テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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落とし物を探して

第1話 - 落とし物を探して

2023年06月08日

#第5人格

#第五人格

#読み切り

かしえら

－黄金の石窟－

ノートン

これが最後の磁石かな…。(地面に落ちている磁石を拾い)

ノートン

あ〜…何で試合が終わったら

ノートン

落とした磁石を

ノートン

回収しなきゃいけないのかな〜…。(面倒くさそうに拾いながら)

ノートン

荘園の力で何とかならないの…。

ｶﾁ(磁石がつく音がして)

ノートン

ん、カチ…？

ノートン

って、うわあああ！？(磁石が引き寄せられて)

ﾄﾞﾝｯ！

ノートン

あいたた…。

ヘレナ

だ、大丈夫ですか？

ノートン

と、取り敢えずね…。

ヘレナ

えっと、その声はもしかして。

ヘレナ

ノートンさんでしょうか？

ノートン

ヘレナさんか、そうだけど…。

ノートン

その前に、

ノートン

腰上げてくれないかな…。(地面でうつ伏せになっており)

ヘレナ

えっ…？(相手の背中に座っている事に気付いて)

ヘレナ

あっ！ご、ごめんなさい！(素早く立っては)

ノートン

大丈夫、

ノートン

僕が磁石を拾い損ねたみたいだから。(よいしょっと、言えば立ち上がり)

ノートン

ヘレナさんは怪我してない？

ヘレナ

えっ、えぇ…私は大丈夫です。

ノートン

それなら良かった。

ノートン

ところで、ここに何しに来たの？

ノートン

この後はもう試合が無いはずだけど。

ヘレナ

そ、それはですね…。

ヘレナ

実は…落とし物を探しているんです。

ノートン

何かなくしたの？

ノートン

……って。(相手の顔を見つめて)

ノートン

もしかして、眼鏡落としたの？

ヘレナ

あれ、当たりです。どうして分かったんですか？

ノートン

ヘレナさんっていつも眼鏡かけてるけど…、

ノートン

今日は眼鏡が見当たらないなって思ってね。

ヘレナ

やっぱり変ですよね…。(苦笑)

ヘレナ

私も試合から帰って来て気付いたんです。

ヘレナ

だから、慌てて戻って来た感じですね。

ノートン

それは大変だね。

ノートン

良ければ、一緒に探しても大丈夫？

ヘレナ

えっ！そ、そんな…申し訳ないですから！

ノートン

いや、僕も丁度ね。

ノートン

磁石をほぼ拾い終わったところだし、

ノートン

付き合ってあげてもいいかなって。

ヘレナ

磁石…？

ヘレナ

って、…本当にいいんですか？

ノートン

まぁここで断ったら、

ノートン

何か後味悪いし。

ヘレナ

！あ、ありがとうございます…。

アンドルー

お、おーい！(ゲート方面から走って来て)

ヘレナ

あら、クレスさん？(声のする方向へ向いて)

ヘレナ

先に帰ったんじゃないんですか？

アンドルー

い、いや……。

アンドルー

アダムスさんがさっきの試合で、

アンドルー

眼鏡をなくしたらしいって聞いてな。

カート

僕たちも探しに来たんだよ！(突然草むらから顔を出し)

ヘレナ

カートさんまで…！

ノートン

…何か人がいっぱい増えたね。

アンドルー

おい、キャンベル。

アンドルー

さっき、アダムスさんと2人きりで何をしていた？

ノートン

何って？

アンドルー

と、とぼけるんじゃない…！

アンドルー

アダムスさんが慌てていたじゃないか。

ノートン

あー…、別に大したことじゃないよ。

アンドルー

あんたが大したことじゃなくてもな…。

カート

つまりアンドルーは、

カート

ヘレナさんの事が心配だったんだよね？(2人の間に入り)

アンドルー

なっ…！？

アンドルー

…別に、心配してもいいだろう。(頬が少し赤く染まり)

ヘレナ

ふふ、クレスさん。そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

ヘレナ

もしなければ、最悪眼鏡なしでも平気ですから！

アンドルー

アダムスさん…。

アンドルー

いや、必ず見つけてみせる。

カート

うんうん、皆で手分けして探せば必ず見つかるはずだよ！

ノートン

そうだね〜。

ヘレナ

皆さん…、

ヘレナ

お手数お掛けしますがよろしくお願いします…。(軽く一礼して)

ノートン

じゃあ僕、ここの地上で探すよ。

カート

僕は地下1階を探してみるね〜。(旅行記を使って行き)

ヘレナ

私は地下2階を探してみます。

ヘレナ

丁度このトロッコに乗りたかったので…。(うずうずして近づき)

ヘレナ

試合中、乗る機会がなかったので楽しみです…！(そう言い、トロッコに乗り)

