知らなかった…
平野にそんな過去があったなんて…
そしてわかった…
ずっと探していたみらを殺した犯人…
それは紫という平野の義理の妹。
そして平野自身が紫に操られていた事…
平野がこの事を私に言わなかったら私は今頃種付けされていたのかもしれない。
考えるだけで恐ろしい。
今…私の目の前にいる泣きじゃくっている平野に…
私は…何ができる…?
あぁ…あの人に言われた事…
うなじを3回擦るおまじない。
効果は期待できないけど…
試して見るか。
りらはうなじを3回擦って紫耀に話しかけた。
りら
ねぇ…平野…?
紫耀
平野やだ…グスッ…
りら
紫耀…話してくれてありがとう。
りら
怖かったよね…。
りらは紫耀を抱きしめた。
紫耀
!?
紫耀
離して…?
りら
大丈夫。
紫耀
こんな最低人間、慰める余地ないよ…。
りら
少なくとも…あんたは本当の事を私に話した。
りら
最低ではないわよ。
可愛げのない言い方。
そんなりらの言葉が今の紫耀には心地良かったのかもしれない。
紫耀
俺、りらちゃんに初めて会った時…みらちゃんの復讐ばかり考えて、自分の事を後回しにしてる印象だった…。
りら
うん…。
紫耀
でも、俺が助けた時、りらちゃんはすごく繊細な子なんだなって、改めて実感した。
紫耀
紫から守りたいって思った。
紫耀
それと同時に、自分の恋心に気付いた。
紫耀
好きだ。りらちゃんが。
紫耀
紫の思い通りになんてさせない。
紫耀
付き合って…くれますか?
りら
……………………
りら
嫌よ…。
紫耀
そっか…。
りら
りらちゃんっていう呼び方。
紫耀
へ?
予想外の答えに、つい間抜けな声を出してしまう紫耀。
りら
りらでいい。
りら
あと、私、いろいろ面倒くさいわよ?
りら
一緒に生涯歩むと。
紫耀
付き合ってやってもいいってこと?
りら
察しなさいよ…。
紫耀
えぇ…!?
紫耀
やった…!
紫耀
え…ほんとに!?
りら
嫌ならいいわ。
紫耀
ちょっと待ってよー!
紫耀
キス…していい?
そうやって唇をすぼめてりらに近づく紫耀。
りら
調子に…乗るな!
だが、りらの手で紫耀の唇は塞がれた。
紫耀
むー…
りら
そんな顔で見つめても絶対しないわよ。
紫耀
ちぇっ…。やっぱしりらはそう上手くいかないかー…
りら
残念ね…
りら
上手くいかないじゃなくて
りら
一枚上手をいくのよ。
そういうとりらは紫耀の両頬を手で固定し、自ら唇を合わせた。
紫耀
!?
りら
油断するからよバーカ。
紫耀
りらぁ〜♡
そういうと紫耀はりらの手を引き空き教室へ連れて来た。
そして、りらを押し倒した。
紫耀
りら…今からでもシたい…。
紫耀
だめ?
りら
だめ。
紫耀
そんなこと言ってー♡
りら
本当にだめよ。ほら
りらはスマホの画面を見せた。
時刻は10︰35
次の講義まであと5分に迫る
紫耀
えぇー!?
りら
こればかりは本当に残念ね。
紫耀
嘘ー…
りら
この講義終わったら、今日の講義全部終わるし、紫耀の家に行くわ。
紫耀
え!?
紫耀
マジ!?
りら
だから、それまで我慢。
紫耀
わかったぁ〜♡
りら
(気分屋は困るわ…////)