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蘭堂
おぉ……寒っ…
蘭堂
風通しが良くなって3倍寒い
蘭堂
うぅぅ…
太宰治
災難だったね蘭堂さん
蘭堂
酷い目にあった
蘭堂
なぜ私が
太宰治
襲われた理由はおおよそ想像が着くよ
太宰治
ウワサの拡張だ
太宰治
森派の蘭堂さんが黒い炎で殺されたとなれば
太宰治
人々は"先代の怒り"をより強く実感するだろう
太宰治
ここに来た時彼がぶちのめしたＧＳＳの兵士が
太宰治
黒い爆発を偽装するための手順書を持っていた
蘭堂
黒い爆発とは？
太宰治
ナトリウムランプの炎色反応を利用すると黒に近い色の炎が作れるらしい
碧娜 乃ノ
へぇー
碧娜 乃ノ
いいこと聞いた！
太宰治
悪用しないでくださいよ？
碧娜 乃ノ
わかってるよ！
碧娜 乃ノ
僕はそんないたずらっ子じゃない！
太宰治
まぁ、いずれにしてもチープな偽装作戦だよ
蘭堂
うぅぅ…
蘭堂
ﾊﾞﾝｯ
中原中也
つまりこういうことか？
中原中也
ＧＳＳの連中がポートマフィアを仲間割れさせるために
中原中也
荒覇吐になりすましてこの旦那を襲った
蘭堂
ＧＳＳの現総統は冷酷な男で
蘭堂
北米の秘密組織"ギルドと深い関係にあるというウワサ
太宰治
蘭堂さんが擂鉢街で目撃した荒覇吐について教えて欲しい
太宰治
先代復活のウワサにつながる情報は今のところそれしかないから
蘭堂
あぁ、よく覚えているとも
蘭堂
忘れるものか
蘭堂
私だけが生き残った
蘭堂
だが周囲の部下はことごとく燃えてしまった
蘭堂
あの黒い炎に飲み込まれてしまった
蘭堂
あれは本当に荒覇吐だった
太宰治
面白くなってきた
太宰治
詳しく話してよ
蘭堂
あれは擂鉢街のほぼ中心地での出来事であった
蘭堂
羊の武装した少年たちとの抗争に向かう途中であった
蘭堂
そこでいきなり
蘭堂
黒い爆発に我々全員が吹き飛ばされた
蘭堂
いきなりの爆風に
蘭堂
私は自分自身を異能で守ることしか出来なかった
蘭堂
黒い炎瓦解する大地
蘭堂
あれは地獄であった
蘭堂
そしてその中心にそいつはいた
蘭堂
それは先代首領などではなかった
蘭堂
いやそもそもそいつは
蘭堂
人間ですらなかった
蘭堂
獣…
蘭堂
黒き炎の獣…
蘭堂
一対の瞳すらも
蘭堂
煉獄から吹き出したかのような炎であった
蘭堂
地上のあらゆるものが高熱で揺れていた
蘭堂
ただヨコハマの海が
蘭堂
遠くに眺めるあの海だけが
蘭堂
月明かりをたたえて静かに凪いでいたのを
蘭堂
妙に覚えている
蘭堂
あの時獣の声を聞いた
蘭堂
なんの感情も含まぬ声であった
蘭堂
私にはそれが怖かった
蘭堂
すまない
蘭堂
君たちは先代の復活を荒覇吐の力ではなく
蘭堂
敵異能力による偽装であると
蘭堂
証明したかったのだろう？
太宰治
いや
碧娜 乃ノ
違うよ
太宰治
中々興味深い話だったよ
碧娜 乃ノ
だねー！聞いてて面白かった！
蘭堂
ん？
碧娜 乃ノ
全部わかった
碧娜 乃ノ
おかげで事件解決だ！
碧娜 乃ノ
太宰くんも分かったでしょ？
太宰治
あぁ、もちろん
中原中也
あ？
中原中也
どうせ分からねぇのにわかるとか言ってんだろ！？
中原中也
強がってんじゃねぇよ！
太宰治
この場に分かっていないのは君くらいだよ
中原中也
あぁ？
中原中也
なんだと！？
碧娜 乃ノ
まぁまぁ、いいじゃないか！
碧娜 乃ノ
こいつは馬鹿ってことだよ！
太宰治
そうですね
中原中也
勝手に話終わらせてんじゃねぇー！
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