君
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、
あの夏の日の記憶だ。
君
君
君
君
君
君
君
そんな君に僕は言った。
僕
財布を持って、
ナイフを持って、
携帯ゲームもカバンに詰めて、
僕
僕
あの写真も、
あの日記も、
僕
僕
人殺しと
ダメ人間の
君と僕の
旅だ。
そして僕らは、
逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも何もかも
全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない
場所で二人で
死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこら中
湧いてるじゃんか。
僕
僕
❃ふくしな❃
❃ふくしな❃
❃ふくしな❃
❃ふくしな❃
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