⚠︎attention⚠︎
|祓本五夏|
|傑目線|不穏有|
❀ふたりが喧嘩してます。次回までには仲直りしてもらう予定です。
それでも宜しければ、どうぞお楽しみください☺︎
撮影終了後_
夏油傑
夏油傑
五条悟
玄関の扉を開けて、靴を脱いで家に上がった瞬間
悟は私のことを後ろから抱きしめてきた
夏油傑
夏油傑
予想外の展開に、私の思考は完全に停止する
だって私は、怪獣大戦争みたいな喧嘩が始まるんだとばかり思っていたから……
夏油傑
行き場の無い手に困っていると悟が声を上げた
五条悟
夏油傑
まさかと驚き、私は目を見開く
夏油傑
だがいつもと違い、私はその言葉に意義を唱えられなかった
心当たりがあったのだ
あのトーク番組での出来事が原因だろう。
だが、収録中の出来事はトリガーじゃないという事は言い切れる
何故なら一言一句記憶できる程、あの時間は心地よかったからだ
よく覚えている
MC1人、ゲストが10人のよくある討論形式で
テーマは『お笑い』だった
MC
MC
司会者に向けていたカメラが、一斉に私たちに焦点を当てる
夏油傑
五条悟
その言葉で、キャスト達と客席から驚嘆の声が上がった
MC
MC
自分の胸をトントンと叩く大袈裟な仕草に、ついつい私の顔は緩んでしまう
他キャストの「若いのに凄いですねぇ」という声をしっかり確かめてから、MCは切り出した
MC
夏油傑
あの事だろうかと、嫌な記憶がフラッシュバックし思わずてたじろぐ。
なんとか気持ちを落ち着かせて、固唾を飲みながら次の言葉を待った
が
MC
1言目で意表を突かれる
この時の私は、あんぐりという言葉が相応しかったと思う
MC
零れそうな笑みをなんとか押さえて、私は口を開いた
夏油傑
夏油傑
五条悟
悟の横槍でドッと笑いが起こる
夏油傑
隣で顔を覆う彼を鼻で笑いながら、空間自体に問いかけた
MC
夏油傑
夏油傑
夏油傑
夏油傑
五条悟
夏油傑
MC
MC
MCの拾い方が上手いのか、会場は笑いで溢れていた
悟は「俺そんなんに引っかかりませんよ」と笑って返し、言葉を続ける
五条悟
そう言いながら、決まりが悪そうに頭を掻く
昔掲げた大義なんてのを解説するのは気恥しいからだろう
五条悟
しどろもどろな悟が面白くって、つい脇から口を出してしまった
夏油傑
すると観客も同調して悟をからかいだす
白い髪と赤い頬のコントラストは、実に映えるものだ。
五条悟
五条悟
ムキになったのか、悟はガヤの声をかき消すように声を荒らげた
五条悟
夏油傑
MC
その一言で現場はお祭りの如く盛り上がりを見せる
MC
MC
司会者の彼のその一言が、何だかとても暖かくて
終始私の心は軽かった。
夏油傑
夏油傑
いつもより体感時間が早くって
気がついた時には5分間の休憩に入っていた
各々好きなように行動し始める頃だ
私は悟に声をかけようと彼の姿を探すが、なかなかどうして見つからない
夏油傑
しばらく視線を動かしていると、ある男と会話している彼を発見する
夏油傑
夏油傑
おい、と声をかけようとして躊躇ったのは
五条悟
明らかに2人が険悪な雰囲気だったからだ
想像の域を出ないが、きっと私と同じようなことを言われているのだろう
だから、多分原因はあの時の会話にある筈だ
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
彼は私の背中に顔を埋めながら言葉を紡ぐ
五条悟
五条悟
抱きしめる力がいっそう強くなって、私の服にはシワができた
夏油傑
回された彼の手を握り返すと、落ち着いたのか悟は力を緩める
五条悟
夏油傑
夏油傑
背中に触れる触感が消えたかと思えば、肩にずしりと重みが乗って
悟の声が近くなった
五条悟
夏油傑
でも辛くはないよって、誤魔化せれば良かったのに
何故かいつものように笑うことが出来なかった。
夏油傑
夏油傑
彼が力づくで私を暴こうとしているのは予想していた
だから私も対抗するように、自分が折れるまで嘘をつき続けるつもりだった
夏油傑
私は俯く。
疲労やストレスも含まれていると考えたが、一番はきっと
夏油傑
落胆だろう
そもそも根本的な価値観が違うのに分かり合えるはずがない
悟が語ったのは、見えるようになった部分だけなんだ
五条悟
夏油傑
夏油傑
ドンッ
背面に強い衝撃が走ったかと思えば、私は悟と向かい合わせになっていた
壁に両肩を押し付けられて、少しも動けやしない
ミシミシと音がしそうなほどの力に、私は顔をしかめて呻く
夏油傑
五条悟
五条悟
俯く悟の声は震えていた
夏油傑
五条悟
そう怒鳴りながら、悟は顔を上げる
眉をつりあげて体を震わす彼の、瞳の縁は濡れていた
その様に、私は声を失う
夏油傑
ブツブツと呟く彼を見つめることしか出来なかった
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
第6話
ℯ𝓃𝒹☕︎︎𓂃 𓈒𓏸
コメント
1件
前回読み辛かったと思います、申し訳ないです😭なるべく口説くならないように改善してみました。 傑がいつまで経っても壁を作る理由もしっかりあるので、どうか最終話までお付き合い願います。いつも閲覧ありがとうございます。