/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
都内某所_____
久遠
…
かりかりとペンが紙に擦れる音と、窓に向かって打ち付ける雨の音だけが室内に響く。
バン！！！
翡翠
こんにちは！！！！！久遠さん！！！
久遠
もっと静かに入って来れないかなあ…
翡翠
今日もいい天気ですね！！！
久遠
うぅん…雨だけど…
久遠 あゆみ(ｸｵﾝ ｱﾕﾐ)
商店街の賑わいから少し外れたところにぽつんと建つ、質素な探偵事務所の主。
翡翠
そんなことより！！！依頼ですよ！
翡翠
い！！ら！！い！！
緑沢 翡翠 (ﾐﾄﾞﾘｻﾜ ﾋｽｲ)
久遠探偵事務所の助手のバイトをしている黒猫高校の生徒。
久遠
おう…依頼ね依頼…内容プリーズミー…
心底疲れたような様子で尋ねると、翡翠は笑顔で答える。
翡翠
はい！黒猫高校付近で行方不明多発していてぜんっぜん証拠無いからこっちに仕事回ってきました！！！
久遠
妖(あやかし)、かな
翡翠
そうですねぇー
翡翠
んじゃ、私公欠貰ったんでさっさといきましょ？？？
久遠
公欠なんて貰えるんだ…
情報交換を交わしながら、2人は準備し、探偵事務所の扉を開けた。
翡翠
お〜、雰囲気あるぅ〜！
久遠
ほら、冗談言ってないで調査を…
久遠
！
べちゃり、と水溜まりではない感触のモノが足に絡まりつく。
久遠
翡翠！！！
翡翠
はい！
予め用意していた護符を手に取り、軽い詠唱をすると、どろりとした液体はじゅわりと音を立てて消えていく。
どうやらここはもう、相手のナワバリのようだ。
ミギャｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！！
地面と同化したソレは、大きな口を開けて私達を飲み込もうとする。
翡翠
これでも喰らえ〜！
ぺちりと吸い付くように張り付いた御札が、妖の体を浄化していく。
ギィャｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ
一際大きな叫び声を響かせて、妖は姿を消した。
久遠
…これで、一件落着か。
翡翠
結構終わるの早かったなぁー！公欠2日貰ったんで明日どっか行きません？
久遠
どっか？
翡翠
ん〜…あ！この前できた新しいカフェ！行きましょう！
久遠
カフェ、か…落ち着きのあるとこだったらいいけど…
翡翠
決まり！！！ですね！！！
翡翠
じゃあ明日の朝10時に事務所いきますね！！！
翡翠
先上がります！！！では！！！
爆速で姿を消したバイトに、はぁとため息をついた。
どうやら明日も、あの子に振り回されるみたいだ。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
