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ねえ 覚えてる? 初めてあった日のこと
咲夜が泣きそうな顔で話しかけてくる
リョウ
リョウ
咲夜
リョウ
リョウ
咲夜
リョウ
ずっとって言うのはもっと長いずっとなんだけどなあと 咲夜はくすくすと笑う
咲夜
咲夜
リョウ
咲夜
咲夜
恥ずかしそうに言う咲夜 こっちまで恥ずかしくなる
リョウ
咲夜
咲夜
リョウ
翌日 また咲夜は泣きそうな顔で話しかけてきた
咲夜
リョウ
咲夜
リョウ
リョウ
咲夜
桜の舞う中 そんな話を毎日繰り返す
これは 俺が初めて咲夜と会った日のこと
その日はたくさんの桜の花びらが 雪のように降っていた
13歳の俺は 桜の雪の中 一人で遊んでいた
その時 何だか視線を感じて 桜の木の方を見た
木の枝に咲夜が座っていたんだ
リョウ
真っ白で透き通るような肌 桜を閉じ込めたビー玉みたいに輝く瞳 目が合って 咲夜は急に泣き出した
俺はどうしていいかわからず 話しかけた
咲夜
リョウ
咲夜は静かに頷く
リョウ
リョウ
咲夜がぱっと笑う
咲夜
咲夜
その瞬間 桜の木まで笑ったように 花びらがより一層舞いだした
咲夜
咲夜
そして今 あの日からだいぶ時がたった
咲夜は相変わらず子供の姿のまま
リョウ
咲夜は俺の手を握って微笑む
咲夜
咲夜
リョウ
咲夜は首を振る
咲夜
咲夜
咲夜は桜の降る時期にしか 現れることができない それは桜の精である以上 仕方のないこと
咲夜
咲夜
リョウ
チューブの繋がれた手のひらを しっかりと咲夜は握る
リョウ
リョウ
死は誰しもが避けられないものだ いつかは終わりを迎える
咲夜の頬にはピンク色の涙がたまっている
泣かないでくれよ
最後くらい笑ってくれよ
咲夜
咲夜
当たり前だろ
桜の雪が降る中 一人の少女と出会った
咲夜
マコト
咲夜
聞き覚えのある声
マコト
遠い記憶のどこか 懐かしいような 嬉しいような 悲しいような
マコト
咲夜
咲夜
咲夜
その瞬間 フラッシュバックのように記憶が少し蘇る
マコト
マコト
この子に 会ったことがある そんな気がした
咲夜
咲夜
咲夜
たくさんの桜の雪が降る中 咲夜は輝いたように笑った
『お待たせ、咲夜』