我ら白鳥沢学園の日常は

クラス替え当日

私は昇降口の前でブサくれながら呟いた

分かっていたことではあったけど、クラス表の前には人が沢山群がっていた

認めたくはないけどそこまで身長があるわけじゃない私はすぐに人の波に埋まって、表も見えなければ身動きも取れない

朝から気分は最悪

美琴は私より10センチ近く高いから人に押されつつも、埋まることは無い

羨ましいヤツめ

私は前から4番目の席で美琴は私の斜め前

理系だし、そうなることは予想してたけど、私の前後左右は全員男子だ

男女の比率も２:１

特に興味のない先生のクソ話と、合計36人の自己紹介が行われて、ようやく休み時間がやってきた

美琴と馬鹿みたいにふざけて手を振っていたら、不意に後ろから声をかけられた

呼ばれて振り返るとすごく不機嫌そうな顔をしてる彼と目が合った

前髪が斜めパッツンで中々にも変な髪型してるなって心の中で軽く鼻で笑う

張り合う訳では無いけど、あまりにも不機嫌そうな顔でこっちを見てるもんだから自然とこっちも不機嫌になる

そういえば、昨日私超態度悪かったよね

そりゃこんな顔されてもしょうがねぇか

私は昨日の事を思い出して苦い顔をしながら言った

白くて私より少し大きい手のひらには、私が探していたヘアピンがのっていた

態度はどうであれ、拾ってくれたことには少しだけ感謝する

受け取ったヘアピンを髪につける

これはどんなものよりも大事なものだったから良かった

白布と名乗った彼は、最初よりも眉間のシワを更に深く刻んで

面倒くさそうな顔で返事した