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翌日
雨は止み、空にはうっすらと虹がかかっていた
けれど、若井の家では、そんな爽やかな空気とは真逆の“くしゃみと怒声”が響いていた
元貴
腕を組んで眉を吊り上げているその横で、高野も珍しく真剣な表情をしていた
ベッドの上では、涼架がマスクをして、布団に包まれたまま可愛いくしゃみを一つ
涼架
隣のベッドには、同じようにマスクをして鼻を赤くした若井が、しれっと毛布を頭までかぶっている
涼架
若井
二人の言い訳が同時に重なった
元貴
元貴は呆れを通り越して頭を抱えた
高野がため息をつきながら、体温計をチェックする
髙野
若井
若井がかすれた声で苦笑する
すかさず元貴がピシッと指をさした
元貴
涼架
若井
若井がぼそりと呟き、涼架と目を合わせる
そして二人して小さく笑って――また同時に咳き込んだ
元貴
髙野
高野も慌てて温かいお茶を差し出す
髙野
髙野
髙野
高野の声は呆れ半分、でも明らかに安堵していた
涼架は恥ずかしそうに毛布の端を握りしめる
涼架
元貴はその言葉に何か言おうとして、結局 大きなため息をついた
元貴
元貴
若井は照れ隠しのように涼架の頭を軽くぽんぽんと撫でる
若井
元貴
涼架
若井
涼架
涼架が小さく頷くと、若井も同じように頷いて、二人でこっそり指切りをした
布団の中で寄り添うように笑う二人を見て、元貴と高野は顔を見合わせ、呆れたように微笑む
元貴
髙野