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荻原 蒼介

(8時9分…そろそろだ!)

蒼介は校門前でウロチョロしていた。

そんな蒼介の肩の上にポンッと手が置かれた。

荻原 蒼介

うわあああ!

柳原 悠

はよ、蒼介

そこには蒼介の友達の柳原(やなぎはら)悠(ゆう)が立っていた。

柳原 悠

なにしてんの

荻原 蒼介

黙れ!

荻原 蒼介

あ、来たぞ!先輩が……!

柳原 悠

え。まだそれ続けてたの……

矢野 和樹

〜だろ!〜でさあ、そいつが…

荻原 蒼介

(先輩が話してる好きぃ!!)

校門の影に隠れてる蒼介に気づくことなく、和樹は校舎へと入って行った。

荻原 蒼介

ふぅ

荻原 蒼介

今日も生きれる

柳原 悠

やっぱ蒼介キモイ

荻原 蒼介

悠は分からないよな、先輩の良さ

柳原(やなぎはら)悠(ゆう)。僕のクラスメイト兼友達だ

柳原 悠

そんなに好きなら話しかければいいじゃん

柳原 悠

矢野先輩、多分蒼介の存在知らないよ

荻原 蒼介

知らなくていいの!

荻原 蒼介

(もっと先輩に近づけば、僕が「蒼」だと気づかれるかも知れないし)

柳原 悠

変なやつ

 昼休み

柳原 悠

ただいまー売店行ってきた

荻原 蒼介

おかえりー

悠は教室に入り、蒼介の前の席に腰を下ろした。

ピコンッ。

柳原 悠

蒼介のじゃないの?

荻原 蒼介

あー

蒼介はスマホをカバンから2つ取り出した。

柳原 悠

うわ。出たよ蒼介の二刀流

荻原 蒼介

えーっと……

僕は見ての通りスマホを2台持っている

それはもちろん、蒼介の連絡用のスマホと葵の連絡用のスマホ、それを持っているのだ。

荻原 蒼介

んん"っ!!

なんと通知が鳴ったのは葵の連絡用のスマホだった。液晶画面には矢野先輩と表示されていた。

荻原 蒼介

うぉおおお!!

柳原 悠

うるせえ……

荻原 蒼介

(落ち着け僕、落ち着けぇ〜)

蒼介は興奮しながらもスマホの液晶部分をタップしてアプリを開いた。

『今何してるの?』

荻原 蒼介

(ぎゃあああああああ!可愛い!)

柳原 悠

なになに

柳原 悠

殺人予告でもされたの?

荻原 蒼介

ある意味殺人予告といっても過言じゃないな……

柳原 悠

まじか

荻原 蒼介

(うう!なんて返そう)

寂しいの?会いたい。恋しい。和樹くんこそ何してるの?

などとたくさん言葉が浮かんでくる。

荻原 蒼介

ふぅ……

蒼介は『今ご飯食べてるよ🍚』と送った。

『今ご飯食べてるよ🍚』

矢野 和樹

ご、ご飯……!

矢野 和樹

打ってる文字全てが尊い

島崎 伊織

お?彼女か?

矢野 和樹

うん!彼女♡

島崎 伊織

先月告られたんだっけ

矢野 和樹

うん〜!

島崎 伊織

今最高の時期じゃんか

矢野 和樹

伊織も彼女くらい作れよ

島崎 伊織

出来たら作ってるわ

島崎(しまざき)伊織(いおり)は俺の中学からの幼馴染だ

コイツとは親友と呼び合え、全て打ち明けられる仲だ。

でも、俺の趣味が女装とかはさすがに言っていない

島崎 伊織

写真とかねーの?

矢野 和樹

見たい?

島崎 伊織

おう

和樹はスマホを伊織に見せた。

島崎 伊織

えっぐ!

島崎 伊織

めちゃ可愛いじゃねーか!

矢野 和樹

だろ!

矢野 和樹

俺のタイプ詰め込んだみたいな顔!

島崎 伊織

こりゃ、初めて見た人でも告白OKしますわ……

矢野 和樹

そうそう

矢野 和樹

……あ!

矢野 和樹

取んなよ!メガネクソ変態野郎!

島崎 伊織

誰が取るか口悪いなお前

矢野 和樹

つか、俺今日バイトだ

島崎 伊織

和樹バイトしてたん?

島崎 伊織

どこの?

矢野 和樹

あー……コ

矢野 和樹

秘密

島崎 伊織

はぁ?

島崎 伊織

なんだよ

島崎 伊織

やらしいえっち

矢野 和樹

は?

放課後

荻原 蒼介

ふわぁ〜

荻原 蒼介

バイト行きたくない……

荻原 蒼介

先輩と会いたいぃ〜

荻原 蒼介

お疲れ様でーす

美樹

お疲れ

美樹

荻原ちょい遅いよ

美樹

レジ1人で大変だったんだから

荻原 蒼介

美樹さんごめん!

