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ゆうす💛

…ポロポロ

…つい先程、俺の大切な親友が亡くなった。

昔から仲の良い幼馴染だった。 小さい頃から、よく遊んだものだった。

しょ💜が入院しても、 俺は構わずにずっと側にいた。

…俺は最期まで、しょ💜の旅立ちを見届けた。

しょ💜との別れが辛くて、 しょ💜の亡骸の手を握ってしばらく 1人泣いていると、とある看護師さんが 俺に声を掛けてくれた。

看護師

…ゆうす💛さん、
大丈夫ですか?

ゆうす💛

あ…看護師さん…
俺は大丈夫ですよ…ニコッ

看護師

…しょ💜さん、
お亡くなりに
なられたのですね…

ゆうす💛

はい…最期まで…
俺と話してくれました…

看護師

それはよかったです…
しょ💜さんもきっと、
嬉しかったと思いますよ…

ゆうす💛

ありがとう
ございます…ポロポロ

看護師

…しょ💜さんの
ご冥福をお祈りします。

ゆうす💛

…ポロポロ

俺は悲しみであまり話せなかった。

しょ💜が居なくなってしまったのが、 嘘なのではないか…と感じてしまって。

今も目の前で寝ている しょ💜が、目を開いて「おはよう!」と 言いそうな気がして仕方がなかった。

…そして1人俯いていると、 看護師さんが一通の手紙をくれた。

看護師

…ゆうす💛さんに
これを渡しておきますね。

宛先は俺になっているが、 明らかにしょ💜の字ではなかった。

ゆうす💛

これは…?

俺は恐る恐る、看護師さんに尋ねた。

看護師

…これは、しょ💜さんが
ゆうす💛さんに宛てた
遺書なんです…

看護師

しょ💜さんが遺書を
書くのを希望された時には
もう字が書けない状態
でしたので、私が代わりに
代筆させていただきました…

ゆうす💛

そうだったんですか…
ありがとうございます…

看護師

…最後の2人だけの時間を
ゆっくりお過ごし下さい。

ゆうす💛

はい…ご協力感謝します…

そして看護師さんは、 病室から姿を消した。

一人きりになった病室で 俺は渡された遺書を開く。

悠くんへ

急に1人で逝ってしまってごめんね。 本当は、僕も悠くんと一緒に いろんな景色を見たかったんやけど… 神様がそれを許してくれへんかったみたい(笑)

ゆうす💛

しょ💜…
謝らんでや…ポロポロ

僕さ、いつも悠くんがお見舞いに来てくれて 本を一緒に読んだりとか、 果物を食べさせてくれたりとか… いろんな事が出来てすごく嬉しかったで!

ゆうす💛

俺も、しょ💜が
頑張って生きてくれたから
嬉しかったで…ポロポロ

でもな、1つだけ ずっと気になってた事があってん。

ゆうす💛

気になってた事…?

なんで悠くんが、いつも僕に 会いに来てくれるんやろうって、 ずっと気になってた。

こんな病気の僕と話すよりも、 他の人と話す方が絶対に楽しいのに… なんで悠くんは、ずっと僕に 構ってくれたんやろ?(笑)

ゆうす💛

そんなことないで…
俺は、しょ💜とずっと
いたかったから…側に
おっただけやで…ポロポロ

まぁ、悠くんは優しいからさ! ほんまのことは話されへんかもやけど… でも僕は、悠くんと出会えて ほんまに幸せやったで!

ゆうす💛

しょ💜…ポロポロ

多分、悠くんが僕と出会ってなかったら 僕はこんなに幸せな人生を 送られへんかったと思うねん。 ずっと独りぼっちのままやったから…

僕は生涯で1番大好きで、大切な人がおってん。 それはな…悠くんやねんで。 それくらい、大好きやった。

ずっと離れたくなかった。 だから、僕がもし病気が完治して退院したら こんな日々は終わってしまうんやないかって、 不安になった時もあった。

その時に口に出てたのは、 「秋みたいやな…」やってんで!(笑) 悠くんは気づかへんかったかもやけど…

僕が度々口にしてた四季を表す言葉。 それはつまり、今の気持ちを表しててん!

