ユウ
………
試合前日
私は窓の外を眺めてボーッと空を見ていた
ナナ
ユウ…?
ユウ
ん、ナナ
ユウ
どしたの?
ナナ
いや…あの、調整おわった…
ユウ
うん、ありがとう
ユウ
今確認しに行くね
ナナ
……ねぇ、ユウ
ユウ
ん??
ナナ
…何かあった?
ユウ
?なんで?
ナナ
…ううん、なんでもないなら…いいの
ユウ
そう?
ユウ
じゃあレヴァの所行ってくるね
ナナ
うん
レヴァの元へと歩いていく彼女を見送る
ナナ
………
ナナ
(何か…変わった…?)
久しぶりに会った日から謎に違和感を感じていた
少し、大人っぽくなったというか、落ち着いているというか、余裕がある…感じ
ナナ
(身長も少し伸びた……?)
ナナ
(何か…嫌な予感がする……)
「接続開始します」
ユウ
………
「同調開始」
ユウ
………
ユウ
辛くない
ユウ
大丈夫だ
レバーを握ってモードを切り替える
「同調レベル4」
ユウ
……クリア
「レベル5」
ユウ
…………
レヴァラルタ
ユウ様
ユウ
ん?
レヴァラルタ
もう、大丈夫ですね
ユウ
うん
ユウ
大丈夫
ユウ
もっと行こうね上の世界へ
「レベル上限解放完了、接続レベル強化します」
ウィーン
目の前の液晶が赤くひかり、警告が表示された
「これ以上はデータにない上限です 本当にレベルを上げますか?」
ユウ
上げる
カチッ
ウィーン!!
……ピッ
「クリア レベル6」
ユウ
……レベル6
ユウ
これなら…
ピピッ
ユウ
ん?
「ヨル様からの通信です」
ユウ
通して
ヨル
ユウ、この前言ったことだが
ユウ
…分かってる
ヨル
それならいい
ヨル
しっかりとコックピットを狙え
ヨル
事故で処理する
ユウ
うん、お兄様
ヨル
…良い子だ
ピッ
ユウ
………
ユウ
え?
ユウ
コックピットを狙う??
ヨル
ああ
ユウ
そ…そんな事したらグレイは…
ヨル
次は、ナナ・エリカルが危険な目に合うぞ
ユウ
!!それは…
ヨル
じゃあ…分かるな?
お兄様は私の傍まで来ると頭をポンっと撫でて耳元で囁いた
ヨル
ユウは、「良い子」だろ?
ユウ
!……は…い…
ヨル
うん
ヨル
ちゃんと事故として扱うから安心しろ
バタンッ
部屋を出ていったユウを見送り、椅子の背もたれに体重をかけた
ヨル
……
ヨル
(邪魔する人間は、消さないとね…)