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仕事を終え少しだけ寝て起きたら
知らない場所にいた
声も上手く出せない
話せない
そんな不安が、徐々に俺を苦しめていく
不思議な所だ
空気は薄く、石像がたくさんあって…
誰かしらがこちらを見ているような感覚に溺れているようで
生まれて初めて、怖いと思った
腕に着けていた時計の針は止まり
外の光も射し込まないこの空間を歩き続けるこの状況で
「…少し懐かしいな」と、場違い感満載な感想を出してしまった
なんでこんなところに
…あれ、名前が…
思い出せない
大切な存在のハズだ、この子を守るためだけに…俺は
人生を捨てたハズだったのに、
わからない
怖い
誰なんだ、おまえ…
思い出せない…!!!!
さっきまでノイズがかかったように喋っていたコイツは、
急にハッキリと、しかも俺が一番聴きたくない事を言った
見た目は弱々しく、まるで女性のよう
優しく、どこか儚げな笑顔は、普通なら「綺麗」だと思うだろう
でも今は、そんなコイツが、とにかく怖くてしょうがなかった
そんな抵抗に聞く耳も持たず、
コイツは
俺を取り込んだ
奏魔
イヌホオズキ
イヌホオズキ
奏魔
奏魔
イヌホオズキ
イヌホオズキ
奏魔
イヌホオズキ
奏魔
奏魔
奏魔
イヌホオズキ
奏魔
イヌホオズキ
俺、上手く笑えてたかな
奏魔は勘が鋭いから分かってそうだけど
…また、不安にさせたかな
イヌホオズキ
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