忘れられない君へ届け

あれから数日がたった

あの出来事から朝起きたらまっさきに 昨日のレストランへ向かった

カフェへ着くと女性が こっちへ走ってきた

その瞬間 はるなさんが抱きついてきた

予想外の展開に俺は戸惑った

彼女が俺を見上げるとすぐにわかった 彼女は泣いていた

今はただ抱きしめ返すしか それしか無かった

沈黙が続く

先に口を開いたのははるなだった

はるなは面接へ行っていた

洋服屋さんらしい

しばらく沈黙が続いた

面接官は彼女へ触れる

彼女の平手打ちが炸裂した

彼女の肩は震えていた

俺はまた抱きしめた

あれから何度か彼女とあっていた

今は友達関係にまで進んだ

帰り道 彼女はずっと顔を真っ赤にしていた

彼女の方へ振り返った瞬間

彼女はあの日のように 抱きついてきた

この時 俺は決断を間違えたのだろうか

彼女をつきはなした

もう日が沈む

そんなことを他所に 俺たちは見つめあっていた

沈黙が続く

俺は薄々気づいていた

冷静な対応をした俺は

涙を流していた

俺たちは再び抱き合った

しばらくして離れた

彼女は遠のいていた

俺は追いかけなかった

ここで追いついたら

彼女の覚悟を無駄にしてしまう

俺は彼女の後ろ姿を眺めていた

俺は笑いながら泣いていた

もう二度と会うことは無いだろう

何となくわかっていた

彼との別れが来るって

私はいつも

公衆電話で止まって 彼の電話番号を打った

着信音が鳴り響く

私は言葉に詰まった

当たり前だ

彼は自分の仕事をしている

彼には明日がある

もー

なんでよ

私の明日はもう私じゃない

明日の彼が

明日の私に

恋をしないように

明日の私が

明日の彼に恋をしないように

END