テラーノベル
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青
隣を歩く君がくるりとこちらを向けば
そう言葉を放つ
桃
明るく微笑む彼は何故か切なさを感じさせる
桃
嗚呼
このもどかしい感情をどうすれば
青
桃
ただ微笑んで返すしかなかった
君に触れると辛いや
でも、手離したくないな
そう、いつもより差し込む夕陽が眩しい帰り道
共にすごした放課後
帰るのが遅くなった放課後も
桃
君を見つけると
思わず顔がほころぶ
青
青
手元には ペンと すぐそこに転がる消しゴム
消しカスが複数散らばる
桃
青
頑張る君が愛おしいな
桃
青
青
不器用で
それでも真っ直ぐで
桃
愛おしい
青
青
桃
優しい色に染められた微笑み
綺麗だね
その日の夕陽は
優しく窓から光が差し込んでいる
下駄箱にて
君を見つけた瞬間は、ただ嬉しさに身を任せて足を動かした
青
呆然としているような、
ましてや驚くように立ち尽くしている君の姿を見て足を止めた
桃
手元には
___紙?
手紙?
青
向こうから俺の存在に気付いたらしい
桃
青
青
またその
優しい笑顔
青
桃
頭に衝撃が残る
痛い
桃
桃
友達だからって口実作って
君に近付く
桃
青
青
青
桃
青
桃
いや
そうだよ
当たり前か。
桃
桃
青
桃
咄嗟に出た
変な声
青
青
いつもの優しい笑顔が
今の俺には凶器にしか見えなくて
痛い
たった今負った深い傷はさらにえぐられる
青
青
桃
桃
青
少し熱を帯びた、眩しい夕陽だった
そんな眩しい光の中に君は消える
行かないで___
母
桃
青
あれから
明らかに話す機会が失せた
距離だって感じるようになって
まさに別世界の住人だ
桃
青
桃
超久しぶりな
君の誘い
桃
青
桃
桃
青
君に触れるのは正直辛い
でも
断る理由なんてなかった
桃
青
青
桃
桃
君を手放すのはもっと辛いんだ
彼女先輩
青
彼女先輩
しんどさなんて
君は知らないくせに
そして
数日後
君は体調不良で学校を休んだ
ピンポ_ン___
桃
桃
桃
青
しんどそうに横たわっている君の姿
桃
青
桃
弱っている君も愛おしい
当たり前だけど、声色はいつもより1層低い
桃
青
桃
桃
たかがプリントを届けに来ただけだ
家にあがるのも久しぶりだな___。
こんなに2人で会話を続けた事すらも。
桃
青
離れるなんて、痛いほど名残惜しいんだよ
そんなのも君は一切わかってくれないから
より憎くて
愛おしくて
桃
青
これ以上話しかけるのも申し訳なくて
すっと互いに黙り込む
___帰った方がいいかな
桃
青
桃
青
少し強めで
暖かい手に捕まえられた
桃
桃
青
桃
俺は
その一言で
狂ってもいいほど嬉しいのに
ぎゅうっと痛いくらい握り返したい手も
ひたすら我慢して、優しく握り返す
ぎゅうっと抱きしめたいのも
絶対嫌がられるから
君は全部わかってない
桃
青
青
桃
桃
青
クラスメイト
青
桃
昼休み
流石に互いに忙しくなってきたのか、青は先輩と会う所をあまり見なくなった
なんというか
こちらも互いに距離を__いや、俺が一方的にかもしれないけど
距離をまた感じるようになって
残り少ない昼休み
最後まで他の友達と喋って笑いあってる
クラスメイト
青
青
席へ足を動かす君
思わず手が伸びた
桃
勢いで
思い切り手を捕まえる
青
青
桃
昼休みの終わりを告げるチャイムもあと少し
不器用に言葉を放って共に廊下に飛び出た
桃
この校舎の一番端
バレない屋上手前にて立ち止まる
青
既にチャイムは鳴り終わっている
桃
青
青
嗚呼
またその優しい笑み
桃
バカ正直にイエスとしか言えない
青
青
桃
青
桃
青
青
青
桃
青
桃
青
青
ぎこちない言葉の連鎖
何もかもしんどくて
桃
桃
桃
青
驚くのも当たり前
唐突に出てきた話題だから
転校するような時期でもないから
桃
青
青
少し低くなったトーン
少し 雰囲気が変わった気がした
桃
青
青
桃
青
桃
桃
青
青
桃
タイムリミットは1週間
君はどう思う?
