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スイ
あんたマジでキモいわ
スイ
騙してたの？
スイ
本当に信じられない
スイ
一生連絡してこないで
ケン
は？どうした？
ケン
なんの話？
ケン
騙す？
ケン
どういうこと？
スイ
あんた金融マンって言ってたでしょ？
ケン
そうだけど…
スイ
嘘ついてたんでしょ？
スイ
本当のこと言いなさいよ
ケン
いやだから…
ケン
一体なんのこと？
ケン
全くもって嘘なんてついてないんだけど…
スイ
私見たんだからね？
ケン
は？
ケン
何を？
スイ
あんたが働いているって言ってたビルで
ケン
だから何を見たんだよ
スイ
あんた外資金融マンじゃなくて
スイ
トイレの清掃員でしょ！
ケン
は？
ケン
なんのことだよ…
ケン
トイレの清掃員？
スイ
昨日たまたま貴方が働いているって言ってたビルに行く機会があったのよ
スイ
仕事の都合でね
スイ
そしたらトイレに看板が置いてあって
スイ
貴方が中でトイレを掃除していたのを見つけたのよ
ケン
あー
ケン
そのことか
ケン
それは
スイ
言い訳しないで！
スイ
聞きたくないの！
スイ
一時期でも好きだった人の言い訳なんて！
ケン
いや
ケン
だから
スイ
やめてって言ってるでしょ！
スイ
本当にキモい男ね！
スイ
最後ぐらい潔く事実を認めなさいよ
ケン
なんなんだよ…
ケン
言い訳じゃなくて
ケン
それはただの勘違いなんだって…
ケン
聞いてくれよ
スイ
聞きたくありません！
スイ
もう貴方とは関係がありませんから！
ケン
関係ないって…
ケン
俺らもう婚約してるんだぞ？
ケン
どうするつもりだよ
ケン
両親にも挨拶を済ませてるし、今更なしにするわけには…
スイ
それについてはもう済ませてるわよ？
スイ
私の両親には話してある
ケン
話してあるって…
ケン
どう話してるんだよ
スイ
貴方が詐欺師の最低野郎だったって
スイ
外資の金融マンって嘘ついて
スイ
実は清掃員だったって
ケン
お前そんなことを…
ケン
本当じゃないって言ってるだろ？
スイ
よく考えたら出来すぎた話だったのよ
ケン
は？何が？
スイ
外資の金融マンで
スイ
仕事ができて遊びもほどほど
スイ
たまのお休みには旅行に連れて行ってくれて
スイ
優しい
ケン
それの何ができすぎなんだよ…
スイ
こんな人が実際にいるわけがないものね？
ケン
いるんだって…
スイ
そんなわけない！
スイ
貴方は自分の理想像を嘘で表現していただけ！
スイ
本当は足元にも及ばない人間だったのよ！
スイ
この詐欺師の清掃員野郎！
ケン
詐欺師じゃないし
ケン
清掃員だって立派な仕事だろ?
ケン
なんでそんな言い方をするんだよ
スイ
うるさいわね！
スイ
私の実家は歯医者の家なのよ？
スイ
清掃員との結婚なんて…
スイ
家の歴史に傷がついちゃうわよ！
ケン
家のことなんて関係ないだろうが…
スイ
いーえ！
スイ
関係大有りよ！
スイ
私はちゃんとした仕事をしてる
スイ
素敵な男性と結婚するという使命を帯びているのよ！
ケン
なんだよそれ…
ケン
そんな考え方で俺と付き合ってたのか？
スイ
もちろんそうに決まってるでしょ？
スイ
当たり前じゃない！
ケン
逆に良かったよ
ケン
君と結婚することにならなくて
スイ
はぁ？
スイ
こっちのセリフなんですけど！
スイ
なんであんたが選んだみたいにしてるのよ！
スイ
悔しいからって事実を捻じ曲げようとするのやめてくれる？
ケン
もうなんでもいいよ…
ケン
婚約破棄でもなんでも好きにしてくれ
スイ
あっそ！
スイ
好きにさせてもらうわよ！
スイ
さようなら！
ケン
さようなら
〜5年後〜
スイ
ケン〜
スイ
久しぶりね？
スイ
どう？
スイ
元気にしてた？
ケン
は？スイ？
ケン
なんだよ今更…
ケン
お前から連絡が来ることはあれ以来ないと思ってたけど…
ケン
なんか用か？
スイ
なんでそんなに冷たいのよ〜
スイ
元がつくとはいえ、私たち婚約までしてたのよ〜？
スイ
そんな言い方する必要なくない？
ケン
あんな別れ方をして
ケン
仲良く返事できる奴がいるなら
ケン
ぜひ紹介して欲しいわ
スイ
ごめんごめんー
スイ
でもさ
スイ
あの時は仕方なかったのよ？
スイ
貴方が最低の詐欺師野郎だったから
ケン
まだ言ってるのかよ…
ケン
もういいか？
ケン
そんなことを言うために連絡してきたなら
ケン
お前と話すことはもうないよ
スイ
ちょっと待ちなさいよ〜
スイ
