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俺は結構、三途のこと……

竜胆

…好きなんだけどな。

そんな好意を寄せ始めたのは、 数ヶ月前…

竜胆

げ……、今日ヤク中と任務かよ…

三途

あ"?こっちのセリフだワ

三途

つか、ヤク中じゃねぇし!!

竜胆

あ〜…うん。はいはい。

三途

ちっ…

なんで寄りにもよって、 コイツ(三途)と当たるかなぁ……

あぁ〜、今日は災難だな

竜胆

兄貴と任務行きたかったのに…

三途

俺だって、テメェなんざ願い下げだ!

そう、いつも通り口喧嘩をしながらも、

首領からの命令だからと 俺は三途と一緒に任務へ向かった。

( 取引先の現場 )

竜胆

って事なんですけど、何かご不満な点はありますか?

取引相手

あー…ここがちょっと不利益じゃないか?

三途

チッ………

三途

でしたら……ここをこうするのは…

普段、あれだけ 暴言暴力三昧の上司な 三途だが、

流石に 営業モードなのか ニコニコと 丁寧な口調で喋っている。

でも、俺は聞き逃さなかった。

三途、お前舌打ちしたな??

相手に聞こえてなかったみたいだから 良かったけども……。

竜胆

……

三途

ここをこうすれば…………

…暇だ。

これ、俺 居る必要あるか…?

竜胆

早く 兄ちゃんの所帰りてぇな〜

俺はボソッと 誰にも気付かれないよう 呟く。

それにしても……

三途って、地頭は良さそうだよな……

AB型だっていうし、天才肌… っていうの?

この前も、ポーカーで無双してたしな。

黙っときゃ 顔も綺麗だし悪くねぇよな …黙っていれば限定だが。

そんなことを考えながら、 俺は三途の顔を じー 、と眺めて

商談が終わるのを待つ。

すると…

取引相手

はぁ…、君たちね。何処の反社なのか知らねぇけど、もうちょっといい案提示してくれる?

取引相手

そうじゃないと、こっちも取引出来ないよ(笑)

三途

…そうですか。

取引相手

まぁ、今日はこっちの事も色々知られちゃったみたいだしさ……

ズダダダッッ…

突然、大勢の輩が部屋に入ってきて 俺たちの逃げ場を失くすかのように覆う。

取引相手

テメェら、やっちまえ!!!!

敵組織

うっす!!

竜胆

はぁ……

あー、まぁ来ると思った。

三途も差程、動じてないようだ。

三途

うっし……やるぞ、灰谷

竜胆

オー、足引っ張んなよ〜

三途

こっちのセリフだ!馬鹿

さっきまでの敬語はどこいったんだよ

そう、また口喧嘩をしながら 俺達2人は、敵組織の輩に銃口をむけ

弾を乱射する。

三途

あ"ー…くそ、キリねぇ…!!

竜胆

ほんとな…ッ!うざい

何人殺っても、また違う人が出てくる。

三途は…流石、銃の扱いは一流だよな

俺は少し、三途の方を見てみる。

すると…

三途

…!?おい!!灰谷後ろ!

竜胆

…!?

敵組織の男が俺の背後から弾を打つ。

竜胆

い"ッ""っ"ぁ"…!?

三途

あ〜、くそ!

痛い…痛い…イタイ……

男の撃った球は、俺の腹部に当たり、 出血が止まらない。

俺は、寒気すら感じて その場に倒れ込む。

三途

ぉ、おい…!灰谷…!?

竜胆

……ッ

俺が倒れ込んだ後、 三途は敵全員をのしたようだ。

こっちに駆け寄ってくる三途が見える。

三途

なぁ、しっかりしろって…!

視界がボヤける、声が遠のいてくる。

あ〜、足引っ張んな とか言ってた癖に …俺、超ダセェじゃん。

……死んじまうのかな。

ポツッ……

……あ?なんだこれ

竜胆

??

俺の頬に、雨水のようなものが落ちる。

もうほぼ無い体力で、よーく目を開いてみる。

竜胆

……は、?

俺の瞳に映ったのは、 ぐずくずに目を 涙で滲ませ、 泣いている三途の姿。

三途

ぅ"…はいたに、しぬなよぉ……う"ぅ"…ぁ

コイツが泣いてるの初めて見た…

ドクンッッ…

俺の止まりかけていた心臓は 凄いスピードで脈を打ち出した。

それはまるで、 恋のキューピットの矢にでも 射抜かれた気分だった。

竜胆

…だいじょ、ぶ、だから…さ。

三途

ぅ"ぁ……でも…ッ…しぬなってば…

竜胆

……だ、から、くたばんないって…(笑)

俺は上がらない口角を 必死に吊り上げ、笑顔を浮かべる。

三途

う"ぅ"う……

ドタドタドタ……ッ…

なんだ……また敵か…?

