N県G市
介護付き有料老人ホーム『ツバメの丘』
介護士である井川 栞里は、今日もここでせっせと働いている
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
真面目でハツラツとした栞里は入居者たちからの人気も高く
彼ら彼女らの昔話に付き合わされることもしばしばである
入居者
入居者
入居者
井川 栞里
入居者
入居者
入居者
入居者
井川 栞里
入居者たちの昔話を聞くことは、栞里にとって苦痛ではない
さまざまな人物の過去の経験を聞くことは、彼女にはむしろ楽しみですらある
しかし中には何回も同じ話を繰り返す入居者もおり
栞里も最近やっとそういう話の聞き流し方を覚えてきたところである
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
入居者の一人、清瀬 幸三さん
彼はこの話を好んで介護士や他の入居者たちに話していた
彼がこの話をする時は、栞里のように驚いたリアクションをされるととても機嫌が良くなるので
基本的に介護士たちは彼にこの話を振られると多かれ少なかれ驚いた反応をするようにしている
ちなみにこの話の内容については、過去にそういう事件があったというのは事実であるものの
女スパイの件については、真偽で言えば限りなくデマに近いと言われている
しかし清瀬さんはこの話が好きなのだ
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
井川 栞里
適切なところで話を切り上げるスキルも、この仕事では必須である
森田 ウメ子
井川 栞里
森田 ウメ子
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 ウメ子さん、御年82歳
足腰が弱ってきており、車椅子で生活している女性だ
町の診療所に定期的に検診目的で連れて行っているのだが
今日がその検診日だ
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 ウメ子
井川 栞里
介護士
井川 栞里
介護士
介護士
介護士
井川 栞里
井川 栞里
介護士
介護士
井川 栞里
平日午後の銀行
繁忙な時間は過ぎたのか、利用客はまばらである
栞里は印刷された番号札を取ると、ウメ子と一緒に待合室の端の席に移動した
ウメ子の車椅子を席の横まで押し、栞里自身はそのすぐ隣に腰かける
井川 栞里
森田 ウメ子
診察を終え疲労しているだろうウメ子を介護施設の社用車の中に放置しているわけにもいかず
それなら銀行内に一緒に連れてきてさっさと入金を終わらせてしまおうという魂胆だ
森田 ウメ子
森田 ウメ子
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
井川 栞里
井川 栞里
銀行員
男1
銀行員
銀行員
男1
男1
銀行員
男2
男3
銀行員
男1
男1
男1
銀行員
銀行員
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
銀行員
銀行員
男1
男1
男1
銀行員
男1
窓口で銀行員と何やら話し込んでいた長身で筋肉質な男が一声かけると
傍らで待っていた連れらしき男2人が不意に懐から何かを取り出した
男2
男3
銀行員
銀行員
井川 栞里
男たちは待合室にいた栞里たちに向けても、その『何か』をちらつかせる
一見すると手のひらに収まるサイズの物のようだが、それは
井川 栞里
男1
銀行員
男1
男1
銀行員
銀行員
井川 栞里
井川 栞里
男2
男3
井川 栞里
井川 栞里
男3
男3
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 ウメ子
男2
男2
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
男3
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
男3
井川 栞里
井川 栞里
男2
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
男2
男1
男1
男1
井川 栞里
男1
男1
井川 栞里
男1
井川 栞里
男1
井川 栞里
男1
男2
男3
井川 栞里
男たちの理不尽な要求にフリーズする栞里
いつも使っている銀行で拳銃を突きつけられ、脅されているという非日常が
彼女から正常な思考能力を奪っていた
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
上着を脱ぎ、トップスに手をかける
少しの逡巡の後、思い切ってトップスを捲り上げようとした
その時
森田 ウメ子
森田 ウメ子
男3
男2
森田 ウメ子
森田 ウメ子
男3
森田 ウメ子
森田 ウメ子
男2
男3
痩せた男がウメ子に近づく
拳銃を持ったままの男の腕が、ウメ子に伸ばされた
瞬間
男3
男3
男2
男の苦しげな悲鳴が建物中に響いた
よく見ると彼の腕は肘の関節から逆方向に曲がり
折れた先はぶらぶらと力なく揺れている
森田 ウメ子
栞里が気づいた時には既に、ウメ子の手には腕を折られた男が持っていた拳銃が握られていた
井川 栞里
井川 栞里
男3
男1
男2
体格の良い男がウメ子に銃口を向けると
バン、と乾いた音がひとつ、した
井川 栞里
幸い銃弾はウメ子に直撃したわけではなく
銀行の床を弾いただけのようだ
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
男2
男2
男2
男のその先の声は言葉にならなかった
バン、とまた乾いた音がして、それから
男2
森田 ウメ子
男の体が崩れ落ちる
彼の脚から血が流れているのが、栞里の視界に入った
脹脛のあたりを撃たれたのだ
森田 ウメ子
森田 ウメ子
井川 栞里
男2
男1
激昂したリーダー格らしき男が銃口を向ける
それはコンマ数秒の差だった
またひとつ、大きな音がして
男1
男の手から武器が弾け飛んだ
手の甲から血を流す彼を気にも留めず
ウメ子は手に持った拳銃から残りの銃弾を抜き取り床に放り投げる
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
ひとりごとのように呟きながら、ウメ子は拳銃を床に放った
同時に勢い良くドアが開く音がする
警察官
警察官
警察官
警察官
井川 栞里
井川 栞里
銀行の職員が裏で通報システムを作動させていたらしい
栞里たちも軽い事情聴取は受けたが
担当した警察官は簡単な調書だけを取ると、彼女たちをあっさりと解放してくれた
井川 栞里
井川 栞里
警察官
警察官
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 ウメ子
警察官
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 ウメ子
警察官
警察官
警察官
警察官
井川 栞里
井川 栞里
警察官
警察官
警察官
警察官
警察官
警察官
警察官
警察官
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
井川 栞里
介護付き有料老人ホーム『ツバメの丘』
介護士である井川 栞里は、今日もここでせっせと働いている
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
森田 佑一
森田 佑一
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 佑一
森田 ウメ子
森田 佑一
森田 佑一
森田 ウメ子
森田 ウメ子
森田 佑一
井川 栞里
井川 栞里
森田 ウメ子
森田 佑一
森田 佑一
森田 ウメ子
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
井川 栞里
清瀬 幸三
清瀬 幸三
介護士
介護士
清瀬 幸三
清瀬 幸三
清瀬 幸三
介護士
介護士
井川 栞里
井川 栞里
首を傾げた栞里と、ウメ子の視線が合う
ウメ子は目を細めてにんまりと笑ってから
ぱちん、とウインクをしてみせた
〜FIN〜
コメント
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つよつよなお婆ちゃん、大好物です!