サツキ
…朝…
ろくに寝ていない、迎えるのがとても嫌な朝
大好きな鳥の声も鬱陶しく感じてしまう
サツキ
行かなきゃ…
朝7時 まだ誰もいない
外でカラスがないている
サツキ
カラスも1人なのかな
足音が聞こえてきた
サツキ
…お母さん?お父さん…?
正直、どっちであろうと結果は変わらない
また殴られ、蹴られ、外へ出かけに行くのだろう
父
あ゙ぁ…たく…あったまいてぇ…
この様子だと昨日は酒を飲んでいたのだろう
サツキ
おはようお父さん…
父
何回言ったらわかる…俺はお前のお父さんじゃねぇんだよ!
父
さっさと覚えやがれクソザルが!
お父さんと呼んだら毎回こう返される。
サツキ
ごめんなさい…
私は母が浮気をして作られた子
こんな在り来りな虐待家庭
とりあえず、謝っておけばいいとしか思わない。
父
おい
父
俺は外に出るから、お前は外出はすんなよ
サツキ
わかった
お父さんは虐待がバレたら怖いのか、外出を許さない
お母さんは昨日から帰ってこない。
きっと男と遊んでるのだろう
サツキ
朝から疲れるなぁ…
外出はダメだと言われたが、父は私のことなど見ていない
少しくらい、外に出てもバレない
サツキ
ここなら落ち着ける
この場所は丘の近くにあり、人もあまり来ない
今日は学校があるから、警察にうるさく言われるが、ここなら何も無い
大好きな花に、大好きな生き物
サツキ
この花畑みたいな世界がいいな
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ねぇ、それ
ㅤ
ボクが叶えてあげようか?
サツキ
…え…?
その瞬間
サツキ
なに、ここ
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さぁ!
賽は投げられた