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わんく 青水 完フィク
零時近くの静かな部屋 今は自分一人しか居なかった
別に今生の別れとか そんなんじゃない ちょっと喧嘩しただけなんだ
ほとけ
恋人ならではの浮気の様な ただ少しだけだった 僕が友達と偶然見かけた光景 彼が親密そうに女の人と出かけていて 友人曰く"女性への贈り物"を 買う様なお店に、二人で。
別にお仕事なら許すし 許せない訳がない だけど彼は言い訳も無く はぐらかす様な言葉だけだったから
小さな喧嘩の種 芽吹いたものは仕方無く 結果を実らせようと動いていた
相手が悪い、それは 他者から見ても一目瞭然だった そのはずなのに涙が止まらない 色々な感情が渦巻いて ぐるりぐると巡っている
ほとけ
明日は付き合って2年目で プレゼントも用意してて それほどに好きは変わらなくて だからこそ 彼が離れていってしまったら 苦しくて、悔しくて 先に好きって言ってくれたのは 確かに彼だったのに
いじけながら綺麗に丁寧に ラッピングされた箱を揺らす 中に入っているのは 揃いで買ったネックレスだ
ほとけ
がちゃり、とドアの開く音
誰かは想像がつく だって鍵を持っているのは 恋人だけなんだから
リビングの方まで歩く足音 それは矢張り彼だった 傘を持たず出ていったから 少しだけ濡れている髪 服は黒色で分からないのだが わざわざ戻る事は無かったから そのまま雨に降られていたのだろう
いふ
ほとけ
視線を逸らす僕を 美麗な灰簾石の瞳が見据える
いふ
ほとけ
お別れなのかな、嫌だな 少しだけ不安を思いながら 目を合わせない様にしていた
いふ
ほとけ
冗談でも笑えない 少しだけでも笑っていられなくて 生温い雫が流れ落ちる
ほとけ
ぐっと頬を掴まれる 怒った様な、それでいて 悲しそうな表情だった
いふ
ほとけ
それを言うと口を噤む やっぱりこれは言えないんだ そう思った先だった
いふ
その言葉に頭を振る もう別に良いって 嫌なら嫌って言ってよ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
少しだけ嫌そうな表情 隠したかったんだろうけど 心配だったのは変わりなくて
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
疑う気持ちを消し去るため 彼の腕の中に収まる 寂しくなった心を満たす様に たっぷり抱き締めて貰った
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
顔を見合わせて笑う 仲直りして今日を迎えられて それで良かったね、って これからも一緒にいようね そんな約束をして 二人は深い夜を過ごしていた