秋田
それで、最近彼氏とはどうなの?
中山 明日香
え?
出会い頭のいきなりの質問。
同じ派遣の秋田さんは、稲見さんと同じお話好き。
秋田
結婚の話は、進んでいるの?
中山 明日香
…あは、は
以前、いきなり手相を見られて、プライベートのことをあれこれ聞かれた際に、彼のことを話してしまった。
秋田
もうあなたたちも30歳過ぎているんだから、ちゃんと考えないとね
そんなこと、言われなくても分かっている。
中山 明日香
なかなか、難しいんですよ…
秋田
次は、いつ会うの?
秋田
私はね、あなたが結婚するのを楽しみにしているのよ?
中山 明日香
ありがとうございます
まるで、自分の母と同じことを口にするこの方に、
私の心は、悲鳴をあげそうだった。
私は、遠距離恋愛をしている。
彼とは出会った時から離れ離れで、もう5年以上のお付き合い。
お互い社会人なので、会うのは年に1、2回。 寂しくないの?と、よく言われるけど、それは最初だけで、
今は慣れてしまったし、ひとりの時間が確保されている生活が好きだった。
メールや電話のやり取りは、毎日しているし、 仲も不仲な訳ではない。 趣味も合うから楽しくて……
でも、
中山 明日香
はあ……
最近は、同郷の結婚ラッシュ、出産に素直に喜べない自分がいた。
中山 明日香
おめでたいことなのに…私どんだけ性格悪いのよ…
自分ひとり、取り残されるような感覚に焦っていた。
彼に相談したこともある。 この先、私たちは同じ未来を歩いていけるのか。
彼
ちゃんと考えます
この答えばっかり。
そんな呑気な、と思ったけどこれ以上何を言っても、私がただのうるさい女になりそうな気がして、やめた。