こんなこと言うためにわざわざ連絡するわけないでしょー？
ケン
なんだって言うんだよ…
ケン
俺も暇じゃないんだよ
スイ
そんなこと知ってるわよ！
スイ
貴方今有名人じゃない！
ケン
そんなこともないとは思うけど…
ケン
なんのことを言ってるんだ？
スイ
この前テレビで見たわよ？
スイ
今あなた有名な投資家さんなんでしょ？
スイ
凄いじゃない
ケン
まぁ、そうだけど…
ケン
どこで知ったんだよ
ケン
めんどくさいな
スイ
えーひどーい
スイ
傷ついちゃうわよ？
スイ
いいの？
ケン
別にどうでもいいけど…
スイ
もー！さっきからなんでそんなこと言うのよー！
スイ
そんなこと言うと
スイ
お付き合いについて考え直しちゃうんだからねー？
ケン
へ？
ケン
なんのこと？
スイ
だからー
スイ
そんな冷たいことばっかり言うんだったら
スイ
私とのお付き合いについて
スイ
考え直しちゃうよってことー
ケン
は？
ケン
なんでそんなことになるんだよ？
ケン
どういうこと？
スイ
何いまさら照れてるのよー
ケン
いや照れてるとかではなく…
ケン
本当に何を言ってるのか全く分からないんだよ…
スイ
はいはい
スイ
昔私を騙していたのが後ろめたくてそんなことを言ってるのよね？
スイ
大丈夫よ
スイ
もう気にしてないから
ケン
は？
ケン
なんだよそれ…
ケン
何度も言ってるけど俺はお前のことを騙してないし
ケン
なおかつ、別にお前とお付き合いしようなんて考えてないんだよ
スイ
またそんな嘘に嘘を重ねるようなことを言ってー
スイ
もう私には嘘をつかなくても大丈夫なのよ？
スイ
今の貴方だったら
スイ
あるがままを受け入れてあげるから安心して？
ケン
何を安心したら良いって言うんだよ…
ケン
本当に意味がわからないし
ケン
もうこのやり取りもしたくないんだが…
スイ
貴方が素直になりさえすれば
スイ
すぐこの話は終わりなのよ？
ケン
素直に話してるんだけどな…
ケン
ていうか俺もう結婚するんだ
スイ
結婚するって…
スイ
どういうこと？
ケン
来週結婚式を挙げるんだ
ケン
都内の王国ホテルで
スイ
え？
スイ
もうそこまで話が進んでるの？
ケン
そうだよ？
ケン
もう両親への挨拶も済んでるし
ケン
後は式を挙げるだけなんだよ
スイ
確かにそうね
スイ
そういえば挨拶はもう終わってるか
スイ
だったらいきなり式でも大丈夫よね
ケン
いきなり式？
ケン
一体なんのことを言ってるんだ？
スイ
え？
スイ
だって貴方と私の式でしょ？
スイ
確かに以前婚約した時に両親への挨拶は済んでるもんね
スイ
そうしたら今更挨拶なんて要らないわよね
ケン
は？
ケン
いやいや
ケン
お前との結婚式のことなんて今話してなくて
スイ
もうー！
スイ
そうしたら早いこと言ってくれないとー！
スイ
女の子にとって結婚式っていうのは
スイ
人生で一番輝くイベントなんだからー
ケン
なんだなんだ…
スイ
そうしたら
スイ
今から急がなくちゃ！
スイ
ダイエットもしないといけないし脱毛もしないといけないし
スイ
ドレスも選ばないといけないし
ケン
は？
ケン
いやいや
ケン
なんのことを言ってるんだ？
ケン
お前には関係ない話で
スイ
え？
スイ
私は元が可愛いから
スイ
ダイエットも脱毛も必要ないってこと？
ケン
いやそうじゃなくて
スイ
もうー！
スイ
急にデレてきちゃってー
スイ
可愛いんだからー
スイ
これがいわゆるツンデレってやつなのねー？
ケン
いや全くそんなことではなく…
ケン
本当にお前には関係のない話で
スイ
そうとなったらこうしちゃいられない！
スイ
貴方の横で可愛い姿をみんなに見せられるように
スイ
今から準備するわね！
スイ
私頑張るわ！
ケン
いやだから主役はお前じゃないんだって！
ケン
ちゃんと別の人がいるんだって！
ケン
おい！
ケン
無視するなよ！
ケン
マジでお前には関係のない話だから！
ケン
来るなよ！
〜1週間後〜
スイ
信じられない…
スイ
何回私のことを傷つけたら気が済むの？
スイ
本当に最低の男ね
スイ
やっぱり貴方と結婚するのは無理よ
スイ
別れましょう
ケン
信じられないのはこっちのセリフだよ！
ケン
なんで今日はあんなことをしたんだよ！
ケン
おかげさまで式がめちゃくちゃだ！
スイ
は？
スイ
そんなの当たり前でしょ？
スイ
私と結婚するって言ったのに
スイ
全然違う女も一緒に呼んでいて…
ケン
そりゃ結婚するのは違う人だからな…
スイ
だから私には貴方に対して抗議する正当な理由があるのよ！