青
青
桃
珍しく声を荒らげるその姿に
不安と痛みを覚えた
青
桃
青
待って
待ってよ
青
桃
無駄なんだって
心のどこかで察してた
桃
気付けば君はいないから
まだ
伝えたい事、あったのに
クラスメイト
青
クラスメイト
青
クラスメイト
青
桃
そんな顔
俺以外に見せて欲しくないのに
気付けば無駄だって悟ってた
転校まであと数日
もうあの笑顔は向けられない?
いつもよりほんの少し違う道をゆっくり歩く
眩しくて残酷な綺麗さを帯びた夕陽は
自分の心情なんて察さずに
容赦なく照りつけてくる
青
口から息が漏れる
ちょっとしたため息
とある家の
インターホン
ピンポ__ン……
母
母
青
青
ちょっとした冗談を交わす
母
母
桃くんの家の前
青
母
青
青
青
母
青
青
母
母
青
なんだよそれ
僕のことこんなに弄んどいてさ
青
青
青
ただひたすら
泣き崩れちゃって
君がいなくなったのを見計らって
下駄箱へ向かった
桃
君の靴箱を開けて
ひとつの紙をそこに入れる
夕陽は
見とれてしまうほど綺麗で、優しくて___
青
桃
帰ったはずの
君がそこに居た
青
桃
青
なんでこんな
桃
青
青
桃
青
『すきだよ』
『ごめん』
青
桃
桃
その紙切れ1枚で
君は泣き崩れてた
桃
桃
桃
青
桃
青
青
青
青
桃
桃
桃
青
少し口をつぐんで俯いた
ちょっとだけ
ほんの少しの間から出てきた言葉
青
桃
予想外の言葉
桃
青
『ショック』か___
じゃあ、まだ好きってこと?
青
青
でも
先輩が『好き』だって言ってくれたから付き合ったんじゃないの?
それなのに『お互いに』好きって程じゃなかった__?
付き合ったら壊れるのかな
青
青
青
桃
おんなじ
痛いよ
苦しいよ
でも
嫌じゃないや
桃
青
青
青
青
痛みすらも優しくて
その優しさが苦しい
桃
青
誰もいない放課後
寂しいはずの夕陽が差し込む校舎
青
不安げな君の声色
愛おしくて さらに抱き締める
桃
青
パッと君が離れたと思えば
真っ直ぐ
此方を見つめていた
桃
青
優しい笑顔が俺を照り付ける
優しいくせに切なげ
本当は無理して笑ってるのくらい
本当は分かってた
青
ぷつっと切れた
そう、張り詰めた糸が切れるように涙が零れていた
桃
絶対約束なんだ
優しい笑みという夕陽照らされたストーリー
『ユウイロ日記』
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
『ユウイロ日記』
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
ご拝読ありがとうございました🕊𓂃𓈒𓏸︎︎︎︎
コメント
14件
めっちゃ好きです💕
突然なんですけど、私みくさんの書き表し方大っ好きなんですよ!! 「優しい色に染められた微笑み」とか優色と夕色で掛けてるところとかも…!!!そして物語最高でした!夕焼けがテーマだからか少し切ない雰囲気なのも好きすぎる…!
初コメ失礼します〜!🥹💭 本当にハート撃ち抜かれました大好きです…!!TT 夕日がテーマなのもあって全体的にほんのりした雰囲気で好みすぎます…🙏🏻 これからもみく様のストーリー愛読させてもらいたいです〜!!😭😭🩵🩷