シロ
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⚠️注意⚠️ だいぶ暗いかもです 苦手な方は注意で
しょーちゃんとお互いの利益のために友達になった
はずだった、、
僕達は奇跡的にものすごく相性が良かった
僕からしたらそれは刺激と言えるものであり、毎日が充実し始めた
それはしょーちゃんも同じのようで、いつしか彼にも笑顔が少し見られるようになった
僕の感情は、次第に変化していった
彼と行動を共にする度に、彼に興味が湧く
今までこんな気持ちになったことなんてない
僕の、この気持ちは、、、、、
あぁ、そうか、、、
きっと、“愛”だ
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風の強い屋上に響く僕の声
目の前の君が目を丸くする
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言ってしまった
君との関係が壊れることを覚悟した上で、勇気を出したんだ。 きっと彼も受け止めてくれる
そう思い、彼の顔を見つめる
その顔は、照れるわけでもなく、しかめるわけでもなく、ただ不思議そうな顔をしていた
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予想外の質問に気の抜けた声を出す
そんな哲学的な事を聞かれるとは思ってもいなかった
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彼は屋上の壁にもたれ、座り込む
彼の言う曖昧な表現の裏に隠されている秘密
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下を向いていた彼が僕を見上げる
その顔は寂しそうに笑っていた
僕は愛なんて知らない
愛を貰ったことがない人はいない?
そっか、、じゃあ、あれも愛なのか
いむくんは知らない
歪んだ愛ほど醜いものは無い
5年前、僕が小学校6年生の時
僕の父は、僕に中学受験をさせようとしていた
勉強熱心な父で頭もよく、大手企業に勤めていた
しかし、天才にも欠点はある
僕の父は暴力癖が酷かった
テストの点が悪いと、怒鳴り、癇癪を起こして僕を殴る
それを止めた母の頬を叩き怒鳴りつける
「お前は黙っていろ」と言われた母はもう対抗できない
対抗したところで何をされるか分からない
家庭は愛と幸せで満ちている?
笑わせるな。
憎悪で満ち溢れた空気は僕の首をゆっくりと締め付けていた
そんなある日、とうとう母親はしびれを切らし僕を連れ家を出た
僕は大好きだった母をこれ以上苦しめなくていいと思うと嬉しかった
中学受験なんてしなくていい、普通に近くの学校に行って、普通に部活に入って普通に過ごしなさい
そう言ってくれた母は、日に日に痩せて言った
女手一つで子供を育てるのは、本当に大変なのだろう
日に日にやつれて行く母親は見ていられなかった
しかし、僕にできることは少なく、あのなんとも言えないむず痒さは今でも忘れることが出来ない
けれど、僕が中学2年生になる頃、母親が少し笑うようになった
最初はその理由がわからなかったが、すぐに彼氏が出来たからだとわかった
よく笑うようになった母、そんな姿を見れて僕は幸せだった
今まで辛いこと続きだった母が手に入れた幸せを僕が遮るなんて出来ない
僕は母の再婚を受け入れた
中学三年生に上がる頃、新しい家に引っ越した
その家で待っていた大柄な男は、細い目を垂らして優しそうに笑う人だった
新しい家庭はこれまでに感じたことがないほど暖かく、ようやく幸せになれた
そう思った
でも、、神様は僕たちのことが嫌いなのだろう
僕の家族はまた、すぐに壊れることになる
いつも通り部活から帰ってくると、玄関で義父が出迎えてくれた
母親はおらず1対1の気まずい空気が流れる
僕がスマホを見始めると彼が声をかけてきた
「一緒に買い物に行かないか」と
僕は快く了承した
なにを買うのかは知らないが、義父と仲良くなる良い機会だ
そう思い、外を2人で並びながら歩き始める
人気の少ない細い道を並んで歩く
僕より背が大きく、筋肉で手足も太い
そんなことを思いながら歩いていると、不意にものすごく強い力で引っ張られた
壁に背中をたたきつけられ、痛みに目をつぶる
ゆっくり目を開けると、さっきの道の裏路地に来ていた
目の前に迫る義父の顔
その顔は火照ったように赤らみ、息を切らしていた
気持ち悪い
その後のことはよく覚えていない
次に目が覚めた時僕は家のベットの上で一人で寝ていた
リビングへ降りると、母が心配したように駆け寄ってくる
「お父さんと歩いてる時に急に倒れたんだって?大丈夫なの?」
倒れた? 僕が?
