闇を抱えた私の心

〈E組 校舎〉

ｼｭｯｼｭｼｭﾝｯ(ナイフ)

訓練開始から4ヶ月目に入るにあたり

可能性がありそうな生徒が増えてきた

磯貝悠馬と前原陽斗

運動神経が良く、2人がかりならナイフを当てられるケースが増えてきた

赤羽業

一見、のらりくらりとしているが

その目には、いたずら心が宿っている

女子では、楪華音

とにかく気配がない

普段から大人しいのが戦闘に活かされており、予想外の方向から攻撃してくる

そして、体操部出身で意表を突いた動きができる岡野ひなたと

男子なみのリーチと運動量を持つ、片岡メグ

このあたりが、アタッカーとして非常に優秀だ

その他には、目立った生徒は居ないものの、全体を見れば能力は格段に……

ﾄﾞﾀｰﾝ

潮田渚……

気のせいか……？

さっき俺が感じた、得体の知れない気配は……

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

〈E組 校舎裏〉

ー 翌日の1時間目 ー

「な、なんでナギサ！？」

「無茶だよ！」

校舎の方から、そんな声が聞こえた

〈E組 校舎〉

烏間先生と潮田が向き合って、何かを話している

鷹岡という男も一緒に居た

烏間先生の手には本物のナイフ

そしてそのナイフを潮田は受け取り、鷹岡と向かい合った

勝負をするつもりだということが遠目で分かった

烏間先生が潮田を選んだ理由

私は少し分かる気がした

ハッキリとは言えないが、潮田は “何か”を持っている

そう思った

しばらく沈黙が続き、潮田がようやく動き出す

動き出したかと思えば、鷹岡に向かって歩き出すだけ

そう

通学路を歩くみたいに

そして……

鷹岡にあたる範囲までいくと、潮田は急に大きくナイフを振りかぶった

おそらく、ここではじめて鷹岡は気付いた

自分が殺されかけていることに

鷹岡は驚き、体勢を崩しす

重心が片寄っていたため、潮田は服を引っ張って鷹岡を転ばし

背後に回って、“仕留め”にいった

見事にナイフは鷹岡の首の下

潮田の勝利だ

これを見て思った

潮田が持っている“何か”は

“暗殺の才能”だということを

私は殴られるよりも速く動き、鷹岡の喉に耐先生ようのナイフを突き付けた

そう叫びながら、鷹岡は走り去っていった

相変わらず、理事長の教育には迷いがない……