蒼介は急いで着替え、それからレジ当番へと入った。

美樹

ま。今日は人少ないからいいけどね

荻原 蒼介

ご、ごめんなさい…

美樹(みき)さん。

僕より半年前に、ここのコンビニでアルバイトをしているらしい。

歳も年上っぽいし、美樹さんは先輩という感じだ。

荻原 蒼介

(なんかオーラがあるんだよなあ)

荻原 蒼介

(女性なのに背が高いからかな)

美樹

そんなに見られると恥ずいんだけど

荻原 蒼介

ご、ごめんなさいぃ!

美樹

美樹

なんで謝んの?

荻原 蒼介

ごめんなさい!!

美樹

……

美樹

っくく……

荻原 蒼介

(あ、笑った…!)

ん……?美樹さんの笑顔、なんか誰かに似てるような…

荻原 蒼介

(いや、気のせいだ)

荻原 蒼介

そういえば、美樹さんって歳いくつなんですか?

荻原 蒼介

僕16です

美樹

……

美樹

内緒

荻原 蒼介

当てていいですか?

荻原 蒼介

25

美樹

荻原。もう話しかけてこないで

荻原 蒼介

ごめんなさい

荻原 蒼介

(ちょっといじるとこうやって本気にするところとか、……なんだか……)

ウィーン

その時、高校生くらいの歳の人達が数人店へと入ってきた。

荻原 蒼介

いらっしゃいませー

美樹

いらっしゃいませ

その人たちは飲料類が入っている冷蔵庫からいくつもの酒を取り出し、蒼介の正面のレジに置いた。

高校生1

荻原 蒼介

……え?

荻原 蒼介

あの、未成年の飲酒は禁止されています。身分を証明できるものが…

高校生2

は?俺らのどこが未成年?

荻原 蒼介

(どう見ても未成年やろがい)

高校生3

おいさっさと会計しろや

荻原 蒼介

すみませんが、未成年の飲酒は……

荻原 蒼介

……っ

すると、1人が蒼介の襟を掴んだ。

高校生2

さっさと会計しろっつってんのが聞こえねーのか

高校生3

やれやれ〜!

荻原 蒼介

…っだから、未成年じゃないのなら身分証明書出してくださいよ

高校生2

…ってめぇ、舐めてんのか

蒼介に向かって拳を振り上げた。

荻原 蒼介

(やばっ)

荻原 蒼介

……

荻原 蒼介

(痛くない?)

蒼介が目を開けると、横に美樹が立っていて、拳を右手で受け止めていた。

荻原 蒼介

美樹さん…!

美樹

……これ以上するなら、警察呼びますけど

荻原 蒼介

(み、美樹さああん!)

高校生2

あ?…お前誰だよ

高校生1

つか、結構美人じゃね?

高校生3

うわホントだ

高校生1

ねえ、お姉さん。バイト何時に終わるの〜?

美樹

……

美樹はスッと携帯を取りだした。

美樹

あー…もしもし警察ですか

高校生2

うわっ

高校生3

いやいや、嘘だろどうせ

一人の男が美樹の携帯を取り上げた。

高校生3

……

『もしもし?どうされました?』と携帯の中から声が聞こえた。

高校生3

こいつマジじゃねーか!!!

美樹

返せよ

美樹は男から携帯を奪った。

美樹

すみません。えーと、場所は……

高校生2

……

高校生3

ちょ待てよ!俺も!

大柄の男が逃げ出すとそれに続き、残りの2人もコンビニから出ていった。

美樹

すみません。逃げていったのでもう大丈夫です

美樹

本当に大丈夫です。ありがとうございました

美樹は通話をやめた。

荻原 蒼介

美樹さん

荻原 蒼介

ありがとうございます!!

美樹

そんなに腰を綺麗に90°曲げなくても…

荻原 蒼介

まじかっこよかったです!

美樹

いやいやそんな

荻原 蒼介

あの男のパンチを受け止められたの凄いですね!女性なのに…!

美樹

ま、まあね

美樹

ゴ、ゴホンッ

美樹

ほら、お客さん来たよ

ウィーンと自動ドアが開いて客が入ってきた。

荻原 蒼介

いらっしゃいませ!

美樹

いらっしゃいませ!

美樹

バイト疲れた〜

美樹

にしても、やっぱりやめらんないなあ

美樹は服を脱いだり、ウィッグを外すなどして元の姿に戻った。

矢野 和樹

ふぅ〜

矢野 和樹

やめらんないよ、女装って

自分で言うのもなんだけど、俺って顔整ってる方だから

女装をすると、美人に変身できる

うへへその時の男の視線がおもろいんだよな

矢野 和樹

やっぱたまんねー

でも一番の理由は……

矢野 和樹

女の子って、髪型も可愛くできて化粧も楽しくて、でもやっぱり色んな種類がある服が可愛くて!

矢野 和樹

とにかく可愛いんだよなああ!

矢野 和樹

……

矢野 和樹

こんなこと、蒼に知られたらどうなるんだろ

矢野 和樹

(考えんのやめよ)

女装してごめんなさい

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コメント

4

ユーザー

あーもう好きです。最高

ユーザー

おほほほほ

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