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私が思うよりずっと
君は最低な人だった。
そしてそんな君に私は、
自分から溺れることを選んだ。
私は、自分が怖くなるほどに
君を好きになりすぎた。
好きになりすぎたから、愛せなかった。
私のために、不幸になってほしかった。
私も君も、
最低で最悪の嘘つきだから。
"運命"なんて、
そんな綺麗な関係じゃいられないでしょ。
出会うはずのない私達が、
偶然出会ってしまったあの日から。
私は君のために、
何もかも捨てようとした。
私は、
私にそうさせた君を、嫌いになりたいよ。
ねぇ、みずき。
私は君を…。
高校2年生の冬
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、 私は眠たい目を擦って 椅子から立ち上がった。
今日も面白いことなんて何もなかった。
退屈な授業を受けて、 放課は特に誰とも喋らずスマホを触って。
私は未だに馴染めないクラスで、 友達を作るのにも苦労している。
ゆな
私は、今日何度目かのため息をつくと のろのろと帰る支度を始めた。
ゆうと
ふと、背後で私を呼ぶ声がした。
ゆうと
首を傾げてそう尋ねるのは、 私の彼氏のゆうとだった。
ゆな
ゆな
私は苦笑いを浮かべて そう答える。
ゆうと
ゆうと
ゆな
笑みを浮かべて走り去っていくその背中に、私はまたため息をついた。
掃除を終え、重たい足で下駄箱に向かう。
ゆうと
下駄箱につくと、 ゆうとはこっちに気づいて近寄ってくる。
ゆな
ゆうと
ゆうと
ゆな
帰り道、いつもゆうとは 遅い私の速度に合わせて歩いてくれる。
でも、付き合ってまだ2ヶ月の私たちは、 いまだ気まずい雰囲気を拭い切れていなかった。
ゆうと
ゆな
ゆうと
ゆうと
ゆな
ゆうと
ゆな
私とゆうとは、 元々ソフト部のマネージャーだった。
でも私は色々あって、 高一の時に辞めてしまった。
ゆうとも最近辞めることになったらしいけど、詳しい理由はよく分からない。
ゆうと
私の家の前に着くと、 ゆうとは笑顔でそう言った。
ゆうと
ゆな
ゆうと
ゆな
ゆな
ゆうとが見えなくなると、 一気に肩の力が抜けた。
ゆな
ゆな
ゆな
そう思ってしまう私は、 ほんとに最低だと思う。
でも、これが私だから仕方ない。 どうしたってこう思ってしまうんだから。
私は大きなため息をつくと、 家の扉を開けた。
布団に横になると、 1日の疲れが一気に襲ってきた。
ゆな
目を瞑ると、 色んなことが思い巡らされた。
今までのこと。 今日のこと。 これからのこと。
不満が降り積もってくだけの毎日に、 つまらない日常に、
どうやったら終わりが来るのかを、 私は今まで自分なりに考えてきた。
ゆな
ゆな
私は、今の彼氏が好きじゃない。
向こうから告白してきた時、 いいなって思ってた人だったから とりあえずで付き合った。
ゆな
ゆうとは、 私が思ってたような人とは違っていた。
確かに人柄は完璧で、 優しくて私思いの一途な人だった。
ゆな
ゆな
ゆな
元々好きから始まってないせいか、 些細なことでも 気持ちは冷めることしかなかった。
ゆな
それでも、 嫌悪感を覚えるほど好きになれなくても、私は別れを告げることを躊躇していた。
自分の身勝手さに ゆうとを巻き込みながら、 自分が悪者になるのは嫌だったから。
でも、みんなそうだろう。 誰だって悪者になんてなりたくない。
知らず知らずのうちに、 そうならないように行動してる。
それは私だって例外じゃない。
ゆな
ふと、私の中に嫌な願望が芽生えた。
最低だとそう思いながらも、 芽生えてしまえば 止めることなどできない。
そうして気づいたら、 私はあるチャットアプリを入れていた。
いい人がいたらいいなって、 それくらいの軽い気持ちだった。
そう、 最初は本気じゃなかった…。