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#からぴち
わかめ
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『モノクロの世界に、君の色を』
🐔×🍫
世界は思ったより、簡単に変わってしまうらしい
少なくとも、俺にとってはそうだった
17歳の誕生日
朝起きて、いつも通り顔を洗って、 朝食を食べて、学校に行く
昨日までとは何も変わらない 一日が始まるはずだった
けれど、その日の朝
俺は、世界から1つの感情を失った
────好意
人を好きになる気持ち 何かを大切だと思う気持ち もっと知りたいと思う気持ち
それら全てが俺の中から消えてしまった
別に悲しいという訳ではなかった
悲しいと思うことはできたから、 多分悲しい出来事なのだろうとは思った
ただ、それだけ呆気なかった
大好きだった音楽を聞いても何も感じない
友達に遊びに誘われても行きたいとは思わなかった
好きなゲームをやっても心は動かない
嫌いになった訳ではない
ただ、好きでいる理由が無くなった
それだけの事だった
医者は言った
『ロスト・エモーション』 17歳の誕生日を境にごく稀に 発症する感情欠落症状
だと
原因も治療法も分からない
俺と同じように感情を失う人は1万人に1人ほど
失う感情は人によって違うらしい
怒りを失った人 悲しみを失った人 恐怖を失った人
そして、俺は好意を失った
たったそれだけで、 世界は酷く遠い場所に変わり果ててしまった
ガラス越しに世界を覗いているみたいだった
だから俺は、期待することをやめた
何かを好きになろうとすることも 誰かと特別な関係になろうとすることも
どうせ何も変わらないのだから
────そう思っていた
あの日、あの人に出会うまでは……
et.
放課後
人数が少ない教室で俺は、 窓の人をただ、眺めていた
帰る理由も、残る理由も無い
ただ今すぐ帰る必要もなかったから
そんな俺に突然声が降ってきた
et.
ya.
振り返ると見知らぬ女子生徒が立っていた
見知らぬ、と言っても顔くらいは知っていた
ひとつ上の学年の先輩
留年したらしく、最近になって 俺のクラスにやっていた人
いつも明るくて、先生に怒られても笑っていて 何を考えているかよく分からない人
確か、名前は────
et.
ya.
et.
ya.
et.
et.
et.
ya.
et.
ya.
et.
ya.
et彡はそれを聞いて目を丸くした
でも、何も気にしないの様子で続けていた
et.
et.
ya.
et.
et.
どうして、そんなにも楽しそうなのだろうか
どうして、今日初めてまともに話した 相手にそこまで構おうおするのだろうか
俺には到底理解できなかった
ya.
et.
ya.
et.
彼女は俺の机に両手をついて、 グッと顔を近づけた
et.
et.
ya.
et.
ya.
et.
第一印象は忙しい人だと思った
俺が何を言っても彼女は話を進める
それなのに、不思議と嫌だとは思わなかった
好きだとも思わなかったけど
et.
et.
ya.
et.
ya.
et.
et.
et.
彼女は悪びれもせずに笑った
眩しすぎる笑顔だった
俺にはその笑顔を好きだと 思うことすらできない
それでも────
ya.
ya.
何故かそんなことを聞いていた
彼女は一瞬だけ目を瞬かせて、 それからいつも通りの笑顔で答えた
et.
あまりにも迷いのない返事だった
et.
et.
ya.
et.
彼女は楽しげに笑う
けれど、ほんの一瞬
彼女の笑顔が、酷く遠くに見えた気がした
どうしてそう思ったかは分からない
俺には彼女を心配する理由なんて無いはずなに
et.
そういうと彼女は教室を出ていった
残された俺は、しばらくその扉を見つめていた
明日も会うらしい
別に楽しみでは無い
会いたいとは思わない
それなのに
翌日の放課後
俺は何故かいつもより、 少しだけ帰り支度を終えていた
理由は分からない
分からないままでいいと思った
だって、俺はもう、何かを 好きになることなんてないのだから
────この時の俺は何も知らなかった
彼女が俺の世界を変えてしまうことも
彼女自身が誰にも言えない秘密を抱えていることも
そしていつか
俺がもう一度誰かを 好きになりたいと願う日が来ることも
この物語は、そんな俺と恐怖を失った彼女の
ほんの少し不思議で
どうしようもなく特別な、日常の話
NEXT♡300&💬3
〜没理由〜 完結までの持っていき方が汚すぎる キャラ設定がいまいち気に食わない
コメント
3件
やばいやばい好きすぎる、、 没は絶対にもったいないですよ!!!!
やっば やっば (( “ ガラス越しに見てる ” って表現 綺麗すぎる 😭✨️ これ … お互いに ロスト・エモーションなのかな … 、? 没にするのが あまりにも 勿体ないすぎます 。はい 。本当に 。(?)
第1話、とても素敵でした……「好意」を失った主人公と、逆に「恐怖」を失っているらしいet彡先輩。その対比がもう、最初から心に刺さります。「好きな物は?」「ないです」というやりとり、あれだけで二人の距離感と世界の色の違いが伝わってくるのが巧みだなと思いました。それなのにラスト、主人公が「少しだけ帰り支度を終えている」――その一文だけで、何かが動き始めたんだなと感じられて、胸が詰まりました。続き、すごく気になります。素敵な物語をありがとうございます🌷