潔
そんなの…
潔
急すぎる
母
……
母
荷物はまとめてあるわ
潔
は…?
潔
ってことはこの見合い、
潔
大分前に持ち出されてたってことか?
潔
何で俺に言わなかったんだよ
母
だって…
潔
断られると面倒だったから、か…
潔
だから、ぎりぎりにこの話をして
潔
断らせないようにさせた…
潔
そうなんだよな?
母
っ…
母
断られると面倒だったから
母
そうね
母
けどね、
母
どのみち、この見合いは
母
「断る」っていう
母
選択肢は無いの
母
分かるでしょ
潔
…そうだけど
母
もう、時間になるから
母
頑張ってね
母
そして、愛してたわ
潔
……分かってるよ、
潔
じゃぁ
潔
今まで有り難う
母
うっ…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
モブA
潔世一さんこちらへ
潔
あっ、はい
モブA
この馬車に乗ってもらいます
モブA
少々揺れが生じますが
モブA
気分が害した場合は遠慮なく申し付けて下さい
モブA
では
潔
あ、有り難うございます
潔
霧が罹ってきたな…
潔
てか、馬車なんて、
潔
何時ぶりだろ
潔
………
潔
(「愛してたわ」……)
潔
(遅いんだよ)
潔
(もっと聞きたかった)
潔
(愛してほしかった)
潔
………
潔
うっ…(ポロポホ)
潔
(でも、過去は過去…)
潔
(いや、過去は消えない)
潔
(忘れることも出来ない)
潔
(俺は…まだ前を向いては…)
潔
(駄目なんだ)
潔
この、傷が戒めのように
潔
俺は…まだ前を向きたくないんだ