ケン
意味がわからない…
ケン
そもそも結婚式に乱入してくるなんて非常識すぎるだろ！
スイ
だって貴方がど忘れで私に式場の場所と時間を教えてくれないからでしょ？
ケン
ど忘れなんかじゃなくて
ケン
本当にお前を呼ぶ気がないから教えてないだけなんだよ…
スイ
だから仕方なく王国ホテルに電話して
スイ
時間と会場の場所を聞いて
スイ
行くしかなかったってことよ！
スイ
ツンデレもここまで行くと良くないわよ！
ケン
ツンデレとかでは本当にないんだけど…
スイ
で、そこまで知って行ってあげたのに知らない女とも一緒に結婚しようとしてて
スイ
日本では一人の人としか結婚できないのよ？知らないの？
ケン
いや知ってるって…
スイ
知っててあんなことをしてたの？もう犯罪よ？
スイ
私たち二人ともに結婚詐欺よ？
ケン
いやだから…
ケン
お前とは結婚する予定なんかなくて
ケン
あのこと俺は結婚するんだって…
スイ
まだそんなことを言ってるの？
スイ
ツンデレをして私の気をひこうとしてるのは分かるけど
スイ
限度があるわよ？
スイ
流石の私も今日のことは怒っちゃったんだから
ケン
ツンデレじゃなくて本当にブチギレしそうだよ…
スイ
まぁ、あれだけ怒ってることを感情表現したら
スイ
いくら鈍い貴方でも私が怒ってることは伝わったよね？
ケン
本当に最低だよ…
ケン
ケーキ入刀をする予定のケーキを倒して
ケン
新婦にワインをぶっかけて逃走するなんて…
スイ
当然でしょ？
スイ
私は怒ってるんですからね？
スイ
当然の権利です
ケン
当然の権利なわけないだろ！
ケン
式がめちゃくちゃになったんだから！
スイ
今日の式は目的を達成してるわけなんだし
スイ
もう良いでしょ？
スイ
改めてやりましょうよ
スイ
また日程調整をしてさ
ケン
するわけないだろ！
ケン
お前なんかと！
スイ
もう良いって本当に
スイ
ちゃんとして
ケン
ちゃんとするのはお前だ！
ケン
もうお前と話していても埒が明かないから
ケン
お前の実家のご両親に連絡させてもらったからな！
スイ
挨拶はしてるから必要ないのに
スイ
なんでそんな無駄なことをするのよ
ケン
挨拶じゃない！
ケン
賠償請求だ！
スイ
へ？
スイ
賠償請求？
スイ
なんの？
ケン
今日の結婚式についてに決まってるだろ！
ケン
なんでわからないんだよ
スイ
え、だって…
スイ
もう私たち夫婦になるのよ？
スイ
それがなんで賠償請求なんて話に…
ケン
お前と夫婦なんて死んでもいやだね！
ケン
何回も言ってるけど
ケン
お前とは結婚しない
ケン
俺は今日お前がワインをぶっかけた女性と結婚するんだ！
スイ
へ？
スイ
本気なの…
スイ
本気で私じゃなくてあの子と結婚するつもりなの？
ケン
本気だし
ケン
お前に対する賠償請求も本気だ！
ケン
せっかく色々と彼女が準備してきたものを台無しにしやがって
ケン
絶対許さないからな！
スイ
そんな…
ケン
式をめちゃくちゃにした代償として
ケン
式にかかった費用を請求するのは当たり前として
ケン
彼女のドレス代も弁償してもらうからな！
ケン
合わせて1000万ぐらいだ！
スイ
そんな…
スイ
そんな金額払えないわよ…
ケン
お前の財政状況なんて知ったことじゃないね
ケン
実家に泣きついてでもこのお金はしっかりと請求させてもらう
スイ
でも…
スイ
そんなこと言ったら
スイ
あなたが詐欺をしてた話はどうするのよ！
ケン
は？
スイ
外資金融マンって言って
スイ
トイレ掃除員だったのはどうするのよ？
スイ
あれを私が訴えたら貴方だって…
ケン
あれは会社の仕事だったんだよ
スイ
へ？
ケン
自分達が使っているビルを綺麗に保つのが
ケン
仕事としてあったんだよ
スイ
何それ…
ケン
だから別に俺はあの時も嘘なんてついてないんだよ！
スイ
そんな…
ケン
もういいか？
ケン
お前とはもう2度と話をしたくないからな
ケン
今後は弁護士とのやり取りにしてもらう
スイ
結婚…
ケン
さようなら
〜後日談〜
ケン
その後、スイが支払う能力を持っていないので
ケン
彼女の実家にお金を請求、ご両親から謝罪をしてもらい分割で支払いは継続中
ケン
しばらくは続きそうです
ケン
私はその後、小さい結婚式をやり直し幸せに暮らしています
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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