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三題噺 赤組と天才組 完フィク
りうら
ないこ
本を読んでいた彼は 目線を上げてこちらを見る
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
そんな他愛もない話 薬の事なんてたまにだけど 正直興味だってないけど 彼の知っている事は 少しでも知ってみたくて
丁度その時だ 低い音で柱時計が鳴る いつもの定刻だ
ないこ
りうら
手前に置かれた赤いリボンの シュガーポット 彼の方にあるのが ピンクのリボンがついた シュガーポットだ
ないこ
りうら
彼は砂糖を落とし入れる その指先に思わず見惚れた 一緒に住んでいるのだから いつも見ているのに 何回見ても慣れないのだ 彼は少しの所作が綺麗で それには憧れる 同じ様にやってる筈なのに 何かが違うのだ
彼と同じ様に砂糖を 2つ摘み入れて くるくるとカップを回してみる
ないこ
りうら
ないこ
兄さんの様な歳差の彼だから 未成年故の過保護な所もあって 少しだけ心配そうだ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
なんで惜しみもなく 言ってくるんだこの人 同じに彼を大切な存在と 思っているからこそ そんな言葉照れるし 嬉しいに決まってるじゃないか
りうら
ないこ
これは今でも思い出すくらい 楽しかった過去の一時だ
あの日からは多分 一週間が経ったくらいだと思う
りうら
客人に紅茶を手渡す 彼は邪険な表情を浮かべたので にこりと微笑んで返すと 一層に皺を寄せた
りうら
何時も通りのシュガーポットが二つ 赤いリボンのついた方を 彼に近付ける
ほとけ
彼は一つだけ それからじっと此方を見ていた 桃色のポットから摘む二つを 静かに落とした くるくると回してみても ざらり、ふわりと透いた結晶が 琥珀色の中を揺蕩っていた
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
目印で分かれている理由が 正にそれである これは彼には薬だった物 健常者が飲めば 段々と体を蝕む毒に変わる それくらい分かってるよ 苦いのも辛いのも全部 思い出と共に飲み干すんだ
ほとけ
りうら
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけ
生きて、なんて そんな事知らない 貴方が居ない世界には 生きてる意味が無いんだよ でもなんでだろう これを飲み続けても 貴方の元に行ける勇気が無くて 死ぬのは少し怖いんだ
ほとけ
りうら
正気に戻した彼の気迫 普段とは違うから 少し焦って分からなくなる 指を折って数えていく 居なくなったのが丁度一週間前 気が付いたのが一日後 それから二つずつ
りうら
ほとけ
彼はポットに手を伸ばす 何をしようとしているのかすら 最初はよく分からなかった
手に掴んだ瓶をひっくり返し ソーサーに勢いだけでばら撒いた
りうら
これで10、と毒を掴む 雑にお茶に投げ入れると 溶けきることのない それを強引に混ぜて煽った
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
それでよし、と一言 その瞬 張り詰めた糸が切れる様に 彼はぱたんと倒れた
りうら
ほとけ
辛そうだけどへらへら笑ってる そんな所だぞ 吐けって言っても吐かないし 一緒に死んでくれるんだってさ だからばかなんだよ でもありがとう
三人が二人になって その次は三人になりました 死んだそこで会ったのが もう片割れの大切な三人です だから僕らは六人で 一緒にまた生きる事を決めました だからこれは 簡単に言えば__での話 じゃあね、昔の自分
もう絶対に死のうなんて 馬鹿な事すんなよ!