が咲き誇る。 現在治療法は見つかっていない。
リリー
この世界に私以外誰1人いないくらいの静けさ。 ドーム状に囲まれた窓からうっすらと朝日が差し込んでる。
ため息一つついても気にはしない植物達は,ゆっくりと風にのっていた。
リリー
リリー
足が世界につけられるようになるわけではないけれど 随分過ごした場所にももう飽き飽きしてた。
きっとこの体は勝手に誰かに使われるのだろうけど 自由になれるということに喜びが隠せなかった。
研究員
リリー
もう随分慣れた
会うたび顔色が悪くなる研究員も
暑苦しい植物ばっかの檻も
鏡を見ずとも分かる,日に日に花が多くなる私の体も。
藻部
絵江子
美衣男
少年
志衣子
出衣男
藻部
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00:00
絵江子
志衣子
藻部
つまんねぇ
くだらないことで笑うクラスメイトも
自分の意見を押し付ける大人も
少年
藻部
美衣男
出衣男
少年
少年
少年
息子には対して興味ないのに… 娘は大事なんだよな。
少年
つい本音が漏れてしまう。 もう18歳だというのに。
少年
少年
少年
誰もいない暑苦しい空間にいると不思議に叫びたくなってしまう。 日々の不満を全部出せることは今の時代あまり無いだろう。
少年
なにがいけないのか分からないのに反省を強いられたり 考えられないから助けを求めているのに考えろなんて言われたり
不満を溜め込んでるとたまにそれが爆発してしまう。
少年
物音がかすかに聞こえた
思わず目の前を見ると辺り一面の植物が…区切られたように佇んでいた
少年
少年
少年
少年
リリー
少年
肩まで伸びた藍色の髪に日々の憂鬱を詰め込んだような朱色の瞳 白色のワンピースがよく似合う可愛らしい女の子
その子の周りには植物が生い茂り…体にも花が咲き誇っていた。
リリー
リリー
少年
リリー
リリー
突然意味の分からないことを言われて混乱した。
そもそも関わりの無い人に死体に花を供えてなんて無理があるだろう。
しかも彼女はみたところ妹と同じくらいの年だ。 [死ぬ]なんてまだまだ先だ。
リリー
少年
リリー
リリー
見たことがある。 小説でそういう感じの病気を抱えた人と叶わぬ恋愛をするみたいな。
少年
リリー
少年
リリー
リリー
リリー
少年
少年
本来なら断るべきだろう。 だけど…断れなかった。彼女の悲しい瞳を見ると。
リリー
少年
リリー
リリー
初めて俺に見せた笑顔は,とても綺麗だった。
リリー
リリー
リリー
少年
リリー
リリー
彼女がピタリと止まった。
リリー
彼女が見せたのは…百合。 淡い青色が薄くついたような色だった。
リリー
少年
リリー
リリー
リリー
少年
リリー
少年
ただのお願いだと分かっているが 少し背の低い彼女の上目遣いにドキッとしてしまう。
リリー
リリー
少年
リリー
リリー
少年
リリー
リリー
リリー
少年
リリー
少年
リリー
少年
リリー
リリー
少年
リリー
いきなり子供のように大声で嫌なんて言われ流石に俺もびびってしまった。 その瞳は少し潤んでいて,なにかを訴えるような色を宿していた
リリー
リリー
彼女の側には一輪の蒼い花が咲いていた
少年
少年
少年
リリー
リリー
リリー
少年
少年
少年
リリー
リリー
リリー
研究員
研究員2
少年
勢いで彼女を抱え込み茂みの中に隠れた
びっくりして目を開けたままの彼女はふと俺のほうを見て自分の顔を隠した。
彼女の手は小さく顔を充分に隠せない。 隙間から覗きこむと頬を赤らめているのが分かった。
彼女を見つめるとようやく俺も距離が近いことが分かって 今になって恥ずかしくなった。
研究員
研究員2
研究員2
研究員
研究員
研究員2
研究員
研究員2
研究員2
研究員2
研究員2
研究員
研究員2
研究員2
研究員2
研究員
研究員2
研究員2
研究員
空気が重くなった。
少年
リリー
少年
少年
リリー
少年
リリー
リリー
リリー
リリー
せつなげな彼女の表情をみると少し胸が締め付けられる感じがした。
妹のように感じるのか思わず頭を撫でてしまった。
リリー
リリー
少年
少年
リリー
リリー
少し恥じらいを持った顔を見せる彼女を見て改めて綺麗だなと感じる。
こんな平和な日が続いたら良いななんて心から思った。
なんにもない日だって幸せで
だから…神様,嘘をついて下さい。
貴方の力で変えてください。
真実なんて無くてもいいから。
今日が364日目なんて言わないでください。
お願いします。神様。
今日は365日目。
今年が閏年だったらなんて叶わぬ願いを今さら考える
思いを伝えられぬまま君は花に埋もれていった。
リリー
リリー
少年
リリー
リリー
少年
あの日俺が変な感情を抱かなければこんなこと無かったのか。
リリー
君の苦しむ姿なんて見なくて良かったのか
少年
少年
そもそも…君を知らなかったのか
リリー
リリー
リリー
少年
少年
リリー
少年
リリー
少年
少年
少年
木にもたれ掛かっていた彼女は優しい笑みを浮かべながら永い眠りについた。
どれだけ時が経っても目覚めることの無い…永い永い眠りに。
彼女の体を抱いて以前一回だけ行った花畑に来た。
彼女を花茂みの中に下ろして今一度彼女の顔を見つめる。
花に囲まれた彼女の顔立ちは整っていてまるで童話の中のお姫様みたいだった
優
そう一言呟いても返答はない。
優
不器用に纏められた花束を彼女の側に置く。
段々と花に埋め尽くされて行く彼女の体でもやはり綺麗な百合は良く目立つ
優
そう別れを告げて俺は植物園を去った。
帰り道…ふと瞳から涙が溢れそうになる。
それを必死に堪えてまた歩きだす。
きっと…大人になったら記憶が曖昧になるだろう。
だけど今だけ。今だけでも君を思いたい。
俺の名前は優。
優しいなんて言葉が嫌で自分の名前が嫌いだった。
だけど君が…その名前を呼ぶと少しだけ自分の名前が好きになれた。
それと…謝罪がある。
君が望んだ花の中に一輪だけ違うのを混ぜた。
君が嫌がってた花。
本当に酷いと思う。
ごめんなさい。
あの花は勿忘草。
本当は二輪の方が良いらしいんだけど欲張りすぎだから辞めといた。
俺は忘れたくないし,忘れてほしくないから。
来世でまた出会えます様にって。
そんな意味の花で思い出すなんて忘れられない人が居るかもなんだけど。
ただの理想だよ。
後で研究員から溢れ聞きしたんだけど君は僕と同い年だったんだね。
態度,失礼だったかな。
とりあえず,俺は最期まで君が大好きだと思う。
また,逢いたいな。
END
春日
春日
春日
春日
春日
春日