春→心があたたかくて嬉しかった。 前向きな気持ちになれた。 夏→気分がすごく盛り上がって、 めっちゃ楽しかったり、嬉しかった。 秋→未来のことを想像して、 少し寂しくなった。 冬→悲しかった、怖かった。

ゆうす💛

そういうことやったんか…ポロポロ

でも僕は、四季の言葉に関係なく こんなにも幸せな人生を送れました。 これは全て、悠くんのおかげやねんで!

だから、悠くんには幸せな人生を送ってほしい。 あんまり早くこっちに来やんでな?(笑) その時は僕が追い返すで〜(笑)

自分の人生、大切にしてな! 今までありがとう!! また会える日までお元気で! しょ💜より

ゆうす💛

…ポロポロ

俺が全ての遺書を読み終えたあとには、 大量の涙が頬を伝っていた。

今までの思い出が一気に蘇る。 その度に、俺は涙を流す。

…俺はしばらくの間、病室で泣いた。

あれから約2時間が経過した。 すると、看護師さんと担当医らしき人が 俺に挨拶をしに来てくださった。

軽く挨拶を交わした後、 しょ💜は綺麗に死化粧をしてもらった。

今まで着ていたパジャマも、 綺麗で真っ白な着物に着替えられていた。

…しかし、しょ💜の葬式は行われなかった。 本人の希望で、タヒんでしまったあと すぐに火葬を行ってほしいとのことだった。

そして、しょ💜の亡骸と別れを告げた。

1年後

ゆうす💛

…しょ💜、来たで!

この日は、しょ💜の初盆の日だった。

俺はしょ💜の墓の前に立ち、 慣れた手付きで墓石を洗い、線香に火を灯す。

花立てには、様々な色のガーベラを計11本入れた。

ガーベラ全体の花言葉は 『希望』、『常に前進』、『辛抱強さ』だ。 11本と言う数字が意味するのは… 少し調べてみてほしいと思う。

そしてお供物には、 しょ💜の大好きなりんごを供えた。

ゆうす💛

…。

俺は墓石を前に手を合わせる。

ゆうす💛

(しょ💜はお元気ですか?
俺はとても元気です。)

ゆうす💛

(俺はあれから、
勉強を全力で頑張って
とある有名な大学に
進学することが出来る
ことが決まりました。)

ゆうす💛

(その大学で俺は、
首席となり進学します。)

ゆうす💛

(しょ💜があの時、
俺の背中を押して
くれたから。)

ゆうす💛

(自分の人生、大切に!と
言ってくれたから…)

ゆうす💛

(俺は人生を全力で
楽しみながら大切に
過ごしています。)

ゆうす💛

(やから、俺のことは
心配せんといてな!)

ゆうす💛

(またしょ💜と、
いつか再開出来る日を
楽しみにしています。)

俺がそこまで思いを唱えると、 どこからかしょ💜の声がした。

しょ💜

悠くん!
大学進学おめでとう!

ゆうす💛

しょ💜…!?

辺りを見渡すが、しょ💜の姿はどこにもない。 そんな俺に構わず、しょ💜は話し続ける。

しょ💜

首席なんやて!?
さすが悠くん!
自慢の親友やね!

ゆうす💛

自慢の親友…
ありがとうな!

しょ💜

これから大変なことも
あるやろうけど、
悠くんならきっと大丈夫や!

しょ💜

僕はずっと空から
見守ってるで!

しょ💜

あと、忘れずに
ここに来てくれて
ありがとう〜!!

ゆうす💛

…こちらこそ、
ほんまにありがとうな!!

ゆうす💛

しょ💜も元気でなー!!

しょ💜

悠くんもー!!

しょ💜

じゃあ、またねー!!

ゆうす💛

またなーー!!

俺は久しぶりに大声を出した。 …これで俺の気持ちは しょ💜に届いたのだろうか。

ゆうす💛

…ふふっ、いきなり
出てくるなんて、
しょ💜らしいなぁ…w

俺は口元が緩む。 …自然と笑顔が浮かんでいた。

春風は、俺たちの再会を祝うように 暖かい風と桜の花びらを運んでいた。

«短編小説» 気持ちの四季 完結

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