結果としては…敵ではなかった。

救護

大丈夫ですか…!?竜胆さん…!

竜胆

ぁ…まぁ

三途

見れば分かんだろーが…!早く治せよ…!

こんな涙でぐちゃぐちゃになった顔 三途は 見られて恥ずかしくないのだろうか

そんなどうでもいい事を考えている間に 俺は救護に運ばれた。

翌日……

俺は救護を受け、 なんとか一命を取り留めた。

死にかけたってのに、 1日後またすぐ仕事か……

まぁ、反社だから仕方がない。

俺は普段通り、出社した。

ぁ…りんど……

遠くに居たはずの兄貴が 俺のところまで駆け寄ってくる。

竜胆

ン、なに、兄ちゃん

は…………?????

『なに』じゃねぇだろ…!
撃たれたんだろ…??死んじまうかと思ったじゃんかぁぁ

兄ちゃんが俺に抱き着く。

まだ腹が痛いんだから、辞めて欲しい。

三途

……!!灰谷弟…!

遠くから三途の声がして、 またもや駆け寄ってくる。

竜胆

…ぁ、三途。

竜胆

先日は どーも。

三途

ほんと…!手間かけさせやがって…!

三途

しね……!

竜胆

クスッ…(笑)

昨日は『死なないで。』 って泣いてた癖に…(笑)

それにしても…可愛かったな。 あの時の顔。

俺は三途への興味が一層深まった。

それからというもの…

俺は、三途のことを知れば知るほど 気になって気になって仕方が無かった。

次第に俺は、

『また俺の為に泣いて欲しい』

そう思うようになってしまったのだ。

竜胆

…恋、ね。

本命が出来たことない俺にとって 『恋』というものはまだよく分からなかった。

三途…俺のモンになんねぇかな…

俺の独占欲は沸々と湧き上がる。

『好きになったきっかけ』が 泣き顔 なんて悪趣味…!!

なんて、戯言を述べる奴も居るだろう。

でも、仕方がないだろ?

好きになってしまったんだから。

理由はともあれ……

竜胆

俺はアイツが好きだ。

だから、俺は九井から あの連絡を受けた時

嫉妬…というものはしたのだろう。

勿論、『面白そう!』と思ったのも 事実だ。

でも、実際に 三途が兄ちゃんの事を 本気で好きだと

確認し、事実だと分かった瞬間、 俺は崩れ落ちそうだった。

だから俺は必死に…

三途の家に招かれた時、

竜胆

え、いつから好きなの?

竜胆

兄ちゃんのどこが気に入った?

竜胆

顔?性格?

三途の好みを 少しでも知りたかった。

俺が、兄ちゃんよりも好みの男になれば 三途もきっと振り向いてくれるんじゃないか。

そう思ったから、質問攻めをしたのだ。

ガチャ…

三途

!!!?

ただいま〜〜

くそ…

ほんと兄ちゃん… いっつもタイミング悪い。

1つだけでもいい。 三途の事が知りたい。

竜胆

なぁ、好きな所くらい教えてくれても…

三途

おま、喋んな…!

口を塞がれてしまった。

はぁ…これじゃ聞けねぇじゃん。

そしてそのまま時は流れ、 今に至る……

竜胆

三途の好きな奴が 兄ちゃんじゃなけりゃ、奪ってたのに…。

でも俺は、三途のことも兄ちゃんのことも 大好きだ。

どちらとも幸せになって欲しい…

竜胆

こんな事なら、もっと前から三途にアピールしとけば良かったな

でも、もう遅い。

そんなことは嫌という程 分かっている。

竜胆

はぁ…(笑)

竜胆

駄目だな…俺。

三途が振り向いてくれる事は きっと…ないんだろう。

俺より、兄ちゃんの方が 優れている事ぐらい

昔っから知ってる。

俺は兄ちゃんには 敵わない。

なら俺は……

大好きな2人が 幸せになれることを 応援しよう。

この恋心は隠しながら。

そう、帰り道 。 俺は 胸に誓った。

<灰春> 同棲してみたら案外悪くなかった。

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コメント

51

ユーザー

竜胆無理して隠さなくてもいいんだよ

ユーザー

竜胆、隠すな!三角関係を壊すなぁぁぁぁぁ!

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