ノートン

ヘレナさん、トロッコに乗るんだ？

ノートン

何だか意外だね。

アンドルー

お、おい…！

アンドルー

そんなものに乗ったら危ないぞ！

ヘレナ

あれ？動きませんね…。

ノートン

そこのハンドルを上にあげないと動かないよソレ。

ヘレナ

あら、これかしら？

ヘレナ

ちょっと重いですね…。(ハンドルを握っては)

アンドルー

…仕方ない。

アンドルー

アダムスさん、少し貸してくれ。(トロッコに乗ってハンドルを握り)

ヘレナ

！あっ、少し動きましたよ。(嬉しそうに)

ヘレナ

クレスさん、ありがとうございます！(微笑んで)

アンドルー

いや…、困ってそうだったからな…。

アンドルー

取り敢えず、動きそうだ。

ノートン

良かったね、アンドルー。(ニヤニヤしながら見つめて)

アンドルー

な、何がだ…！？

ヘレナ

あら？

ヘレナ

何だか速くなっているような…？(徐々にトロッコが後退して行き)

アンドルー

！？まずい…！

アンドルー

くっ…ブレーキはどこだ！？(慌てて探し)

ノートン

トロッコだからね、大体ないよ。

アンドルー

は、はぁっ！？嘘だろ！？

アンドルー

お、おい！どうにかならないのか…！？

アンドルー

って、……あ。(体が後ろへ傾き)

ヘレナ

きゃあああ〜！(猛スピードで地下に降りて行き)

アンドルー

うわあああー！？(同じく)

ノートン

おーい！

ノートン

ヘレナさんをちゃんと受け止めてあげなよー？(大声で叫んで)

ノートン

……。

ノートン

ふふ、面白いものを見させて貰ったな〜。

ノートン

と言うか、急に静かになったね。

ノートン

さて、僕も探すって約束したし…。

ノートン

この辺探してみようかな。(辺りを見回して)

カート

「ついて来て！」

ノートン

ん？カートさんからチャットが来たみたいだ。

ノートン

もう見つかったのかな、

ノートン

取り敢えず、カートさんの所に行こうか。

－地下1階－

カート

あっ！ノートンが1番乗りだね。

ノートン

カートさん見つかったの？

カート

うん！

カート

暗号機の近くに落ちてたみたいだよ。(眼鏡を見つけて)

ノートン

流石カートさん、仕事が早いね。

カート

えへへ…、そうかな？

カート

そういやさっきさ。

カート

トロッコが凄いスピードで通り過ぎたんだけど、

カート

誰か乗っていたのかな…？

ノートン

あー、ヘレナさんとアンドルーが乗ってたよ。

ノートン

2人とも大はしゃぎしてたよ。(手で口を押さえながら)

カート

え〜！2人ともいいな〜！

カート

僕もあとで皆と乗りたい！

ノートン

え、僕は遠慮しとく。

ノートン

それより、早くヘレナさんに眼鏡を届けようよ。

ノートン

2人とも今どうなってるか気になるし。

カート

あっ！そうだった。

カート

じゃあ、下へ行こうか。

ノートン

歩いて下へ行くの面倒くさいから、

ノートン

エレベーターを使おうよ。

カート

ん、いいよ〜。

－地下2階－

ヘレナ

うーん、ここにもないですね…。(辺りを探し)

アンドルー

アダムスさん、どうだ？

ヘレナ

駄目です…、見当たりません。

アンドルー

すまない、こちらも同じだ。

アンドルー

しかし、地下の2階になると。

アンドルー

急に暗くなったな…。

アンドルー

電気は少しついているが、足元が暗い。

アンドルー

アダムスさんも気をつけてくれ。

ヘレナ

えぇ、クレスさんありがとう。

ヘレナ

あ、あと。

ヘレナ

さっき怪我とかしてないですか？

アンドルー

えっ、さっきか…？

ヘレナ

その…トロッコが終点に到着した時、

ヘレナ

勢いで私その…クレスさんに。

ヘレナ

ぶつかってしまったので…。

アンドルー

あ、あぁ…。

アンドルー

別に、大した事はない。

アンドルー

僕は一応、体が頑丈みたいだからな。

ヘレナ

そうですか？それなら良かったです…。

アンドルー

……。

アンドルー

(…内心はとても緊張したがな。)

ヘレナ

では次は、こちらを探してみましょうか。

アンドルー

そっちも暗いから気をつけてくれ…って。

アンドルー

うぉっ！？(足元の石につまづき)

ヘレナ

クレスさん大丈夫ですか？

ヘレナ

…って、きゃあ！？

アンドルー

あいたた…。

アンドルー

まさか注意している僕が転ぶとはな…。(体を起こしながら)

アンドルー

って。

アンドルー

え…アダムスさん？(仰向けになっている心眼を見つめ)

ヘレナ

ク、クレスさん…。

ヘレナ

えっとその…。

ヘレナ

…近い、です。(頬を赤く染め)

