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コメント
2件
めっちゃ好きです!続き待ってます!
うた
うた
うた
うた
朝、カーテンのすき間から光が刺さってくる。
スマホのアラームが鳴ってるのに、手だけ動かして止めて、また布団に潜る。
(…あと3分。3分だけ…)
布団の中って、魔法みたいに現実を遠ざける。
学校も、テストも、恋バナも、全部どっか行けって思う。
…そのとき。
ピンポーン。
(…え、うそ。今…?)
もう一回。
ピンポーン。
(…やばい。あいつだ)
私は布団から飛び出して、髪を手ぐしで整えながら階段を降りる。
玄関までの数秒が、なぜか毎朝 "戦い" みたいになる。
お母さん
のあ
玄関のドアを開けると、そこにいた。
制服姿で、片手に肩掛けバッグ。もう片方の手に、コンビニの小袋。
なおきり
のあ
なおきりは笑いもしないで、いつも通りの落ち着いた顔のまま袋を差し出す。
なおきり
のあ
なおきり
(覚えてるの、そういうとこなんだよな…)
のあ
なおきり
のあ
なおきり
("ついで" って言う割に、私が遅れるとちゃんと困る顔するくせに)
玄関を閉めると、外は少し冷たい空気。
家と家の間の細い道を抜けて、いつもの通学路へ出る。
この距離。
右になおきり。左に私。
歩幅も、速度も、無意識に同じになる。
(これが "当たり前" なんだよね)
小さい頃から、ずっと。
一緒に登校して、一緒に帰って。
いつのまにか、言葉にしなくても伝わることが増えていった。
のあ
なおきり
のあ
なおきり
のあ
なおきり
のあ
なおきり
(ほんと、こういうのもいつも通り)
校門が見えてきて、制服の人の流れが増えてくる。
なおきりがふと、空を見上げた。
なおきり
のあ
なおきり
のあ
(でも、こういうどうでもいい会話が、一番落ち着く)
校門の手前で、いつも一瞬だけスピードが落ちる。
校内に入ったら、別々の "今日" が始まるから。
なおきり
のあ
そのとき、なおきりがポケットを探って、何かを確かめるみたいに手を止めた。
ほんの一瞬。
(今…なに?)
でも、なおきりは何も言わずに歩き出す。
私は追いかけながら、その違和感を飲み込んだ。