僕
僕
僕
お爺さん
僕
僕はふと、お爺さんの手元を見た。
お婆さん
お婆さんは車椅子に座っていて、 穏やかに微笑んでいた。
僕
僕
お爺さん
僕
僕
お婆さん
僕
お爺さん
こんな感じで、約5分間僕と老夫婦の3人で会話をした。
お爺さん
お婆さん
僕
初仕事で緊張していたが、2人のお陰でちょっと緊張がほぐれた。 また明日も会えるかな…?
ー翌日ー
僕
お爺さん
お婆さん
僕
お婆さん
そう言いながら、お婆さんは お饅頭の箱を差し出した。
僕
お爺さん
お婆さん
お爺さん
僕
初対面じゃないからかな? 昨日よりも笑顔が増えた。 …嬉しいなぁ。
ー翌日ー
僕
お爺さん
僕
お爺さん
僕
お爺さん
僕
お爺さん
僕
僕は身内でもなんでもないのに、 何だか凄く悲しい。 どうかお婆さんが無事に退院出来ますように。
それから1週間、お婆さんもお爺さんも桜並木に来なかった。
僕
お爺さん
僕
僕
お爺さんの表情が暗い。
嘘だろ…?まさかそんな…
お爺さん
僕
そんな…前は元気そうだったのに。
お饅頭も頂いたのに。お爺さんと楽しそうに笑っていたのに。
お爺さん
僕
お爺さん
僕
お爺さんの心の状態が心配で、上手く言葉が出ない。
お爺さん
僕
その日から、お爺さんはお婆さんの写真と共に、桜並木を歩くようになった。
僕
お爺さん
僕
お爺さん
なんて素敵な夫婦なんだろう… 僕は思わず泣きそうになってしまった。
ー翌日ー
僕
僕
お爺さんが桜並木に来ない。
ー翌日ー
僕
またお爺さんは来ない。
それから1日、3日、1週間、 お爺さんは桜並木に来なかった。
ある日の昼下がり
僕
老夫婦の身内の人
僕
老夫婦の身内の人
僕
僕
老夫婦の身内の人
僕
嘘だろ。信じられない。 いや、信じたくない。
老夫婦の身内の人
老夫婦の身内の人
僕は思わず口を手で押さえた。 涙で視界が歪む。
僕
涙が頬を伝って上手く話せない。
老夫婦の身内の人
老夫婦の身内の人
とうとう身内の方も涙を流した。
こんなに悲しい昼下がりは初めてだ。
………。
ー翌日ー
僕
あの2人が居ない桜並木は、 とても寂しく見えた。
「何気ない時間を大切にしていこう。」心の底からそう誓った。
どんな人との会話も、きっといつか宝物になるから。
主
主
主
主