アンドルー

……。

アンドルー

……。

アンドルー

…あ、

アンドルー

あっ！？す、すすすまない！！(勢いよく離れて)

アンドルー

僕の不注意で本当に…！！(慌てふためき)

アンドルー

怪我はしてないか…？

ヘレナ

え、えぇ…！

ヘレナ

少し驚きましたけど、怪我はないですよ。(立ち上がり)

アンドルー

そ、それなら良かった…。

ｶﾞﾁｬﾝ。(エレベーターが到着して)

ノートン

あっ、2人ともいた。

ノートン

あれ、アンドルー…何だか顔が赤いね？

アンドルー

うぉっ！？あんた達いつの間にいた…！？

ヘレナ

あら、ノートンさんとカートさん…！

カート

ヘレナさん、眼鏡見つかったよ！

カート

はい、どうぞ！(眼鏡を渡し)

ヘレナ

あっ、ありがとうございます！

ヘレナ

…んっと。(眼鏡をかけて)

ヘレナ

皆さん、手伝ってくれてありがとうございます。

ヘレナ

おかげで眼鏡が戻って来ました！

ノートン

良かったね、ヘレナさん。

アンドルー

あぁ、本当にな。

カート

うん、やっぱりヘレナさんは。

カート

眼鏡をつけた方が可愛いと思う！

ヘレナ

か、可愛いなんて…そんな事ないですよ！？

カート

えっ、本当の事だよ？

ノートン

…カートさんってもしかして天然？

アンドルー

…くっ。

アンドルー

僕もさらっとあんな風に言えたら…。(ﾎﾞｿｯ)

ノートン

アンドルー、何か言った？

アンドルー

何でもない…。

アンドルー

それより、おいキャンベル。

アンドルー

さっきはよくもやってくれたな。

ノートン

えっ、何。

アンドルー

トロッコの仕組みについてだ。

アンドルー

あんた、知っていたんだろう？

ノートン

まぁ、ここの常連みたいな者だから。

アンドルー

じゃあ何故、止めなかった！

アンドルー

おかげで酷い目にあったぞ！

ノートン

いやだって、止めたら道連れになる可能性があったからね。

アンドルー

あんたなぁ…。

ノートン

でもヘレナさんは楽しかったみたいだよ。

ノートン

ねぇ、ヘレナさん？

ヘレナ

えっと、トロッコの事ですか？

ヘレナ

えぇ、とても楽しかったですよ！

ヘレナ

もう1回皆さんと乗りたいくらいに…！

アンドルー

…アダムスさん、意外と度胸があるんだな。

ノートン

ほらね。

アンドルー

何だか、言いくるめられたような気がするが…。

カート

あっ！ねぇねぇ。

カート

じゃあ皆でもう1回さ、乗ってみない？

ヘレナ

それいいですね！

アンドルー

おいおい、また乗るのか？

ノートン

じゃあアンドルーは先に帰りなよ。

ノートン

僕達はあとでそっちに向かうからさ。

アンドルー

いや、乗らないとは言っていないだろう？

カート

あれ、ノートンも一緒に乗ってくれるの！？

ノートン

うん、聞いてたらね。

ノートン

1回くらいならいいかなって…。

カート

本当？やったー！！

ヘレナ

そういえば、あのトロッコ。

ヘレナ

4人も乗れるのかしら…？

カート

僕は旅行記で小さくなるから大丈夫だよ！

ノートン

3人ぐらいならギリギリいけるんじゃない？

ノートン

先頭はアンドルーで。

アンドルー

何で僕なんだ…！？

ノートン

いやー、頑丈な人がいると心強いからね。

アンドルー

…あんたも相当だろ。

ノートン

ヘレナさんは真ん中かな？それとも後ろ？

ヘレナ

本当は私、先頭が良かったんですけど…。

ヘレナ

アンドルーさんがそういうなら、

ヘレナ

じゃあ真ん中にします！

ノートン

わかった、じゃあ僕は最後で。

カート

僕はノートンの肩に登っておこーっと！

ノートン

と言うか、トロッコどう戻すの？

カート

あっ。

ヘレナ

…あ。

アンドルー

……。

ヘレナ

じゃ、じゃあ。

ヘレナ

またここで、同じ4人が試合が終わったら…。

ヘレナ

皆でトロッコに乗りませんか？

アンドルー

アダムスさんが言うなら、

アンドルー

僕は構わない…。

カート

いいね、賛成！楽しみだな〜。

ノートン

遊ぶ約束なんてしない主義だけど。

ノートン

まぁいいよ、鉱石集めしてるから。

ノートン

集まったらまた言って。

ヘレナ

ふふ、じゃあ約束ですね！

ヘレナ

それでは今日は帰りましょう。

ヘレナ

皆さんお疲れですからね。

カート

そうだね、じゃあ皆帰ろう！

アンドルー

あぁ、帰るとしよう。

ノートン

うん、また次の試合でね…。

終わり

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かしえら

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