生きてて楽しい?
楓
「………。」
楓
とりあえず分かったことが2つある。
楓
こいつは俺のことをそこら辺のアリとしか思っていないこと、たった一言で俺の人生を否定したということだ。
楓
「こっちだって俺なりに楽しんでるっつーの」
楓
そう独り言をつぶやき、俺は書いてる文字と共にこの出来事を消し去った。
〜その日の夜〜
楓
「ごちそうさまでした、っと。」
楓
「さぁてと昨日の続きをするとしよう。」
楓
俺はあの忌々しい出来事を忘れ、黙々とストーリーを攻略していく。
楓
やっぱゲームが1番いい。
楓
目標が明確であり分かりやすいからだ。
楓
「それに比べて人付き合いと言うのはイマイチ分からない。」
楓
現実もこんなに単純でわかりやすければ、俺は多分クラスで人気者だと思う。
花梨
「なーにボヤいてんのよさっきから。」
楓
「いや、特に意味はないよ。」
花梨
「どうせまた俺は1人の方が気楽だとかくだらないこと考えてたんでしょ?」
楓
「超能力でも使えるのか?」
楓
いや、そうとしか思えない。
楓
今俺の考えを的確に当てた子の名前は花梨(かりん)。俺の妹であり、唯一俺の生き方に賛同してくれる良き理解者だ。
花梨
「少しは、友達作ったら??そうしないとお兄ちゃん将来1人ぼっちで誰にも悲しまれずあの世に行くことになるよ??」
楓
すまない、訂正しよう。俺の生き方を絶対的に否定してくる世論側の人だ。
楓
てか、俺は将来家族にも見放されるオチなのかよ。と色々とツッコミたくなった。
楓
「1人になることは確定してるからそしたら俺のことはよろしく頼むぞ。」
花梨
「ほんとにこの人は…。」
楓
いやどうだろうな。この世の中には俺の事を理解してくれる人もおるのかもしれない。そうしたらこれからの人生にも若干の光が…。
花梨
「さっさとその自分の居場所を再確認するような心の狭い人がする機械の電源を消して、面白くない明日を少しでも元気に迎えるために早く寝る準備をしたら?」
楓
「そうするよ、おやすみ。」
楓
少し希望が見えたと思ったんだけどね。俺はため息をつきながら布団に潜る。
楓
「世間の妹はこんな感じで兄の事を見ているのか……。」
楓
暗い天井を見ながら呟く。そして俺は今日の学校でのことを思い出す。
楓
”生きてて楽しい?”
楓
ふん。面白い質問だな。
とりあえず明日から誰が書いたのか次の俺の番が来るまで見張ることとしよう。
とりあえず明日から誰が書いたのか次の俺の番が来るまで見張ることとしよう。
楓
この感じだとまた消しゴムを走らすことになりそうだからな。
楓
俺はその事を考えながら静かに眠りについた。