記憶と違う言葉に首を傾げていると、奥に座る義父と目が合う
その目は睨みつけるような、脅すような醜い目をしていた
真実を母に言ったら何をされるか分からない
僕は大丈夫と一言声をかけ、部屋に戻った
布団に入っても震えが止まらない
思い出したくもない唇の感触が僕を襲う
義父は僕を性的な目で見ていた
僕は、、、襲われてしまったのだろうか
その後の生活は地獄でしか無かった
義父と2人きりになる度に進む行為
気持ちいいはずがなく、すぐにでも警察に突き出してしまいたかった
しかし、義父といる母は本当に幸せそうで、その幸せを奪ってしまえるほどの勇気は僕にはなかった
どれくらい耐えただろうか
日に日にエスカレートしていく
吐き気がするほど気持ち悪い
中学三年生の11月、僕と義父は母に行為を見られた
母はヒステリックを起こし、義父を追い出した
すぐに離婚届をだし、縁を切ると、毎日僕に謝ってきた
謝らないで
僕は分かってて黙ってたから
我慢できてたから、いいんだ
どれだけ言っても母親は泣き止まない
次第に母はおかしくなっていった
毎日死にたがるようになった
僕への謝罪の気持ちが溢れ、彼女の瞳に光はなくなった
泣き続け腫れた瞳、やせ細った体
こんなの、前と同じじゃないか
僕達は幸せになれない
病院に行くと、母は鬱と診断された
仕事も家事も手につかなくなりただ毎日ぼーっと壁を見つめ続けて、急に泣き始める母
「ごめんなさい」
「また、守ってあげられなかった」
そう言って僕に泣きつく母
僕の判断は間違っていたのだろうか
母親を幸せにしたいがために、黙って我慢していたのに、、 今、目の前にいる母は幸せか?
いや、違うだろう
僕は、どこで間違えたのだろう
それから毎日、母をなだめる日々
母の腕に日に日に増える傷
もうやめてと言っても、カッターから手を離さない
母は壊れてしまった
そんな不幸続きの僕の身に、人生最大の不幸が訪れる
ある日、僕が家に帰ると
母親が倒れていた
母の手で握られた刃
辺り一面広がる赤い海
恐怖と絶望に襲われた僕は、膝から崩れ落ち叫んだ
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俯いて話していた彼は僕の目をしっかりと見つめ、言い切った
彼の目には涙が浮かんでいた
不幸にまみれた少年は、愛を知ることは出来なかった
彼の話を聞き終わった僕の目には涙が溜まっていた
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彼が今まで生きてきた17年間で幸せだと思えた時間はどれくらいあるのだろう
きっと常人の3分の1も無い
そんな彼を僕は幸せにしたい
そんな彼に愛を教えたい
僕の体は無意識に動いていた
しょーちゃんの肩を掴む
「なに?」と言おうとした彼の唇を塞ぐ
触れ合う唇は柔らかく、暖かく、涙の味がした
触れ合っていた口をはなし、目が合うと
君は顔を赤らめ、口をおさえた
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僕の話を静かに聞いていた彼がしゃがみこむ
だんだん聞こえてくる、泣き声に僕はくすりと笑う
しゃがみこんでしまった彼と目を合わせるように、僕も座る
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泣きながら言う君の本音
強がっていた君は、本当は辛くて今にも壊れてしまいそうだった
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何十年未来だって
君で満たされたいんだ
何百回だって言うよ
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